まさに中国が得意とする「アメとムチ」を使い分ける外交の意趣返しともいえるやり方だ。こうした「安倍外交」について、長年対日政策に携わっている中国政府当局者は振り返る。 「戦後初めて、対米追随ではなく、独自の戦略を持った外交を打ち出した日本の指導者だと評価しています。小泉純一郎氏ばりのイデオロギー色を発しながら、田中角栄氏のように実利的なアプローチも仕掛けてくる。なかなか手の内が読めずに苦労しました。ある意味で、われわれが最も恐れた日本の政治家でした」 この説明を聞いて、中国語の「務実(ウーシー)」という言葉が頭に浮かんだ。「実務的なことを重んじる」「現実的で実りのある」という意味で、中国人が最も好む言葉の一つだ。 事実上の中国包囲網につながる「自由で開かれたインド太平洋構想」や、日米豪印戦略対話(クアッド)を提唱しつつも、「務実」に経済関係を強めたことで、2012年の沖縄県の尖閣諸島の国有化
2022年03月23日10:00 カテゴリ国際外交 どうする、ロシア外交 日本の戦後外交はどちらかといえば日本からは強い意見を言わない受身外交と敵を作らない八方美人外交ともいえます。特に日本を取り巻く隣国は中国、韓国、北朝鮮、ロシア、地域としての台湾、それにアメリカという難しい国ばかりなのです。この構図ではアメリカを取り込まないと外交的に立ち行かないという難題を抱えているわけで好む、好まざるにかかわらず、アメリカとの密接な関係は日本の生命線であるとも言えます。 一方でそれに頼り過ぎているがゆえに自立できていないのではないか、という批判も当然あるわけです。軍を持たない日本を指摘する声です。ただ、「自衛」の解釈は時代背景次第で広義にも狭義にも取れる含みがあるという気はしています。海外できな臭い動きが出てくればこの解釈論は変わってくるかもしれません。 それはさておき、ロシアが平和条約交渉の打ち切
台湾はクリミアのようになってしまうのか?中国の考えているやり口を解説。 このタイミングでアメリカから不審がられている岸田政権 サブチャンネル 映画の話チャンネル https://www.youtube.com/channel/UC96k9Yf5CFVlIY1i_JaEsGw?guided_help_flow=3 ニコニコ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ▼髙橋洋一ライブチャンネル https://ch.nicovideo.jp/takahashiyoichi ▼チャンネルの入会はこちら! https://ch.nicovideo.jp/takahashiyoichi/blomaga/ar2032690 #高橋洋一 #中国 #台湾 #有事 #日米関係 #日米首脳会談 #クアッド #岸田 #林外務大臣 #髙橋洋一チャンネル
2021年12月10日10:00 カテゴリ中国関連外交 北京五輪外交ボイコットの考察 私は日本のテレビニュースでも特に「国際」と称するジャンルのニュースを選ぶのが多いのは個人的趣味もありますが、国内に住んでいないので社会事件が肌身に伝わってこないこともあります。日本における国際ニュースではアメリカのニュースは思ったほど多くないし、偏りもあります。アメリカ発の報道の典型は株価とバイデン氏絡みでそれ以外の社会問題、アメリカ国内政治、経済や経営の詳報が伝わることは少なく、かつ、ワシントンとニューヨークという2拠点発の報道が主体です。 一方、数えたことはありませんが、中国関連の報道は本数では一番多い気がします。その典型が外交関係で中国外交部の報道官の嫌味たっぷりの発言を取り上げるケースが目立ちます。この中国外交部が放つ日本けん制発言の数々ですが、日本のメディアはこの中国側の発言を報じたままで日本側
2020年11月09日10:00 カテゴリ国際社会一般 バイデン大統領のアメリカ トランプ大統領が2日連続でゴルフ場に「引きこもり」をしました。大統領は今、必死で4年間の大統領生活を回顧し、年明けからの自分の姿を想像し、自分の住処と残りの人生のプランを模索しているのでしょう。 敗北宣言をしていない点からまだポジションに固執しているのではないか、とも指摘されていますが、私はこの2日間の逃避を見る限り、今更、対立軸を高揚させるような行動に出るとは思っていません。自分の美しい引け際の演出、そして引いた後に雪崩のように襲ってくる様々な訴訟や金銭問題、そして自分の周りには最後は家族だけしかないというシナリオにメンタルを正常に維持させることすら難しいかもしれません。 そんな折、ロシアのプーチン大統領がパーキンソン病ではないかと報じているのは英国のタブロイド紙の「サン」ですが、根も葉もないわけでもないの
