ハマス・ヒズボラ「抵抗の枢軸」とは何か――中東における親イラン勢力の成り立ちと動向 溝渕正季 中東地域研究・国際安全保障論 国際 #安全保障をみるプリズム 21世紀において、イラン・イスラム共和国ほど、その戦略的目的のために国外の非国家武装勢力を活用することに成功した国家は他に例を見ない。レバノン、シリア、イラク、イエメン、そしてパレスチナ占領地で展開される紛争において、イランの支援を受けた勢力は、同国が国境を越えて政治的影響力を行使し、地域の敵対者たちに対して優位性を確保する上で大きな役割を果たしている。 1979年の革命以降、イランにとって最大の脅威は米国および地域におけるその同盟勢力(主にイスラエルとペルシャ湾岸諸国)であった。イランのアリー・ハメネイ最高指導者は2014年6月、支持者たちを前に「われわれは世界的な傲慢勢力による挑戦に直面している。率直に言おう。問題は米国が引き起こし