第166回直木賞に選ばれた岐阜県出身の作家、米澤穂信さん。かつてアルバイトをしていた書店でも、喜びの声が上がりました。当時の店長が、作家デビューしたころの思い出を語りました。 直木賞を受賞した岐阜県出身の米澤穂信さん、43歳です。 受賞作「黒牢城」は、戦国時代の史実を基にしたミステリー作品で、織田信長に反旗を翻した荒木村重が籠城中に、黒田官兵衛の知恵を借りながら事件に挑んでいきます。 記者会見では、生まれ育った飛騨地方の学校で学んだ記憶に触れ、小説家としての原点を語りました。 「自分の生まれ育った場所のことをもっと知りたい、これはいったいどういうことなのだろうと自発的に調べた経験は、もしかしたら小説を書く最も基礎的な姿勢になっているかもしれないと思う」(米澤穂信さん) 19日午後6時過ぎ、米澤さんがかつてアルバイトをしていた高山市内の書店では、直木賞発表の瞬間を待ちわびていました。 米澤さ
<日本の本格ミステリが海を越えて出版され、緻密なトリックと構成が話題を呼んでいる> 絶海の孤島に招かれたメンバーが、夜ごと凶刃に消えてゆく。現場の個室は内側から施錠されており、犯行はいかなる者にも不可能。しかし、室内の不自然な状況と被害者が残した不可解なメッセージに、狡猾な真犯人を暴く手がかりが隠れており......。 こんな謎めいた状況で夢中にさせてくれる日本の本格推理小説が、海外で静かなブームを生んでいる。とくにイギリスではこのところ、旧書を翻訳して再刊行する流れが活発化しており、日本の名作ミステリもこの動きにうまく乗ったようだ。驚きとドラマ性を重視する近年の海外ミステリとはまた違った趣きが受けているのだという。 その一つが、1947年刊行の横溝正史作品、『本陣殺人事件』だ。宿場町で代々要人を迎えてきた歴史ある本陣に、琴の音色とともに異様な悲鳴が響く。離れで発見されたのは、新郎新婦の無
先日、当ホームページにて第二十一回本格ミステリ大賞の候補作を発表いたしました。 その際、評論・研究部門におきまして『真田啓介ミステリ論集 古典探偵小説の愉しみ Ⅰ・Ⅱ』を大賞候補作五作品の中の一作としてお伝えいたしましたが、このたび当クラブの都合により、今回の投票においては同作品を候補とせず、残りの四作品のみを候補とすることといたしました。 この件につきまして、著者である真田啓介様と版元である有限会社荒蝦夷様に多大なご迷惑をおかけしたことを、ここにお詫びいたします。大変申し訳ございませんでした。 以下、詳しい事情をご説明いたします。どうぞ最後までお読みください。 まず、今回の変更に至った理由につきまして、『真田啓介ミステリ論集 古典探偵小説の愉しみ Ⅰ・Ⅱ』の作品内容とは、いっさい関係がないことを強調させていただきます。同作品は二月の予選会において多くの予選委員から支持を集め、大賞候補作と
2021.01.09インタビュー・対談 ステイホームのお供に! 2020年の傑作ミステリーはこれだ!【海外編】 <編集者座談会> 「オール讀物」編集部 文春きってのミステリー通編集者が2020年の傑作をおすすめします。 ジャンル : #エンタメ・ミステリ 『その裁きは死』(創元推理文庫) 司会 2020年の必読ミステリーをふりかえっていく座談会、国内編のあとは海外編です。ここからは翻訳ミステリーの専門家Nさん(文春初の大学ミス研出身者。海外ミステリー一筋20年。最愛の1作はJ・エルロイ『ホワイト・ジャズ』)と、華文ミステリーの第一人者である文庫編集部のAさん(『葉桜の季節に君を想うということ』『隻眼の少女』など担当。最愛の1作は中井英夫『虚無への供物』)のお2人を中心に、話を聞いていきたいと思います。 まず、アンソニー・ホロヴィッツの『その裁きは死』(創元推理文庫)。2018年の『カササギ
『新本格魔法少女りすか』の雑誌連載が始まったのが、17年前の2003年10月。2007年3月の3巻刊行後、出版界の中でも多作速筆で知られた西尾維新は、なぜ本作だけ物語を進めることなく、止めてしまったのか。そして、今年再び始動した経緯は――。『りすか』の謎に迫るべく、作家にロングインタビューを敢行した。 Q まずうかがいたいのは『ダ・ヴィンチ』2011年4月号の特集内ロングインタビューで、西尾さんは『恋物語 第恋話 ひたぎエンド』で「〈物語〉シリーズ」を完結すると宣言されていました。しかし2020年11月現在、まだ続いています! 何が起こったのでしょうか。 A 危なっかしい言い方が許されれば「〈物語〉シリーズ」は行き倒れるための小説でした。なぜならまだシリーズと呼ばれる前の『化物語』が、小説家人生の集大成として書かれた短編集だったからです。それさえ書ければ死んでもいいと思える小説が小説家ごと