ミサイルを向けてきている国のトップをのんびり呼んでる場合なんですかね……。 やまもといちろう公式メルマガ「人間迷路」(新規購読者受付中!) https://yakan-hiko.com/kirik.html やまもといちろう主宰経営情報グループ「漆黒と灯火」(次期募集は未定です) https://yakan-hiko.com/meeting/yamamoto.html やまもといちろうオフィシャルブログ https://lineblog.me/yamamotoichiro/ やまもといちろうYahoo!個人記事一覧 https://news.yahoo.co.jp/byline/yamamotoichiro/ やまもといちろう文春オンライン記事一覧 https://bunshun.jp/search/author/%E5%B1%B1%E6%9C%AC%20%E4%B8%80%E9
1日、広州の従都国際フォーラムに出席した鳩山氏は米国の香港人権民主法は越権だと批判し、3日、参加者とともに習主席と会見。中国メディアはこの会見を宣伝用に使った。習主席を国賓として招待すれば、こうして利用される。 ◆鳩山由紀夫元首相、「香港人権民主法」は越権だとフォーラムで 12月1日、中国の広東省広州市の従都で、「多国間主義と持続可能な発展」をテーマにした「2019従都国際フォーラム」が開催された。従都というのは広州市従北区にあるリゾート地だ。そこには、外国の元政治家や、国際組織の関係者なども招聘されて、スピーチを行ったのだが、日本からは鳩山由紀夫元首相が出席している。 そのフォーラムで鳩山氏は「アメリカによる覇権時代は必ず終わらせなければならない」とか「アメリカの香港人権民主法は中国に対する越権である」などと主張したために、中国共産党系メディアや、中国政府系メディアが、ここぞとばかりに
2019年08月22日06:00 カテゴリ国連記者室中国 日本外交官は中国大使に見習え! 駐オーストリアの中国の李晓驷(Li Xiaosi)大使は模範的な外交官だ。自国の政情や国体がメディアで間違って報道されていたら、黙っておれない外交官のようだ。同大使の強みは流ちょうなドイツ語だ。20日の昼のラジオのニュース番組で同大使の声が聞こえてきた。同大使は数日前、オーストリア代表紙プレッセに寄稿し、香港のデモ集会について、「欧州メディアは正しく報道していない」と厳しく批判し、20日のラジオインタビューでは、「中国の北京政府も香港がカオスに陥るような状況になれば、関与せざるを得なくなる」と発言し、「欧州駐在の中国大使が北京政府の香港介入の可能性を示唆し、香港のデモに対し警告を発した」というニュースを発信させているほどだ。 ▲海外駐在外交官の模範、駐オーストリアの李晓驷中国大使(左)、李勇UNIDO
2019年06月22日06:00 カテゴリ韓国 文大統領「対話で国防」の脳天気さ 韓国最大手日刊紙「朝鮮日報」日本語版(6月20日)の社説には考えさせられた。タイトルは「『対話で国を守る』と主張する韓国軍の笑えない喜劇」だ。朝鮮日報は国防日報17日付1面の記事「南北の平和を守るのは軍事力ではなく対話」(その内容は文在寅大統領のスウェーデンでの演説)を報じ、「国の安全保障における最後の砦となる韓国軍が、軍事力ではなく、対話で国を守る」という趣旨に大きな懸念を表明している。 ▲南北融和路線を一直線に走る文在寅大統領(2019年6月20日、韓国大統領府公式サイトから) 朝鮮日報の懸念は正論だろう。「対話」は戦争や軍事衝突を回避するための前哨戦だが、国を守るのは最後はその国の軍事力だ。軍事力の脆弱な国は対話テーブルにおいて、守勢をどうしても余儀なくされる。 冷戦時代を思い出す。欧州は東西陣営に分割
日中首脳会談冒頭における安倍首相の生の声を精査したところ、安倍首相は李・習両首脳に対して会談で「三つの原則」と言っていないことが判明した。従って日本が今後の日中の主導権を握る事態は存在していない。 ◆日本の代表カメラの収録から 筆者が某テレビ局の取材を受け、安倍首相が日中首脳会談で「三つの原則」と言ったか否かに関して中国側資料と照らし合わせながら回答しなければならない状況の中で、その番組スタッフにお願いして日本側の現場の取材記録を調べてもらいテープ起こしをしてもらった。番組スタッフからは共同作業だったので使っても構わないという許可をいただいたので、ここで使わせていただくこととする。 安倍首相は11月5日の衆議院予算委員会の国会答弁(11:18:35)で、「報道を見ていただければわかりやすいことなんですが、私は習近平主席と李克強総理との会談の冒頭ですね、取材しているカメラの前で、これら3つの
