IOWN構想とは? IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想とは、あらゆる情報を基に個と全体との最適化を図り、多様性を受容できる豊かな社会を創るため、光を中心とした革新的技術を活用し、これまでのインフラの限界を超えた高速大容量通信ならびに膨大な計算リソース等を提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想です。2024年の仕様確定、2030年の実現をめざして、研究開発を始めています。 IOWNは次の3つの主要技術分野から構成されています。 オールフォトニクス・ネットワーク(APN: All-Photonics Network) <情報処理基盤のポテンシャルの大幅な向上> デジタルツインコンピューティング(DTC: Digital Twin Computing) <サービス、アプリケーションの新しい世界> コグニティブ・ファウンデ
NTTが「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)」で狙うのはネットワークやコンピューティングで使われる電気による信号伝送を光に置き換えること。これにより大幅な消費電力の削減が可能になったり、負荷に応じて柔軟にリソースを組み合わせるシステムが実現したりする。同社は5つの段階を経て、2032年までにチップ間通信までの光化を目指す。 NTTは次世代ネットワーク構想「IOWN」を推進している。IOWNとは、光を中心とした革新的技術によって現在のインターネットでは実現できない新たな世界を実現する構想である。 IOWNの取り組みの1つに、ネットワークから端末の情報処理までを光で行う「オールフォトニクス・ネットワーク(APN)」がある。これは、ネットワーキングで使われている光技術をコンピューティングにも活用しようという考えだ。具体的には、CPU(中央演
例えば今、インターネットが通信の全てと思われている方が多くなっています。でも別にインターネットが前提でなくてもいい。私はインターネットがなかった時代も知っています。インターネットとは別のさらに良いものが出てくるかもしれない。その発想がIOWN構想につながります。 インターネットは「TCP/IP」という同じやり方で世界をつなぐことで経済合理性を打ち出し、安くてどこでもつながる世界を実現しました。でもこれは逆に制限があります。インターネットは(通信品質を保証しない「最大限の努力」という意味の)「ベストエフォート」が前提の世界です。空いていればスピードは出ますが、みんながたくさん使い始めたら当然遅くなります。場合によっては、つながりにくくなります。 コロナ禍で昔に比べて通信量は増え、オンライン会議を含めて自分の動画を送る時代になりました。NTTはこれまで設備投資をすることで、通信量が増えても通信
NTT法をめぐる議論が活発になっている。自社への規制の見直しが必要だと主張するNTTに対し、競合他社のKDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの3社が反発する構図に。そもそもNTT法とは?なぜ今、見直し議論なのか?論点を整理するとともに今後の展望を探る。 (経済部記者 谷川浩太朗、山根力、名越大耕、西潟茜子) 「NTT法が廃止されるというような記事が出て、私は本当に恐怖感を覚えました」 9月12日、総務省で開かれたNTT法の見直しに向けた審議会で、楽天モバイルの三木谷浩史会長はこう切り出した。 この日の審議会には、三木谷会長のほか、NTTの島田明社長、KDDIの高橋誠社長、ソフトバンクの宮川潤一社長の4人が出席していた。 NTT法は、国内の通信市場を独占してきた日本電信電話公社が1985年に民営化されることに伴って作られた。新規参入の事業者との間での公正な競争を促すために一定の規制をかけること
ソフトバンク宮川社長「NTTの話は詭弁だ」と一刀両断――4社社長で「ニッポンの通信の未来像」について話し合うべき:石川温のスマホ業界新聞 NTTを規制するための「NTT法」の在り方を巡って、NTTと他の通信会社との対立が表面化している。そんな中、ソフトバンクの宮川潤一社長が決算説明会で「NTTの話は詭弁(きべん)だ」と語った。その上で、宮川社長はNTTを含む大手通信事業者が話し合う機会が必要だと主張する。 NTTの島田明社長は全国の局舎や光ファイバーについて「民営化時に政府に株式を割り当てた時点で資産は株主である政府に帰属した」と説明。その後、3分の2を民間に移転したことに伴い、それに見合った最終的な帰属は民間の株主に移転したとしているのだ。 それに真っ向からかじりついたのが宮川社長だった。 「公社時代の継承資産を保有して運用しているのはNTT東西であり、この東西の株はNTT持株会社が10
