絶滅の危機にあるコガシラネズミイルカ。このままでは、ステラーカイギュウやヨウスコウカワイルカに続き、近代以降に絶滅する5番目の海洋哺乳類となりかねない。(Photograph by FLIP NICKLIN, MINDEN PICTURES/NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE) 世界で最も小さく、最も希少なネズミイルカであるコガシラネズミイルカが、もはや絶滅寸前の状態に追い込まれている。メキシコ政府が5月13日に発表した報告によると、その生息数はすでに、わずか60頭まで減少しているという。 コガシラネズミイルカの生息数は、2014年の97頭から2年間で約4割も減ってしまった。主な原因となっているのが、トトアバという大型魚を目当てに行われる違法な漁だ。トトアバ自体も絶滅危惧種だが、浮き袋がアジアで高級食材として珍重され、その捕獲には使用が禁じられている刺し網が用いられる