通りかかった男性を直撃した倒木=京都市東山区の産寧坂で2024年4月23日午後1時23分、日高沙妃撮影 あの桜が倒れてから1カ月が過ぎた。予想だにしなかった事態で事件化は見送られる公算が大きいが、事故は防げなかったのか。関係者を取材すると、著名な観光地ならではの事情が見えてきた。 京都市東山区にある世界遺産、清水寺近くの産寧坂(さんねいざか)で4月23日、しだれ桜が倒れた。通行人の男性が下敷きになり、重傷を負った。事故が報じられると、SNS(ネット交流サービス)でも「産寧坂のあの桜が」と話題になった。 京都府警などによると、男性は当時の状況について「後ろでボキボキという音がした。振り返ると木が倒れてきた」と説明。男性は三重県の高校教諭で、この日は遠足の引率で京都市内を訪れていた。自由行動中だった生徒を見守っているさなかに倒木に見舞われた。 捜査関係者によると、倒木は予見可能性が低かったこと