JR大阪環状線で唯一残る一ツ家踏切(大阪市天王寺区茶臼山町)が7月1日、廃止される。朝のピーク時には1時間のうち最大54分間、遮断機が下りたままの「開かずの踏切」。自殺などによる死亡事故が2002年度からの10年間で13件起きており、JR西日本管内では最多だった。同社はあの手この手の対策を取ってきたが、無理な横断が電車を止めるケースも相次ぎ、廃止を決めた。 JR西の記録によると、同踏切は1952年頃までには設置、その後、各地で高架化が進み、64年、環状線唯一の踏切になった。長さ19・2メートル、幅4・2メートルに3本の線路が走り、環状線と関西線の電車が1時間最大51本通る。車やバイクは踏切を通れず、自転車も押して渡ることになっている。 2004年3月、車椅子利用者の死亡事故があったのを機に、JR西は大阪市と歩道橋の設置など対策を検討。だが実現せず、06年以降、自殺防止のための青色灯や、電車