上山道郎が描く異世界ファンタジー『悪役令嬢転生おじさん』のアニメ化が決定し、SNSのトレンドになるなど話題を呼んでいる。「悪役令嬢」「転生」「おじさん」……と、タイトルからヒットの要素が満載の本作だが、ギスギスせずにほっこり楽しめる良作なので、その内容を紹介したい。 異世界を舞台にしたファンタジー作品のなかでも、人気ジャンルとなっている「悪役令嬢」モノ。大まかには、ロマンスファンタジー小説や乙女ゲームの定番キャラクターである、主人公の邪魔をする性悪な令嬢に転生し、悲惨な末路を回避するため奮闘する……という構成で、基本的には転生者がその物語を知っていることが前提になる。 『悪役令嬢転生おじさん』が面白いのは、オタク知識が豊富な主人公の屯田林憲三郎(52歳)は、娘が熱心にプレイしていた乙女ゲーム(マジカル学園ラブ&ビースト)の世界に悪役令嬢として転生してしまったことは認識しているものの、キャラ