新型コロナ対策の次亜塩素酸水で「本当に怖いこと」 「有効性」「安全性」めぐって深まる混乱 欠かせない事実の見極め 伊藤隆太郎 朝日新聞記者(西部報道センター) 新型コロナウイルスが広がり、消毒用のエタノールが品薄となるなか、代替になりそうな「次亜塩素酸水」が注目されてきた。名前の似た「次亜塩素酸ナトリウム液」には、新型コロナに対する有効性が認められている。だが両者は別物で、勘違いや混乱が少なくない。 次亜塩素酸水については5月末、検証していた経済産業省などが「現時点では有効性は確認されていない」との中間結果を示した。これに次亜塩素酸水生成器のメーカーなどが「効果を示すデータはある」と反発し、対立も生まれている。どう考えればよいだろうか。 この話には、つまずきの石がいくつも転がっている。ちょっとややこしくて、誤解しやすいのだ。つまり、 【問題1】次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウム液、どちらの