NTTが進めるIOWN構想が2023年、大きな節目を迎える。IOWNの基盤となる「オールフォトニクスネットワーク(APN)」の商用サービス第一弾が3月に開始。最初のユースケースと今後の展望を探る。 2023年3月、IOWNオールフォトニクスネットワーク(APN)の商用サービス第一弾が開始される。IOWNの社会実装がいよいよ始まるとともに、既存ネットワークをはるかに凌ぐIOWNの性能・機能を活かすアプリケーションの開発・実証が本格化する。 IOWN1.0は超低遅延 思ったより商用化が早く、驚いた──。通信業界からそんな声も聞かれる「IOWN1.0」とはどんなサービスなのか。 APNはIOWNの基盤技術の1つで、電気信号への変換なしに光のみで伝送するネットワークのことだ。NTTの島田明社長は11月16日から開催した「NTT R&Dフォーラム 2022」で、その狙いと内容を説明(図表1)。早期商
5MAY 2024vol.36 最新号 NTT技術ジャーナル 2024年5月号 発行日 2024年5月1日 (Web) ISSN 2758-7266 / (冊子) ISSN 0915-2318 冊子PDFダウンロード from NTTアーバンソリューションズ NTTアーバンソリューションズが推進する「街づくり×デジタル」の取り組み NTTアーバンソリューションズ発足から5年、街づくりにデジタルの支えを付加して価値を高めていく「街づくり×デジタル」の取り組みを進めてきました。ここでは「街づくり×デジタル」を実装した第1号物件であるアーバンネット名古屋ネクスタビルでの取り組みや、NTTグループと連携した将来の街づくりに向けた実証について紹介するとともに、IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)も活用した今後の日比谷や品川に向けた取り組みについて
NTTが次世代ネットワーク構想「IOWN」の実現に向け、技術・サービスの開発を進めている。次世代構想であるものの、その構想の一部である低遅延なネットワーク「APN IOWN1.0」の提供が2023年3月に始まった。IOWN構想は多岐にわたる。今回は、Q&A方式でIOWNの全体像を見ていこう。 Q1:提供が始まったばかりのIOWNはなぜ注目されているの? Q2:IOWNのネットワークはなぜ必要なの? Q3:「IOWN1.0」の次に登場するサービスは「IOWN2.0」? Q1 提供が始まったばかりのIOWNはなぜ注目されているの? IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)とは、光通信技術を中心とした新たな高速大容量通信、膨大な計算リソースなどを提供するネットワーク・情報処理基盤を指す。NTTがIOWN構想を2019年に公表し、既存ネットワークと
むらい・れいじ/早稲田大学卒業後、外資系通信社を経て、ロイター通信で企業担当として、銀行、鉄鋼、流通業界を歴任し、リーマンショック後に電機業界担当として電子立国の凋落問題を取材。16年から週刊ダイヤモンド記者。引き続きシャープ、東芝問題を取材するとともに、家電、産業電機、通信、半導体、精密、電子部品、ゲームに関わる情報通信技術を幅広く担当。主な担当特集は「背徳のシャープ」「三流の東芝、一流の半導体」「孫正義の知らないソフトバンク」「AI格差」など。趣味はスーパー銭湯。 Diamond Premium News ダイヤモンド・プレミアム会員のみなさまだけに、ダイヤモンド編集部の特選ニュースをお送りします。 バックナンバー一覧 “NTTグループの破壊者”として強烈な個性を発揮した澤田純氏が4年間の任期で社長を退任。第9代NTT社長に就任した島田明氏がダイヤモンドのロングインタビューに応じた。1
NTTは2024年1月30日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクト「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/先端半導体製造技術の開発」の実施企業として採択されたと発表した。NEDOの支援を受けるのは、光信号と電気信号を融合する光電融合技術などを利用したコンピューティング技術「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network) Computer」の開発に関するもの。NTTの荒金陽助研究開発マーケティング本部研究企画部門IOWN推進室長は「総額400数十億円の支援を受ける」と話す。 NTTは次世代ネットワーク構想「IOWN」を推進しており、「IOWN Computer」のほか、大容量・低遅延なネットワーク技術「APN(All-Photonics Network)」などを開発している。
狂騒!半導体 2024年の世界の半導体市場は過去最高の87兆円に達する見通しだ。生成AI(人工知能)の爆発的拡大に加え、“戦略物資”半導体の重要性が高まったことで、主要国による投資競争が苛烈になっている。気が付けば、21年度以降に日本政府が半導体に投下した支援予算は4兆円。欧米と比べても、前例のない規模とスピードで半導体政策が進められている。足元では、台湾TSMCの熊本工場や先端半導体ラピダス工場の追加計画、ローム・東芝連合に続くパワー半導体の陣営づくり、NTT “光の半導体“への国家支援など重要計画がめじろ押しだ。凋落の歴史から一転、空前の狂乱投資に沸く「半導体戦線」の最深部に迫った。 バックナンバー一覧 NTTが「光半導体」の実現を目指して光電融合技術の開発を加速する。政府が452億円の支援を決定する中で、最終的に目指す“ゲームチェンジ”の戦略が見えてきた。鍵を握る存在として浮上したの
