3. フォーカス・リサーチ(2) HaskellによるQUICの実装 IIJの目標の1つはインターネットの発展に貢献することであり、技術研究所は貢献方法の1つとして新しいプロトコルの標準化に参加しています。新しいプロトコルの仕様を議論し、その仕様を実装し、他の実装と相互接続性を検証することで、仕様の完成度を高めることに長年取り組んでいます。 2013年以降はHTTP/2とTLS 1.3の標準化に参加しました。最近の2年半は、この2つのプロトコルに関連が深いQUICやHTTP/3の標準化に関わりました。この記事では、QUICやHTTP/3をどのように実装したかについて説明します。 3.1 QUICとHTTP/3 QUICは、UDPを利用する新しいトランスポートプロトコルです。以下の機能を取り込む大きな仕様として定義されています。 TCPが提供する信頼性、フロー制御、及び輻輳制御 HTTP/2