書物の暗記と詩吟が受験科目として課されていた科挙に合格をするためには大量の暗記をこなさなければならなかった / credit:いらすとやそれでは科挙の試験科目はどのようなものであったのでしょうか。 郷試・会試・殿試で難易度やボリュームは異なっていたものの、基本的には四書五経と詩題、策題という政治論文が課されていました。 四書五経は儒教の経書の中で特に重要とされる九つの文献のことであり、四書は論語、大学、中庸、孟子、五経は易経、書経、詩経、礼記、春秋です。 当時はこれらをマスターすることが、教養人への第一歩と考えられていました。 なお当時は四書を学んでから五経を学ぶことが一般的になっていたこともあり、科挙においても四書の方が基礎科目として重視されていました。 受験生はこの合計57万文字とも言われている四書五経を全て暗記した上で、そこに書かれていることをもとに小論文を書かなければなりませんでし