2020年11月23日(月)、SF、ホラーからミステリまで幅広く活躍された作家の小林泰三氏(58歳)が大阪府内の病院で逝去されました。癌で闘病中でした。葬儀は近親者で営みました。代表作に『玩具修理者』『アリス殺し』などがあります。 小林氏は1962年、京都府生まれ。大阪大学大学院修了。95年「玩具修理者」で第2回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞しデビュー(本名は筆名に同じ)。2011年刊の『天獄と地国』で、また16年『ウルトラマンF』でそれぞれ第43回、第48回星雲賞(日本長編部門)を受賞。また、13年刊の『アリス殺し』で2014年啓文堂書店文芸書大賞を受賞する。他に『海を見る人』『大きな森の小さな密室』『パラレルワールド』『人外サーカス』『未来からの脱出』などの著書があります。
斜線堂有紀 @syasendou 面白いものを創ります。最新刊「プロジェクト・モリアーティ」が4月19日に発売です。「ゴールデンタイムの消費期限」「回樹」「本の背骨が最後に残る」/脚本→@lovecobralove note.mu/syasendou @impure_stories instagram.com/syasendou_you_… 斜線堂有紀 @syasendou 本を全然読まないタイプの弟に「殺人事件起こったけど特に犯人とかいなくて全部宇宙人の仕業でしたみたいな可能性を無視出来るのは何で? あと登場人物の行動に全部意味があって無の行動がないのは何で?」って言われてウワーーーーーッになった 2020-11-08 19:39:40
2020.08.07インタビュー・対談 夏休みの読書ガイドに! 2020年上半期の傑作ミステリーはこれだ! <編集者座談会> 「オール讀物」編集部 文春きってのミステリー通編集者が2020年上半期の傑作をおすすめします。 ジャンル : #エンタメ・ミステリ 司会 新型コロナでリモート勤務をしているうちに、気がつけば今年も半分が終わっていました。ふだんミステリーを担当している編集者が集まって、文春のイチオシ作品も織り交ぜつつ、2020年上半期の必読おすすめミステリーをふりかえっていく座談会です。参加者は、電子書籍編集部のAKさん、翻訳ミステリー担当部長のNさん、単行本担当のHさん、Tさん、雑誌担当のAさん。まず国内から見ていきましょう。 【国内編】 『透明人間は密室に潜む』(光文社) H 最近の若手作家のミステリーには、ある種の人工的な設定を作り、その中でまっすぐ思考実験をする傾向があると感
ここしばらく百合小説を集中的に読んでいて、ツイッターでもその都度書いていた感想を適宜手を入れてひとまとめにした。アニメや漫画に比べてそういや百合小説ってそんなに読んでないなと思っていた時、百合ラノベ、百合SFが三月くらいにばっと出たのを機に、手持ちのなから百合と呼びうる本を集めたら結構な量になってしまった。積んだままなものもいくつかある。ここでは、性愛でないものまで含めた女性同士の関係を広く包含するものを百合と呼ぶ広めの解釈なので、同性愛を描いたものからバディものや友人関係のもの、一冊のなかの短篇一篇だけが百合というものも並べてある。 以下は読んだ順に並んでいる。とはいえラノベから読み出したので下に行くほどジャンル的に硬くなる傾向がある。 目次 鳩見すた『ひとつ海のパラスアテナ』 二月公『声優ラジオのウラオモテ ♯01 夕陽とやすみは隠しきれない? 』 みかみてれん『わたしが恋人になれるわ
基本外国人によるオタク文化・日本評を翻訳。 海外掲示板や英文記事などを紹介。エッセイ風味。管理人の日記も兼ねてます YT -- ALC -- Exc -- UrD 元ネタ goodreads.com/ 他 管理人の大好きな作家の一人が島田荘司氏です。 島田氏の代表作の一つ「占星術殺人事件」は日本で今なお売れ続けていますが、 アジア圏でも人気があり、翻訳版が英語圏で販売されて久しかったり。 このミステリーのトリックには自分も本当に驚きましたし、 素直に凄かったなぁと感動できました。 2014年には、イギリスの有力紙ガーディアンで占星術殺人事件が、 「世界の密室ミステリーベスト10」の第2位に選ばれたそうな。 ミステリー好きの英国人に認められたのは凄いことですよ。 その勢いでイギリスでドラマ化してくれないものか。|ω・`)チラ まぁそんな大傑作だけにこれまで何度も改訂版が出ていますが、 管理
