家電量販店の掃除機売り場で、よく見かける「ルンバ」。円盤のような形の胴体を縦横無尽に動かして、室内の掃除を自動で行う便利なマシンは、国内で60万台以上、全世界で800万台以上の販売実績を誇るヒット商品である。 ルンバは家電製品の中では掃除機に分類されるものの、実はロボットである。ホンダの「ASIMO(アシモ)」に代表される人型(ヒューマノイド)ではないのでピンと来ない人もいるかもしれないが、人工知能やセンサー技術を駆使し、人間のように自律的に動き、作業ができるという、ロボットの本質は同じなのだ。 この「掃除ロボット」という分野を切り開いたのが、ルンバの開発を手掛けた米国のロボットメーカーであるアイロボット社。1990年にボストンで設立され、米国防総省向けの軍事用ロボットで技術を培ってきた。米軍にも同行したことのある多目的ロボット「パックボット」は、事故後の福島第一原子力発電所に調査に入