ほぼ2ヶ月ぶりに更新。いくつかネタがたまっているので、それを消化していきたいなという感じ。 それはそうとして。 一昨日、伊藤計劃の遺稿を読んだ。フランケンシュタインの死体蘇生術により死体が安価な労働力として有効活用されているオルタナティブなヴィクトリア朝のお話。死体による経済が死体の供給によって制限付けられるものである以上、その経済の発展のためには死体が多く必要で、最も手っ取り早い手段は戦争あるいは植民地からの収奪ということになる。フランケンシュタインの死体蘇生技術と帝国主義のグロテスクな結合がここにある。 そしてそれは生政治――誰を生かして誰を殺す=サブジェクト(従属物)とするかの政治と密接に結びつく。そしてまた、君主制帝国主義においては生きている人間もまたサブジェクト(臣民)として死体とある意味同じ位置づけを与えられる。生政治の観点において、われわれはみな、あらかじめ死んでいる=サブジ