出版物はどんな自由に作ってもいいんだ(よくない)—コレクター泣かせな地獄からの使者・オハヨー出版のデタラメ単行本たち(志村裕次・原麻紀夫+鳴島生『雀鬼地獄の対決!』他) 『フランケンシュタインの男』および日野日出志作品の記事で、ひばり書房という会社は「同じ本を表紙とタイトル変えて別の本に見せかけて販売をしたりしていた」「奥付の日付が適当で初版がいつかよく分からない」という旨を書きました。ただこれ、80年代以前の漫画出版界、中でもメジャーじゃない所ではそこまで珍しいものではなく、例えば80年代竹書房の近代麻雀コミックスなんかはこうです。 能條純一『哭きの竜』(竹書房)より 初版の日付も書けや!(「Printed in Japan 1986」とあるのと連載開始時期を考えると1986年の前半だと思うんですけど) 初版本ならこれでもいいんですけど、ヘタにヒットした作品、例えば『フリテンくん』の1巻
取材・文/白鳥士郎 「俺には自分の作品が無い」 薄暗いタクシーの後部座席で男が放ったその言葉に、耳を疑った。 何も言えなくなった私を血走った両目で見ながら、男はもう一度こう言った。 「俺は代表作が無い。ロードスみたいなものは、ラノベじゃあ書けなかった。だから俺は歴史小説を書く。新しいジャンルで勝負する。だから、お前は……!」 肩が触れ合うほどの距離で何度そう言われても、自分の耳を信じることができなかった。代表作が無い? 何を言っているんだこの人は? だってあなたは……あかほりさとるじゃないか。 あかほりは膨大な作品に携わってきた。 『NG騎士ラムネ&40』『セイバーマリオネット』『爆れつハンター』『MAZE☆爆熱時空』『天空戦記シュラト』『サクラ大戦』『らいむいろ戦奇譚』『MOUSE』『かしまし ~ガール・ミーツ・ガール~』……挙げればきりがないほどだ。 その同じ夜。 私はもう一人の男と並
松澤チョロ @m6gjOT5mUtSZ8Ye オンライン配信とか、いまだにピンと来てないけど、想像するにオンラインだとイベント会場にふらりと現われたりとか難しそうなイメージ。明日の吉田さん主催の紙プロ同窓会。山口日昇さん、なんかの間違いで顔出さないかなぁとちょっち期待はしてる(出演者の最後に“他”って書いてたし) #紙プロ同窓会 2020-05-02 09:12:04 松澤チョロ @m6gjOT5mUtSZ8Ye 毎年5月3日の豪さんの日はチケット即完売のイメージあるけど、今年はコロナの影響もあって幸か不幸かオンライン配信なんでたくさんの人に観てもらえる可能性はある。せっかく10年以上ぶりに集まるんで超強力メンツの2部&3部にボロ負けしない程度に観てもらえたら嬉しい。 #紙プロ同窓会 pic.twitter.com/gbLbR9yDY6 2020-05-02 09:17:10
◆◆◆ 「状況は相変わらず厳しいです。ただ、まだまだ終わらせませんよ。『俺の旅』は、俺の人生。『俺の旅』=生駒明なんです。一昨年、休刊という死刑宣告を受けましたが、夫唱婦随。やつが死ぬなら俺も死ぬ。俺も一緒に海に入るつもりでした。そう。天に召されたのち、一緒に生まれ変わろう……あの時は、そんなことを考えていたと思います」 2019年4月10日、一冊のエロ本がその役目を終えた。 「俺の旅」(大洋図書) 2003年7月の創刊から15年9ヵ月。現場の体験ルポをこだわりとし、日本全国の風俗・裏風俗を慈しむように行脚してきた異端の風俗雑誌。その編集長を14年もの間務めてきたのが、“イコマ師匠”こと生駒明氏である。 生駒明氏 エロ本業界で、彼が“師匠”と呼び親しまれる所以は、おそらく日本一ともいえるその風俗取材に基づく情報量だろう。筆者は旧くからイコマを知っているが、彼ほど傷だらけになりながらも、風俗
忘却からの帰還〜Atomic Age 冷戦時代の核実験や民間防衛をめぐるカルチャー トップページページ一覧メンバー編集 Zivilverteidigungsbuch 最終更新: transact 2021年05月15日(土) 10:42:41履歴 Tweet 民間防衛>ブックレット Zivilverteidigungsbuch (スイス民間防衛, 1969) 英国のAdvising the Householder on Protection Against Nuclear Attack (1963)とProtect and Survive(1976, 1980)の間ごろの1969年に、スイスで民間防衛ブックレットZivilverteidigungsbuch (俗称は赤い本)が出版された(主筆者はAlbert Bachmann)。 Das Zivilverteidigungsbuch war