2017年12月31日10:00 カテゴリ社会一般経済一般 今年のつぶやき 2017年も残すところあとわずかとなりました。皆さん、それぞれ思うことがあるかと思います。何も思い出せない、という方は是非とも新しい年に向けて気分転換を図ってみてはどうでしょうか? さて、今年一年を振り返ってみましょう。 社会経済全般に関して思い返すといくつかのキーワードが思い浮かびます。トランプ、北朝鮮、慰安婦像問題、英国離脱、ルペン候補、カタルーニャ独立運動、朴槿恵弾劾、ISとテロ、株価、ビットコイン、タカタ、不正、モリカケ、小池百合子、蓮舫、民進党、パンダ、大相撲、安室奈美恵、スポーツ界の記録続々…いろいろあります。 大所高所から見る世界は反グローバル化でアメリカ、中国の自国中心主義が顕著になり、日本の上を通過した空中戦という印象があります。もちろん、北朝鮮のミサイルが飛び越えていったということもあるのでしょ
年の瀬ということもあり、休刊しようかとも思ったのですが、例の「慰安婦合意TF」を巡って隣国が大騒ぎになっているようです。そこで、本日はこの騒動を冷ややかに眺めておきたいと思います。
北朝鮮が6回目の核実験を敢行し、アメリカは「軍事的オプション」をちらつかせる政権幹部の発言が続く。安倍政権も北朝鮮に対し、「より強い圧力をかけていく」という姿勢だ。 緊迫する国際情勢の中で、伊藤忠会長を務めた後、初の民間出身中国大使に就任した丹羽宇一郎氏は「日本がどんどん戦争に近づいている」と警告する。2012年末に帰国後は日中友好協会会長に就任する一方、地球環境、エネルギー、安全保障、教育、教養など、中国問題に限らない幅広い言論活動を展開する丹羽氏に今の状態はどう映っているのだろうか。 —— 近著『戦争の大問題』で「日本が戦争に巻き込まれる可能性は低くない」と書いています。今の日本に戦争の危険は近づいているのでしょうか。 丹羽:今年2月ごろから戦争体験者をはじめ元防衛相や軍事評論家への取材を続けてきたんです。取材をするまではそれほど(危機感は)感じなかったのですが、戦争の本当の姿、真実を
「自分がフィリピン人だということをいまや私たちはあまり考えるべきではない」「自分がASEAN(東南アジア諸国連合)人だと考え始めるのです」フィリピンのアラン・カエタノ外相は演説の中でそう言った。 ASEAN関連外相会談(8月6〜8日)の最終日、開催地であるフィリピンのマニラで、多くの外交官や大使らが集う中、ASEAN設立50周年を記念した荘厳な式典が開かれた。1967年バンコク宣言に署名した5人の創設者に敬意を払ったり、メンバー国首脳のビデオメッセージが流れたほか、オーケストラの演奏に合わせて東南アジア各国の多様な文化をイメージさせるダンスパフォーマンスが上演され、来賓者たちの目を奪った。 ASEANは組織としてまだまだ未熟だし、エリート主義だと批判されることもある。だが、手と手を携え、紛争の地から平和な地域へ、貧困の地から活気のある経済へと着実に進化してきた。それと対照的に、隣接する北東
きたの・よしのり/1970年長野県生まれ。モスクワ在住24年の国際関係アナリスト、作家。その独特の分析手法により、数々の予測を的中させている。1996年、日本人で初めて、ソ連時代「外交官・KGBエージェント養成所」と呼ばれたロシア外務省付属「モスクワ国際関係大学」(MGIMO)を卒業(政治学修士)。1999年創刊のメールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」は現在読者数3万6000人。ロシア関係で日本一の配信部数を誇る。主な著書に「隷属国家日本の岐路」(ダイヤモンド社)、「プーチン最後の聖戦」、「日本自立のためのプーチン最強講義」(共に集英社インターナショナル)など。 ロシアから見た「正義」 “反逆者”プーチンの挑戦 ウクライナ問題などで欧米に楯突き、“反逆者”となったプーチン・ロシア大統領。しかし、ロシア側から物事を眺めれば、ウクライナ問題で暗躍する欧米側の思惑など、日本で報道されている“
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