京都市北区の烏丸北大路で1942(昭和17)年に産声を上げた大垣書店。創業82年目の昨年11月、日本一高いビルとして注目された「麻布台ヒルズ」(東京都港区)に関東初出店となる直営店をオープンし、話題を集めた。今や全国に40店舗、グループ全体で計50店舗を展開するブックチェーンに成長した。近年、四条烏丸の京都経済センター(下京区)に本店を移し、市内のショッピングモールに品ぞろえ豊富な大型店を次々と開店。カフェを併設するなど都会的でおしゃれなイメージが店舗からも感じられる。 一方、京都市内では決して交通の便が良いとは言えないエリアにも店を構え、長年維持している。その一つが「伏見店」。伏見店といっても、立地しているのは伏見区の中で人の流れが多い大手筋や丹波橋といった中心部ではない。京都の人にとっては運転免許試験場の場所としてなじみの深い市南西部の「羽束師(はづかし)」にある。 書店不況の中、なぜ