【ワシントン=村山祐介】米国防総省は16日、中国の軍事力についての年次報告書を発表した。中国が年内にも空母建造に着手する可能性があるとし、空母保有を含めた軍事力の増大が、6カ国・地域が島の領有権などを争う南シナ海で「地域バランスを変える可能性がある」と強い警戒感を示した。 報告書は、中国の軍事力の増大が「東アジアの軍事的均衡を変える主な要因だ」と指摘。「(中国の指導部にとって)外交的優位性の確保や国益の拡大、係争の有利な解決のための軍事的抑圧という選択肢が増えている」との見方を示した。 台湾有事への対応では、中国が米国を含む第三国の干渉を抑止し、反撃する手法の開発を続けていると指摘。さらに、東シナ海や南シナ海、インド洋、日本列島からインドネシアにつながる西太平洋の「第2列島線」にまで行動範囲を拡大する新たな能力の開発を進めていると分析した。 中国政府が建造に意欲を見せる空母については