新著で、近江商人らに生活を奪われたアイヌ民族の苦難について焦点を当てた駒井さん(高島市安曇川町北船木) 滋賀県高島市の近江商人研究家駒井正一さん(69)=安曇川町北船木=が、新著「アイヌ民族の戦い-知られざるアイヌ民族の戦いの真相」を自費出版した。江戸時代、北海道に進出した近江商人らに、生活を奪われたアイヌの人々の苦難に焦点を当てている。 駒井さんは元中学校教諭。近江商人だった先祖の足跡を探ろうと、1981年から研究を始めた。近江商人とアイヌ民族の関わりについては、94年ごろから調べ始め、2005年には、幕末期に北海道で漁業経営をしていた近江商人が、アイヌ民族を雇用したことを裏付ける当時の約定証文を、道立図書館北方資料室(江別市)で発見した。 これらの文献を基に、近江商人が道内での漁業経営を通じて富を増やした一方で、アイヌの人々を低賃金で雇い、不平等な物々交換をしていた実態を「近江商人の漁
自分のなかでも混乱を来していたので備忘録的に整理してみた。 角川書店富士見書房メディアワークス旧アスキー新アスキーエンターブレインメディアファクトリー 前史1945年に設立される。1972年に角川書店の子会社として設立される。 1977年に設立される。 1986 リクルートの子会社としてリクルート出版が設立される。 1987「角川文庫・青帯」創刊。 ベストロン・ピクチャーズの子会社としてベストロン映画が設立される。 1988 「富士見ファンタジア文庫」創刊。 1989青帯が「角川スニーカー文庫」に改名して独立創刊。 1990 アスキーの子会社に。 1991 角川書店へ吸収合併(事業部として存続)。 アスキーの子会社としてアストロアーツが設立される。 メディアファクトリーに社名変更。 1992スニーカー文庫から「角川ルビー文庫」が独立創刊。 角川書店から追放された角川歴彦によって設立される。
小説家になろうの月間ランキングでは長らく「悪役令嬢モノ」がブーム。いつの間にやら大流行り、書籍化作も読み切れないほど出てきて、女性向け恋愛モノとしては一大ジャンルになりました。 悪役令嬢モノというのは「前世でプレイした"乙女ゲーム"or愛読していた"少女マンガ"の世界に転生した主人公が、自分は"ヒロインをいじめる悪役"のポジションだと気がつき、シナリオで予定されたバットエンドを回避するため東奔西走する」系ジャンル。 それ以前、女性向けでは「乙女ゲーム世界に脇役(モブ)転生して傍観生活」がブームでしたが(詳しくはなろう女性向けのブーム変遷)、大分能動的になった印象です。傍観系脇役だとやはりストーリー展開しづらいんですかねー。 悪役令嬢モノは、既定の物語に干渉して運命を捩じ曲げる、カタルシス的な要素が読者にウケた気がします。局地的に流行った「ざまぁ」展開(実は腹黒な良い子ちゃんヒロインに陥れら
地味、硬い、文字が多い−−。この時代に「売れない」要素そろい踏みの、中公新書の売れ行きが絶好調である。『応仁の乱』の37万5000部(5月25日現在)は出版界最大の話題だ。編集長が語る新書というメディアのあり方とは。 編集長「中公は新書の極北」「中公新書は数多くある新書のなかで”極北”だと思っています。昔ながらの新書ですね。つまり第一人者が、大きなテーマを、じっくり書く」 中公新書の白戸直人編集長はそう語る。 企画から完成、出版まで平均して2年から3年、長い人だと10年近くかかるときもあるという。 白戸さんは2011年から編集長を務める。 この間、増田寛也さん編『地方消滅』の約23万部、吉川洋さん『人口と日本経済』の約10万部など時代を切り取るようなヒット作がでた。 極めつけが呉座勇一さんの『応仁の乱』だ。 幕末や戦国時代ならいざしらず、「売れない」が常識だった日本中世史で、あまりにも地味
室町時代の中期、東西両軍が11年にわたって繰り広げた「応仁の乱」。勃発から550年の長き時を越えて、現代読書人の熱い視線を浴びている。小学校社会科教科書に載るなど誰もが知る戦乱だが、戦国時代の合戦や幕末の動乱などに比べると、今ひとつ人気がなかった。しかし、中公新書「応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱」は昨年10月の発売以来、硬派な歴史新書としては異例の12刷・13万部を売り上げるベストセラーになっている。著者の呉座(ござ)勇一さん(36)と版元の中央公論新社にヒットの理由を聞くと、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)と新聞広告など新旧メディアの特性を生かした販売戦略にコアな歴史ファンが反応、多くの一般読者の関心を集めるまでに支持を広げたことが分かった。【大村健一/デジタル報道センター】
書評あり 「日本スゴイ」のディストピア 戦時下自画自賛の系譜 歴史・地理 早川 タダノリ(著) A5判 200ページ 並製 定価 1800円+税 ISBN978-4-7872-2065-3 C0021 在庫あり 奥付の初版発行年月 2016年06月 書店発売日 2016年06月30日 登録日 2016年05月12日 紹介「日本スゴイ」の大合唱があふれる現在だが、1931年の満洲事変後にも愛国本・日本主義礼賛本の大洪水が起こっていた。「礼儀正しさ」「勤勉さ」などをキーワードに、戦時下の言説に、自民族の優越性を称揚する「日本スゴイ」イデオロギーのルーツをたどる。 解説「世界に輝く 日本の偉さはこゝだ」「日本精神に還れ」……これらは2016年現在の書籍ではなく、80年前に出版されたもの。アジア・太平洋戦争に向けた国民総動員体制をあおる書籍が次から次に出版された。中山忠直『日本人の偉さの研究』、
