能登半島地震の震源地近くに建設が計画されていた「珠洲(すず)原発」。建設予定地だった石川県珠洲市高屋町は、今回の地震で住宅の大半が壊れ、陸路も海路も閉ざされて孤立状態に陥った。もし原発が実現していたら、重大事故が起きて住民の避難がより困難になった可能性もあった。建設を阻止したのは、住民らの長年にわたる根強い反対運動だった。どのような思いで止めたのか。(岸本拓也)
自民、公明両党は、防衛装備品の輸出ルールを定めた「防衛装備移転三原則」を巡る与党協議で、要件緩和にかじを切った。輸出拡大によって防衛産業を支援したい自民党側の要求を、公明党が条件付きで容認した形。英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機など、殺傷能力のある武器の輸出解禁が現実味を帯び始めている。(川田篤志、市川千晴)
JR東日本やホンダ、ANA、積水ハウス、パナソニック…。知名度の高い企業も含む国内72社と団体が名を連ねた要望書が、先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)の開催前の5月17日、LGBT理解増進を担当する森雅子首相補佐官に手渡された。 G7でLGBTQの取り組みを議題にすることや、関連した国内法を求める内容だった。同様の要望書は元首相秘書官の差別発言があった直後の2月に内閣府にも提出済み。賛同したパナソニックホールディングスの戦略人事部長、盛山光さんは取材に「誰もが自分らしく生きられる社会に向け、企業として社内制度や環境の整備を進めているが、一企業では越えられない課題がある。国が法整備してほしい」と話した。 経団連は2017年、多様性を重視した社会実現に向けて提言をまとめ、会員企業などに「LGBT理解促進や多様な人材の存在を前提とした環境・制度の整備が必要」と呼びかけた。「財界総理」と呼ばれ
本紙が情報公開請求した防衛省の「防衛力強化加速会議」の資料はほとんどが黒塗りで、政府が昨年末の安全保障関連3文書改定により保有を決めた敵基地攻撃能力(反撃能力)の検討過程は不透明なままだ。岸田文雄首相は戦後の安保政策を大転換した「決断」を強調するが、保有の必要性や運用の具体像など、多くの疑問が残っている。首相は23日の施政方針演説で「国会の場で正々堂々議論する」と述べており、国民の疑問に正面から答える説明が求められる。 (川田篤志) 歴代政権が保有してこなかった敵基地攻撃能力を必要とする理由について、国家安全保障戦略では、中国や北朝鮮が開発を進める極超音速ミサイルなどは、現在の日本の迎撃能力では対応が困難だと説明。敵基地攻撃能力を持つことで、日本への攻撃を思いとどまらせることにつながると主張する。
古賀氏は、ロシアによるウクライナ侵攻や台湾有事の懸念、北朝鮮の核開発など安全保障環境の変化は認めつつ「それで、なぜ敵基地攻撃能力を持つミサイル(保有)につながるのか。抑止力になるのか」と疑問視。「保有すれば実質的に専守防衛という基本がなくなり、憲法9条も脅かされるのではないか」と警鐘を鳴らした。 「日本の安全保障は政治や経済、国防、外交といったありとあらゆる力を結集し、軍事大国への道を避けるのが基本だった」と強調。「軍国主義につながらない他の分野でやれることが多くあるはずで、冷静な議論が必要だ。例えば安全保障で一番大事なのは人口を増やすこと。子どもが増えることが一番の抑止力になる」と訴えた。 宏池会は戦後の「軽武装・経済重視」の道筋を築いた吉田茂元首相を源流に、池田勇人元首相が創設。党内ではハト派色が強く「保守リベラル」と呼ばれ、衆院議員だった首相の祖父と父も所属した。古賀氏は2012年ま
安倍晋三元首相銃撃事件で、山上徹也容疑者(41)=殺人容疑で送検=の供述によりクローズアップされた宗教団体「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」。山上容疑者は、母親が入信後に破産するほどの献金をして家庭が崩壊したため同会への恨みを持ち、同教会とのつながりが深い安倍氏を狙うことにした、などという趣旨の供述をしているという。同会と自民党との関係は、半世紀以上前までさかのぼるとされるが、その経緯や実態はどうなのか。(特別報道部・宮畑譲、北川成史) 旧統一教会とはどんな団体か。フランスの経済紙「レゼコー」は襲撃事件後、欧米では「カルト宗教」と認識されていると報じた。上越教育大の塚田穂高准教授(宗教社会学)は「活動の基軸はあくまで宗教的理念と実践。その活動の中において多くの問題を抱え、人権侵害や違法行為を積み重ねてきた宗教団体だ。他の宗教一般と同列には扱えない」と話す。 旧統一教会は教祖の故・文
