野菜と魚を一緒に育てる循環型の新しい農業「アクアポニックス」。環境負荷が少なく、ビルの屋上や狭い土地など農地でない場所でも野菜の栽培が可能とあって都市部でも増えている。 水不足解消を目的に アクアポニックスは、アクアカルチャー(水産養殖)とハイドロポニックス(水耕栽培)を掛け合わせた造語。1980年ごろ、カリブ海にある米領バージン諸島で始まった農法で、離島や乾燥地域など、水資源が不足したり、肥えた土地が限られていたりする地域を中心に広がってきた。 アクアポニックスを使った農園や生産管理システムの開発・運営などを行うアクポニ(横浜市中区)の孫田(そんた)賢佑さんは、「もともとは水や資源の少ない地域でいかに野菜を育てるかを考えて生まれた農業技術。豊富な水資源を活用できる日本の農業では話題になることが少なかったが、SDGs(持続可能な開発目標)の観点から循環型農業として注目され、異業種からの参入