クジラの体長縮小、個体群崩壊の前兆か 研究 【パリAFP=時事】一部種類のクジラは、20世紀の商業捕鯨による個体数急減に至るまでの数十年間で、平均体長が数メートル縮小していたことが分かった。研究論文が22日、発表された。(写真は資料写真) 米科学誌「ネイチャー・エコロジー・アンド・エボリューション」に発表された研究によると、この傾向が商業漁業の対象となっている他の海洋生物種にも当てはまるなら、体長の縮小が、保護措置の必要性を知らせる早期の警報として機能する可能性があるという。ひとたび個体群が崩壊すれば、その回復は困難を極める。 18世紀から捕獲の対象となっていたクジラ種の多くは、1986年の「商業捕鯨モラトリアム」によって絶滅から救われた。しかし、抜け穴が多いこの措置の下では、今なお毎年1000頭以上のクジラが捕殺されているのが現状だ。 スイス・チューリヒ大学のクリストファー・クレメ