醤油・味噌・塩という調味料や豚骨・鶏ガラ・魚介といった素材など、ラーメンで語られるのはスープに関してばかり。ラーメンの歴史を追っても麺に関してはほとんど触れられていないのが実情だ。しかしラーメンの主役はスープと麺の二柱。つけ麺やまぜそばの台頭でより注目の集まる麺にスポットを当てたお店を紹介したい。 東北を代表するご当地ラーメンである白河ラーメンの総本山『とら食堂』。その直系で、本場の味を東京にて堪能できる名店がこちらの『吉兆』だ。2011年戸越より大井町にリニューアルオープンし、既に多くの常連客で賑わっている。 中華そば メインに据える「中華そば」は、白河ラーメンならではのすっきりとした醤油スープに、青竹打ちの縮れ麺が泳ぐ王道のビジュアル。鶏ガラ豚骨から滲みでる心地よい風味に、表面に浮かぶ鶏油が丼全体にふくよかな甘味を加える。朝4時から打ち始める平打ち麺は不規則に縮れ、口内をくすぐるような