すしに刺し身に、マグロ人気は高い。太平洋クロマグロはその頂点にある高級魚だ。庶民の食卓に直接響くことはないものの、絶滅危惧種として資源量回復は国際的な関心事となって久しい。 水産庁は28日から開かれる中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)北小委員会に新たな漁獲規制案を提案する。 日本案は、これまで強く反対してきた長期的な管理目標の導入を掲げた。漁獲がなかった時代の資源水準(初期資源)の最低20%まで回復させる米国提案に即しており、国際世論に抗しきれなくなった結果だともいえよう。 一歩前進だと評価もできる。ただ社会経済的な要素により20%目標が適切でないと判断された場合、別の目標を設定するとの文言も盛り込まれた。下方修正を示唆し衣の下から鎧(よろい)ものぞくようではかえって反発を招きかねない。 日本が主導権を握る北小委員会では提案を押し通すことは可能だろう。しかし、12月のWCPFCの本会