ミサイルといえば、着弾して爆発しその破片などで周辺を加害する兵器というのが一般的ですが、アメリカ空軍のR9Xは弾頭(爆薬)の代わりにブレード(刃)を備えるといいます。目的は「暗殺」。その開発経緯などを追います。 ミサイルで「暗殺」する時代の「ニンジャ・ブレード」 近年、有人攻撃機または無人機に搭載された誘導兵器によって特定個人を暗殺した、といったニュースを耳にします。2020年初頭には、非人道的行為を命令したとされるイラン革命軍のガーセム・ソレイマニ将軍が、アメリカ空軍の戦闘型無人機であるMQ-9「リーパー」の攻撃を受けて死亡しました。この事件はそののち、旅客機誤射事件を引き起こすまでにエスカレートするなど、世界的にも大きな問題へと発展しました。 AGM-114 R9X「ヘルファイア」。その形状や暗殺という目的に特化していることから「シュリケン」など忍者にまつわるニックネームで呼ばれる(作