【ワシントン=大内清】米上院は20日、銃撃により死去した安倍晋三元首相の功績をたたえる追悼決議案を全会一致で採択した。安倍氏を「世界の自由と繁栄、安全を促進するとともに、権威主義や専制に対抗する今後数十年の日米協力の礎を築いた偉大な友人」と称賛。「一流の政治家であり、民主的価値のたゆまぬ擁護者」だったとしてその死を悼んだ。 決議は、トランプ前政権下で駐日大使を務めた共和党のハガティ上院議員ら69人が13日に共同で提出していた。 決議は、安倍氏が2007年にインド議会で、太平洋とインド洋を結び付ける「歴史的演説」を行ったことが後の「自由で開かれたインド太平洋」のビジョンにつながったと評価。12年には現在の日米豪印4カ国の協力枠組み「クアッド」につながる安全保障戦略を提唱したとして、安倍氏の先見性をたたえた。 また安倍政権の下で日米の外交、防衛、経済各面での連携が進み、日米同盟が深化したと強調