トランプ米大統領の来日を報じる数々のニュースのなかで、異彩を放ったのが大相撲観戦の後に同氏が観客と握手したひとコマに対する報道だった。当事者となった作家の門田隆将氏がレポートする。 * * * 新聞というメディアがいかに「国民の敵」となっているか。そのことをわかりやすく教えてくれる出来事が続いている。トランプ大統領の来日をめぐる報道など、その典型だろう。 この30年で防衛費を50倍まで膨張させ、第一列島線に迫り、尖閣をはじめ東シナ海や南シナ海で剥き出しの領土獲得意欲を見せている中国の存在は、日本のみならず東アジア全体の脅威となっている。 しかし、尖閣を「核心的利益」と強調し、「必要なら自国の領土(注=尖閣のこと)を武力で守る準備はいつでもできている」と繰り返す中国でも、これを「実行に移せない理由」は、ひとえに米国の存在にある。 尖閣が日米安全保障条約第5条の適用範囲であることを明言している