安倍晋三元首相の後援会が「桜を見る会」前日に主催した夕食会を巡り、2020年12月に政治資金規正法違反罪で罰金100万円の略式命令を受けた配川(はいかわ)博之元公設第1秘書(62)=山口県下関市=の刑事確定記録が25日、本紙の請求により開示された。配川氏は、費用を補塡(ほてん)すれば違法な「寄付」になりかねず、「後援会の収支報告書に載せることはできない」と2013年当初から認識。秘書同士で責任を押し付け合った結果、収支報告書に記載しないまま放置していたずさんな会計処理が明らかになった。(小沢慧一) 配川氏の供述などによると、夕食会は地元山口県の「安倍晋三後援会」が主催し、ホテルとの契約などは東京の事務所が担当。支援者の会費は5000円と決めていたが、東京の秘書から「参加費だけでは費用が賄えないので後援会で処理してほしい」との連絡を受けて「何をやっているんだ」と不信感を強めたという。 配
1872(明治5)年の鉄道開業時、線路を敷くため東京湾の浅瀬に築かれた「高輪築堤」(東京都港区)について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関「国際記念物遺跡会議」(イコモス、本部パリ)は、国際的にも非常に重要な遺産だとして、調査に伴う解体をやめるよう求める「ヘリテージアラート」を出し、JR東日本の深沢祐二社長らに宛てて文書を送付した。(梅野光春) イコモスは、世界文化遺産の登録審査を行う機関。高輪築堤を「日本の近代化の出発点であり、日本と(建設指導に当たった)英国の技術を合わせた構造物が、非常に良い状態で残っている」と評価。アラートでは、遺構の重要性を広く知らせないまま解体・再開発を進めることは、国や都の文化財保護行政上、深刻な懸念材料で、あしき前例を残すとしている。
新型コロナウイルスワクチンの1回目を、国民の約半数が打ち終えた。データが蓄積され、米ファイザー製、米モデルナ製それぞれの特徴が見えてきた。厚生労働省の研究では、モデルナ接種後に発熱した人の割合はファイザー接種後の2~3倍に上ると判明。諸外国より突出して多く、日本特有の現象だ。2回のワクチン接種を完了しても陽性になる「ブレークスルー(突破)感染」の危険性も残る。(沢田千秋) 「頑強な自衛隊の方でさえ、4割が病休したのはちょっとショック」。ワクチン副反応の調査を担う厚労省研究班の代表、伊藤澄信・順天堂大客員教授は、副反応検討部会で率直にそう述べた。モデルナの調査は自衛官を中心に行った。2回接種後、4割が「仕事にならない状況」だったという。
東京五輪・パラリンピックの選手ら訪日関係者向けに開発している健康管理アプリ(オリパラアプリ)の事業費や国民から「ありがた迷惑」などと批判の声が上がった、いわゆる「アベノマスク」の配布などを巡り、国会による会計検査院への検査要請が見送られることとなった。参院決算委員会で、契約の妥当性を調べるよう提出した野党の要請案に、「(同院の)検査事項が多い」として与党が同意しなかったためだ。(坂田奈央) 会計検査院への検査要請項目の決議は、全会派一致が慣例。野党は①全戸に2枚ずつ布マスクを配布した事業の詳細な経費をはじめ、②当初は73億円の事業費だったオリパラアプリなど新システムの契約手続きや管理③給付金事業の事務費④予備費の使用―について検査を求めた。だが、いずれも与党が同意せず、予備費に関しては政府に適切な措置を求める「措置要求決議」にとどまった。 決議に向けた協議は与野党の委員会理事らの間で行われ
菅義偉首相は10日、参院予算委員会の集中審議で、立憲民主党の蓮舫代表代行から東京五輪・パラリンピックについて問われたが、同じ文言を読み上げるばかりで、まともに答えなかった。
菅義偉首相は17日の衆院予算委員会で、長男が勤務する放送事業会社「東北新社」の元社長らから、2012~18年の間に計500万円の個人献金を受け取っていたと明らかにした。同社を巡っては、子会社が手掛ける衛星放送の認定更新時期の直前に、首相の長男と総務省幹部が会食していたことが判明しているが、首相自身とも深い関係であったことが改めて明らかになった。(上野実輝彦)
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