政府は北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイル発射や核開発継続を受け、日米同盟の対処能力を強化するため、巡航ミサイルの将来的な導入に向けた本格検討に入った。北朝鮮の脅威は新たな段階になったとして、発射拠点を巡航ミサイルなどにより破壊する「敵基地攻撃能力」の保有を目指す。早ければ、来年度予算案に調査費などを計上したい意向だ。政府関係者が5日、明らかにした。 巡航ミサイルは米国製「トマホーク」の導入を想定。日本海上から北朝鮮全域を射程に収め、低空飛行するためレーダーに捕捉されにくく、目標を精密に攻撃する特徴がある。4月の米国のシリア攻撃にも使われた。海上自衛隊のイージス艦への搭載が有力だ。 防衛省筋は、これまで米側は巡航ミサイルを日本が保有することに慎重だったが、トランプ政権下、朝鮮半島情勢の深刻化を受けて態度を軟化させていると指摘。日本政府関係者は「来年度予算に調査費などを反映させたい」としている。
防衛省は、昨年12月に閣議決定された新たな防衛大綱で東シナ海の離島防衛や、南海トラフ巨大地震など大規模災害への対応を重視する方針が示されたことを受け、輸送力や航空運用能力に優れた強襲揚陸艦を海上自衛隊に導入する方針だ。大綱に基づき、5年間の装備品調達目標を定めた中期防衛力整備計画(中期防)の最終年度である2018年度までに、必要とされる機能や装備を検討。その後、導入計画を具体化する。 中期防には、離島防衛で自衛隊部隊を素早く展開させることを目的に「多機能艦の在り方について検討の上、結論を得る」と明記。南海トラフ巨大地震への対応でも「十分な規模の部隊を迅速に輸送、展開して初動対応に万全を期す」と記した。
海上自衛隊の護衛艦「いずも(22DDH)」の進水式=6日午後、横浜市磯子区のジャパンマリンユナイテッド磯子工場(桐原正道撮影) 海上自衛隊に2015年3月に就役予定のヘリコプター搭載型護衛艦の命名・進水式が6日、横浜市のジャパンマリンユナイテッド横浜事業所磯子工場であり、「いずも」と名付けられた。艦首から艦尾まで貫く全通甲板がある空母さながらの外観で、海自最大の艦艇となる。 6日の式典には麻生太郎副総理兼財務相や自民党の石破茂幹事長も出席。麻生氏と防衛省の江渡聡徳副大臣が船と岸壁をつなぐ綱を切断すると、色とりどりのテープが艦艇から垂らされ、花火が打ち上げられた。いずもは基準排水量約1万9500トン、全長248メートル、横幅38メートル。建造費は約1200億円。米軍の輸送機オスプレイも搭載可能とされる。海自は、いずもと同型の護衛艦1隻を現在建造中だ。
アメリカはタリバン復権を後押しし、アフガニスタンの民意もそれを支えた 民主化が失敗した理由は何か。これからどうなるのか【アフガン報告】6回続きの(3)
中国海軍所属とみられる潜水艦が19日に沖縄県・南大東島の接続水域内で潜航した際、海上自衛隊の哨戒機がこの潜水艦に音響探知機(ソノブイ)の音波を当てていたことが分かった。 複数の政府関係者が20日、明らかにした。 この水域での潜水艦潜航は今月に入って3件発覚し、中国公船が尖閣諸島(沖縄県)周辺の接続水域内での航行などを繰り返していることと関連する可能性があり、けん制するためとみられる。政府は今後も監視、警戒態勢を強めていく方針だ。 潜水艦の識別には通常、艦艇の出す音をとらえる音響探知機を哨戒機から投下し、固有のスクリュー音を聴取して艦種を特定する。この際、相手側に探知されないよう探知機から音波は出さないが、音波をあえて出すことで、相手に日本側が監視していることをわかるようにしたとみられる。
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