テレビなどでコメンテーターを務めるナビタスクリニックの内科医、久住英二医師が4日、ツイッターを更新。新型コロナウイルスの第7波感染拡大で需要が急増し、製造元が出荷調整をするなど品不足に陥っている解熱鎮痛剤「カロナール(アセトアミノフェン)」に代わる薬を処方したところ、思わぬ展開になったことを明かし、憤った。 「妊娠中期の妊婦さん、解熱鎮痛剤としてロキソニンを処方したら、産科のクリニックからカロナールに変更せよ、と調剤薬局に命令が。カロナールが全国的に不足する中、なるべく使用をセーブしようと考えたが、背後から弾を打ってくるのは医師だった」とつぶやいた。 カロナールについては7月29日、後藤茂之厚生労働相が医療機関や薬局に対して買い占めをしないように、また他の薬が使える患者には処方を控えるように求めている。
イベルメクチンに対する「熱狂」 一部の界隈で新型コロナウイルス感染症に対する抗寄生虫薬「イベルメクチン」への期待が高まっている。熱狂的であるとすら言える。「海外ではイベルメクチンが大きな成果を上げているのに日本で使用が制限されているのはけしからん」といった具合だ。反ワクチンや陰謀論(「安価なイベルメクチンで新型コロナが予防・治療できるとワクチンをはじめとした高価な薬が売れないので巨大な利権が妨害しているんだよ!!」)とつながっていることもあり危惧を覚える。 現時点ではイベルメクチンが新型コロナに効くことを示す良質な証拠はない。日本だけではなく、海外でも主な公的機関は臨床試験以外でのイベルメクチンの使用を推奨していないが、ごく当然のことである。「ワクチンは受け入れられたのに実績のあるイベルメクチンが受け入れらないのは不公平」という類の反論もあるが、イベルメクチンの偉大な実績は寄生虫疾患に対す
【識者の眼】「COVID-19に対するイベルメクチンの現時点のEBM」倉原 優 No.5080 (2021年09月04日発行) P.55 倉原 優 (国立病院機構近畿中央呼吸器センター内科) 登録日: 2021-08-10 最終更新日: 2021-08-10 この1年、SNSで論争が繰り広げられているテーマの1つに「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するイベルメクチン」がある。先に書いておくが、2021年8月9日時点での結論としては、コクランレビューによれば「COVID-19の予防・治療に対する使用を支持しない」というのがユニバーサルコンセンサスである1)。 この一件で、医学生に「EBMとは何か」というテーマで1時間の講義ができるくらい、良い点・悪い点の縮図が観察された。 疥癬に対するイベルメクチンが有効であることは疑いようがないが、これがCOVID-19となると一からエビデ
オミクロン株など次々と変異株が登場し、いまなお世界中がこの未知のウイルスに翻弄されています。世界が直面するこの苦難に差し込む一筋の希望の光が、ノーベル生理学・医学賞受賞者である大村智博士が中心になって開発したイベルメクチンです。現在、イベルメクチンは世界の臨床実験によって、新型ウイルスに対する効果が確認されつつあるといいます。これまでも寄生虫病などに罹った数億人の命を救ってきたイベルメクチンは、果たしてコロナ禍を脱するための治療薬となるのか――大村博士への特別インタビューから抜粋してお届けいたします。 ※インタビューの内容は2020年10月当時のものです ――全世界で全人類が同時に、同じウイルスの感染拡大という苦難に直面する。こういうことは人類始まって以来でしょうね。 〈大村〉 おっしゃる通りですね。人類はこれまで幾度も大きな感染症を乗り越えてきましたが、全人類が同時に、ということはなかっ
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