ゴシックホラー映画『ライトハウス』昨年公開された映画のおすすめリストがあちこちで公開されていますが、写真と映画と文学に関心があるなら、この映画は外せません。映画『ライトハウス』!(製作年は2019年) 19世紀ゴシック・リヴァイヴァルの雰囲気を現代映画に色濃くこってりとよみがえらせた傑作映画です。なんといってもこの映画、絵面がすごい。黒。とにかく黒い。こんな黒いものを映画館のスクリーンで見たことがない。練り上げた版画用の油性インクのような黒さです。 そしてこの真っ黒い映像が描く物語とは、「謎めいた孤島にやって来た“2人の灯台守”が外界から遮断され、徐々に狂気と幻想に侵されていく」という、メアリー・シェリー、ブロンテ、ポー、メルヴィルを継承する正統派ゴシック・ロマンスです。 ちなみにこれはメアリー・シェリー『フランケンシュタイン』1831年改訂版の挿絵。映画『ライトハウス』の原作の挿絵と言っ