清少納言に絶望名言はないのでは、と思っていた文学紹介者の頭木弘樹さんに対して、そのイメージは清少納言がそう『枕草子』に書いたからでは、と返す、聞き手の川野一宇さん。今回は川野さんが読み解き、頭木さんが聞き手を務める、清少納言の「絶望名言」です。(今回は紹介者でもある、聞き手・川野一宇) 【出演者】 頭木:頭木弘樹さん(文学紹介者) あえてキラキラした日々だけを 春はあけぼの。やうやうしろくなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる。 清少納言(『NHK「100分de名著」ブックス 清少納言 枕草子』山口仲美 NHK出版より) ――今回は清少納言ですね。 頭木: はい。 ――清少納言は平安時代中期の女性で、『枕草子』の作者です。『枕草子』は世界最古のエッセー文学ともいわれています。鴨長明『方丈記』、吉田兼好『徒然草』と並んで、日本の三大随筆のひとつとも言われています。