ザリガニの鳴くところ 作者:ディーリア・オーエンズ発売日: 2020/03/05メディア: 単行本(ソフトカバー)この『ザリガニの鳴くところ』は著者ディーリア・オーエンズが70歳になってはじめて執筆小説であると同時に、またたく間に全米500万部、2019年のアメリカでもっとも売れた作品となった、湿地の少女を描く文学・ミステリィ小説である。 正直言って売上がどれだけ凄かろうがまったくおもしろみを感じない、というケースは往々にしてあるわけで、売上がなんぼのもんじゃい!! と(売上何万部と帯とかに書いてある本については)謎の気炎を上げながら読むのだが、本作に関してはよくもまあこんな作品がそんだけ売れてくれたなあ、と感謝をしたくなるような本である。端的にいって、とても美しく残酷な風景が描かれていて、とてつもなくおもしろい。 湿地で一人孤独に住まう少女の人生を追いながら、そこで起こった殺人事件の犯人
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読者が「叫んだ!」注目の新作ミステリー 著者・相沢沙呼さん(左)と担当編集者・河北(右) 河北 沙呼さんとの出会いは、もう10年近く前ですね。デビュー作『午前零時のサンドリヨン』(東京創元社刊)を読んで、「『日常の謎』をこんなに素敵に描く作家さんがいるんだ」と、最初から気になっていて。実際にお会いして、ゆっくりお話ができたのはそれからしばらくして、花見の席でした。 相沢 そう。某漫画家さん主催のなぜか花見だった(笑)。新宿御苑だったかな。 河北 その席で「ぜひ講談社でも書きましょう!」とお願いしたんですよね。 相沢 僕は、「そのうちな」って(笑)。結局、2011年の「メフィスト」に載せた短編が最初でしたね。 河北 原稿依頼してから2年くらいかかりました。 相沢 ありがたいことに、いろいろな出版社さんにお声がけいただいて、その順に書いてはいるんですけど……。河北君は優しいから強気に原稿の催促
陸秋槎の第二作 2019年刊行作品。オリジナルの中国版は2017年刊行で原題は『当且僅当雪是白的』。 作者の陸秋槎(りくしゅうさ)は1988年生まれ。2016年の『元年春之祭』がデビュー作で(日本版は2017年刊行)、本作が第二作ということになる。 あらすじ 雪に閉ざされた密室で発見された一人の少女。五年前に起きた事件が、現在の学生たちに暗い陰を落とす。事件の背景にはいじめ問題があるのか?寮委員の顧千千から相談を受けた生徒会長の馮露葵は、図書室司書、姚漱寒の助けを得て、事件を調べ始める。そこで彼女たちは、新たな密室殺人の謎に巻き込まれることになるのだが……。 装丁が素敵! カバーイラストは中村至宏。これ、邦訳版が出る際に書き起こしたのかと思ったら、オリジナルの中国版時代からこの絵が使われていたようだ。ちょっと意外。 www.uchiyama-shoten.co.jp 青を基調とした寒々とし
「古典部シリーズ」第4弾は短編集。 高校1年の入学直後から2年になる前までの、シリーズの前3作の間を保管するような話です。 1年を通して、えると奉太郎の関係が少しずつ変わり始めているのがいいですね。 タイトル 『遠まわりする雛』 「古典部」シリーズ 作者 米澤穂信 あらすじ・概要 全7作の短編集。 高校1年の入学直後から2年生になる前の春休みまでの話。 古典部シリーズの前3作で描かれた出来事の合間にあった事件の話。 やるべきことなら手短に 高校1年の春、「氷菓」で折木奉太郎が千反田えると出会った直後の話。 奉太郎は友人の福部里志から、放課後の誰もいないはずの音楽室からピアノの音が聞こえるという「学校の怪談」聞いていた。ちょうどその時 二人の元に現れた えるに奉太郎は 「秘密倶楽部のメモ」の噂を伝え、真偽を確かめに行くことになった。 奉太郎の信条、「やらなくてもいいことなら、やらない。やらな
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