【最近見られる顕著な円安傾向】 円の為替相場は、本年3月上旬から5月上旬にかけて大幅な円安傾向を示し、5月末時点でも円安水準を維持しています。1米ドル当たりの円レートで見ると、2月末に115.5円であったものが、4月末には130.6円になっており、この間の円の価値は11.6%も減少(減価)していることになります。 このような円安は、日本経済に対してどのような影響を及ぼすのでしょうか。 一方では、円安は日本経済にとってプラスであるとの見方があります。こうした見方は、主として輸出産業の観点から評価が行われているように思われます。しかし、日本経済への影響ということであれば、輸入産業への影響も見落とせないはずです。 他方、円安は日本経済に対してマイナスの影響をもたらすとの評価もあります。その場合には、物価への影響、それに伴う家計消費への影響が懸念されているようです。しかし、その議論においては、しば