同性カップルの日本人女性が昨年秋、で認定を受けた。 女性であり、者であることで日本国内で迫害されたこと、日本では法整備がなされておらずその複合差別から逃れられないことなどを政府の委員会が認めた。 と認められたのは50代と30代の女性。日本で生まれ育った。職場や内で差別を受け続けたため、2人で2021年にに渡航。日本で受けた差別や、日本の法整備の現状などを記した200ページ超の資料を提出し、面接や公聴会を経て23年9月、と認められた。 決定通知書では、2人が受けた差別に加え、国連女撤廃委員会の日本への所見なども踏まえ「差別が日本全体にある」などとして、女性や性的少数者の人権が十分に守られない日本の状況を判断理由とした。 2人は取材に応じた理由について「私たちと同じ苦しみを抱えて生きているや女性は多く、日本政府や日本の人々に一石を投じたかった」と話している。 国連高等弁務官事務所の報告では、他
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セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス&ライツ(SRHR=性と生殖に関する健康と権利)の確立へのバックラッシュ(反動)が世界各地で起きている。日本では2023年6月のLGBT理解増進法施行を機に、性的マイノリティ、特にトランスジェンダー(生まれたときに割り当てられた性別と性自認が異なる人)への憎悪を煽る言説がSNSを中心に激化し、ヘイトが社会を分断する状況が生まれている。 このような現状を把握し、バックラッシュの傾向と連帯の手立てを考えるイベントが公益財団法人ジョイセフ、国際家族計画連盟(IPPF)の主催で4月22日に東京都内で開かれ、SRHRの推進に携わる登壇者たちが語り合った。 包括的性教育(CSE)の推進に長く携わってきた田代美江子さん(埼玉大学副学長)は、2000年代の「性教育バッシング」と20年代以降の「包括的性教育バッシング」を比較。いずれも「ジェンダー平等やSRHRが大きく前
性別変更裁判の記者会見後、「差戻し」「違憲」と書かれた紙を掲げる申立人代理人の南和行弁護士(左)と吉田昌史弁護士=2023年10月25日、東京都千代田区【時事通信社】 昨年10月、いわゆる「性同一性障害特例法」に対する違憲決定が最高裁から出された。性別変更に際して身体への侵襲を伴う――生殖腺除去を求める要件が違憲とされたのである。また、移行する性別に合致した性器の外観を求める要件も複数の反対意見の中で批判され、これについても違憲判断が下されるのは時間の問題だろうというのが大方の意見の一致を見ている状況である。 弁護士や法学者などによる本決定への評価はおおむねそれを「海外の趨勢(すうせい)」とも合致した「進歩的なもの」とする肯定的なものであったが、実際に最高裁から出された決定を仔細に読み込むと、そこには少なからぬ問題があるように思われた。 条件変更の影響は「まれ」? 筆者は、今年3月末に自民
チェコで行われたプライドパレード。欧州では多様な性を尊重する法作りが進んでいる=2016年8月(ロイター) ドイツで4月、トランスジェンダーの人たちが自己申告で性別変更できるようにする「自己決定法案」が連邦議会で可決成立した。トランスジェンダー団体は大きな勝利だとして沸く一方、法案に反対したフェミニストたちを「過激派」と喧伝するパンフレットを配布。反発した女性団体が、政府に抗議する騒ぎになっている。 性別変更にはこれまで、精神科の診断など煩雑な手続きが必要だった。新法が11月に施行されると、本人が役所に申請して3カ月で変更できるようになる。法案を主導した連立政権の第2与党、緑の党のパウス家族相は「人間の尊厳を守る法案です」と高らかに宣言した。 法案は、変更前の性別を暴くことを禁じている。このため、女性団体の一部は「女性の社会進出を促す『クオータ制』が悪用されるのでは」「男性の身体で女性トイ
「トランスジェンダー当事者に対する差別を扇動する」として、米ジャーナリスト、アビゲイル・シュライアー氏のノンフィクション本の日本語訳を扱う書店に放火を予告する脅迫メールが、今年3月末、書籍の版元である産経新聞出版や複数の書店に届いた。 この書籍は『あの子もトランスジェンダーになった SNSで伝染する性転換ブームの悲劇』というタイトルで今年1月に発売される予定だったが、強い批判を受けて版元のKADOKAWAが発売を見合わせ、販売の権利を引き継いだ産経新聞出版から、4月3日に『トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇』のタイトルで発売された。現在もこの本を店頭に並べることをためらう書店は少なくない。 トランスジェンダーを不当に差別するような、根拠のないことが本当に書かれているのだろうか。この本の監訳を担当した精神科医で昭和大学特任教授の岩波明氏に聞いた。(聞き手
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