KADOKAWAグループといえば、いまや出版界、とりわけアミューズメント方面では一大勢力となっております。ここ10数年、ざっと思いつくだけでメディアワークスをはじめとして、アスキー、エンターブレイン、メディアファクトリーといった出版社を系列に入れ、大きくなってきました。 しかしこのうちメディアワークスはもともととある出来事が起こり、それによって角川書店から分裂したことで興ったというのをご存じの方はどのくらいおられるでしょうか。これは1990年代前半に起こったもので、社内の対立から角川書店におけるメディア系出版の社員が大量に退社、そしてメディアワークスを立ち上げるという、通称『角川書店お家騒動』が起こります。 実はその時も私は角川系のマンガ誌やゲーム誌を読んでいたのですが、当時相当な混乱があったのを覚えています。 そして最近、自宅の奥からそれらの混迷を示すような当時の漫画雑誌が出てきたので、
あの戦争はすさまじい破壊と喪失をもたらした。が、同時に、二度と再び同じ道を歩まないという、深く重い教訓を残した。その上に築かれてきたのがこの七十年の平和である。だが、今、どこか「あのころ」につながる気配が漂いつつある。私たちは、忘れかけているのだろうか。 『こんなに世界から愛されている日本』『世界から絶賛される日本人』…。書店の「日本人論」コーナーには最近、日本を褒める本があふれる。アニメや漫画、和食といった文化から、治安の良さに街頭の清潔さ、細やかなサービスに至るまで、あらゆる分野でニッポンはすごい、らしい。 名古屋・栄の書店でパラパラと眺めていた元会社員の男性(76)は「中国や韓国が日本をぼろくそに言うから、その裏返しでは。日本人はもっと自信を持っていい」とうなずく。昨年末に出版されたムック本『JAPAN CLASS それはオンリーインジャパン』は十万部を超え、今年五月に二巻目も出版さ
学研ホールディングスは2月25日、出版子会社の統合と一部事業の廃止を発表した。学研教育出版、学研パブリッシング、学研マーケティングを10月1日付けで統合し、「学研M文庫」や一部のムック(歴史関係や一部の女性向け実用分野)などの事業を廃止する。 同社は昨年、出版分野では不採算事業を段階的に縮小、学習参考書や児童書など教育分野へシフトしていく方針を打ち出していた。2014年9月期、出版事業は42億200万円の売上高に対し9億6300万円の営業赤字を計上。統合と一部事業の廃止は「出版事業を再び継続的な利益確保が図れる事業構造へ転換する」のが目的としている。 出版事業を対象に希望退職も実施。4月28日退職で若干名を募集する。統合・一部事業廃止と希望退職の実施に伴い、1~3月期に総額約10億円の特別損失を計上する見通し。 関連記事 学研の「学習」と「科学」が休刊 学研の「学習」と「科学」が休刊へ。少
●元「ガロ」編集者。05年から「血液の癌」白血病(T-CLL)と共存中。09年に亡くなった漫画家・やまだ紫の夫。古い記事のgooリンクは当ブログ内検索で再検索ください。 2014年12月30日(火) おおかみ書房・掟さんのコラム集「出し逃げ」の校了祝いと兼ねての忘年会、代表の千葉ちゃん、俺が入院してしまったために本文オペレートとデザインをやってくれた「キッチュ」編集人の呉君とやる予定。 なので、先に別件の小さい更新仕事を片付けてしまう。 実は、これはギャランティの発生しない「お仕事」だ。もうおしまいなので、残務整理みたいなもの。何かこういう事、お人好しと言われるのだろう、でもやるんだよ。そういう人間だからしゃあない。 それにしても、もう2014年も晦日である。 去年の日記を見ると、風呂に入り、ユキに刺身をやり、新居の隙間ふさぎや穴埋めパテやらなんだかんだで15万円フッ飛んだと書いてある(笑
このようなものがあります。心臓の弱い方は閲覧を控えたほうがよいかもしれないですが。 ■【閲覧注意】渡辺浩弐『2013年のゲーム・キッズ』第一回 謎と旅する女 Illustration/竹 | 最前線 ■『2013年のゲーム・キッズ』渡辺浩弐 Illustration/竹 | 最前線 – フィクション・コミック・Webエンターテイメント 『~年のゲームキッズ』シリーズといえば、ご存じの方も多いでしょう。かつてゲーム雑誌『ファミ通』等に連載された渡辺浩弐氏のSF小説で、そのデジタルホラーとでも言うべき独特の世界で織りなす1ページ分のショートストーリーは、根強いファンを生み出し、いまだに語り継がれています。今回の上のリンク先のものも、これらの小説を知っている人なら「ああ、ゲームキッズらしいなあ」と思ったのではないでしょうか。ちなみに自分はそれに加えて、どことなく90年代の脅かし系サイトを思い出し
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