NTTは、特長ある研究成果、約100の展示を紹介する「NTT R&D FORUM 2023 – IOWN ACCELERATION」(R&Dフォーラム)を2023年11月14日(火)~11月17日(金)まで開催する。場所はNTT武蔵野研究開発センタ(東京都「三鷹駅」北口よりバス)。オンラインでも参加できる。 開催前日となる2023年11月13日、NTTは関係者と報道関係者向けの内覧会を開催した。会場は関係者でかなり賑わっていたが、報道関係者向けには基調講演とメディア向けツアーも開催された。中でも初めて披露されたNTT版大規模言語モデル「tsuzumi」は多くの来場者や報道陣に強いインパクトを与えた(商用サービスを2024年3月提供開始)。
ビッグ・テック「GAFAM」(Google、Apple、Facebook《現Meta》、Amazon.com、Microsoft)を中心に語られることの多いLLMだが、“言語による性能の違い”がしばしば取り上げられる。非英語圏、中でもここ日本においては日本語特有の難しさが顕著だ。 そうした中、2023年11月に日本語に特化した国産LLMが発表され、大きな話題になった。それが、NTTが開発したLLM「tsuzumi」だ。開発をリードした一人、NTT人間情報研究所の上席特別研究員、西田京介氏はこう話す。 「NTTでは従来、言葉を理解する研究や対話するための言語モデルの研究を進めてきていました。それでも『ChatGPT』が登場したときは、研究メンバー全員に衝撃が走りました。『これはとんでもないものが出てきた』と驚きつつ、一方では日本語処理に課題があることも分かりました」 NTTの研究開発成果と技
この記事は、 NTT Communications Advent Calendar 2023 21日目の記事です。 IOWN推進室では、NTTグループ一体となり取り組んでいるIOWN®︎ 1 構想 2 (Innovative Optical and Wireless Network)の認知度向上・案件化に向けたプロモーション戦略業務を行っています。 本記事では、IOWN構想の複雑な事業を理解する・伝えるために実践した取り組みをご紹介します。 異動や転職、新規プロジェクトの参画で事業や技術の理解・伝え方に苦戦する方の参考いただければ幸いです。なお、内容は個人の見解に基づくものであり、所属組織の総意ではないことをご了承ください。 はじめに みなさんこんにちは。イノベーションセンター IOWN推進室の塚越と申します。 NTTグループ一体となり取り組んでいるIOWN構想のプロモーション戦略業務をし
NTTイノベーティブデバイスは光電融合デバイスのロードマップを明らかにした。写真は、2025年に商用化予定の第3世代品で、ボード間接続に向ける(出所:NTT) NTT子会社で、半導体や通信機器などを手掛けるNTTイノベーティブデバイス(横浜市)は、光デバイスと電子デバイスを組み合わせた「光電融合デバイス」の技術ロードマップを明らかにした。世代を重ねるごとに、より近距離な用途に向けて、小型化と高速化、低消費電力化を進めていく。半導体チップ間でデータを高速に送受信する用途に向けて、2032年に米粒大のサイズで、消費電力が小さいデバイスの実現を狙う。2023年モデルに比べて1ビット当たりの消費電力を8分の1に削減する方針だ。
「大量にデータを生み出す都市部にデータセンターを設置したくても土地が少なく運用に必要な電力が足りないため、設置を見合わせるケースが出てくる」(NTT未来ねっと研究所 フロンティアコミュニケーション研究部の高杉耕一部長)。AI(人工知能)などを中心としたデータの蓄積・利用が広がる中、データセンターの需要も大幅に増大している。一方で、冒頭の発言で挙げた課題が顕在化し始めている。この課題解決を目指し、NTTは新たなデータセンター間接続の技術開発を進めている。 現在のデータセンター間接続(DCI)はデータセンター同士が1対1で接続し、その接続関係が固定的になっている。しかも、一般的に約30km圏内にデータセンター同士が存在しなければ、通信遅延が大きくなって、分散したデータセンターの一体的な運用が難しくなる。このことから都市部への大規模なデータセンターの集中を招き、土地や電力などの問題につながってい
「SEMICON Japan 2023」(2023年12月13~15日/東京ビッグサイト)にて、「日本半導体産業の発展に向けて 半導体を取り巻く先端開発」と題した講演が行われた。NTTイノベーティブデバイス 本社 代表取締役副社長の富澤将人氏は同社が取り組む光電融合技術の開発の進捗について、経済産業省 商務情報政策局 情報産業課長の金指壽氏は日本政府の半導体業界支援の方向性について語った。 NTT、光電融合技術で「ムーアの法則」の先へ NTTイノベーティブデバイスの富澤氏は、NTTグループが注力する光電融合技術のメリットや展望を紹介した。NTTイノベーティブデバイスは光デバイスの設計/製造やLSIの設計を手掛けている。 「ムーアの法則」が限界に近づくにつれ、微細化以外の方法でも半導体や電子デバイスの性能を向上させる必要が生じ、パッケージング技術の進展による超高密度実装などさまざまな方法が模
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