浮かび上がるイランの「地下世界」 イスラム体制による独裁的な権威主義国家、イラン。その国民は、厳しい戒律を守り、つつましく生きている――。日本人の多くがイラン人に対してこんなイメージを持っていることだろうが、実態は違う。 このほど発刊された『イランの地下世界』(角川新書)は、我々日本人のイランへのイメージを見事なまでに裏切ってくれるだろう。 前編「「イランの地下世界」を20年歩いて見えた…!日本人が知らない、信仰心のない「イスラム・ヤクザ」の正体」に続いて、著者の若宮總さんの話をお届けする。 若宮さんは、10代でイランに魅せられ、20代以降は留学や仕事でイランに長期滞在した生粋のイラン・オタクだ。 長年、中東イランとともに暮らす中で得た経験をもとに「イラン人の今」「宗教観」など、日本であまり描かれてこなかったイラン社会の実相や人々の生活のありようが描かれている。 特に、イランではイスラム法