金融政策決定会合後の記者会見で質問者を指名する日銀の黒田総裁=10日午後、日銀本店(代表撮影)4月8日に任期満了を迎える黒田東彦(はるひこ)総裁は10日、最後の金融政策決定会合に臨み、金利全体を低く抑える「異次元の金融緩和」の継続を決めた。物価も賃金も安定的に上昇させていく2%の物価上昇目標はゴールがみえないまま、10年が経過した。日本経済の足取りは今も力強さを取り戻したとはいえず、後任の植田和男氏の手に委ねられることになった。 「物価や賃金が上がりにくいことを前提とした考え方・慣行は予想した以上に根強かった」 黒田氏はこの日の記者会見でこう述べ、2%目標を達成できていない現状に悔しさをにじませた。