最近よく耳にするようになった「ジビエ」。野生鳥獣の肉のことだが、活用を進めて増えすぎたシカやイノシシの駆除につなげようと、国が力を入れ始めた。ただ、「万能薬ではない」と専門家からはブーム先行を心配する声もあがる。 「やはりジビエには非常に大きな可能性がある。こうしたことを再認識をいたしました」。4月27日、官邸であった「ジビエ利用拡大に関する関係省庁連絡会議」で、議長を務める菅義偉官房長官が述べた。内閣官房を中心に、農林水産省、環境省、厚生労働省などが連携し、流通や加工体制の整備を進める。4月に2回あった会議では、外食や学校給食、ペットフードなどでジビエの積極利用に取り組む考えを示した。 政府がここまで「前のめり」な背景には、農作物被害だけで年200億円近くにのぼる鳥獣害の深刻さがある。中心はシカとイノシシだ。環境省によると、2013年度末で全国にニホンジカ(エゾシカを除く)は約305万頭
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