ミャンマーで続く内戦で中国は停戦合意を仲介したが、その3日後に武装組織「アラカン軍」は合意を破棄し、北西部の主要拠点を制圧したと宣言した。中国の仲介を反故にしたアラカン軍は軍事政権と対決しているが、軍事政権の最大スポンサーである中国から支援を受けているといわれる。つまり中国は「飼い犬に手を噛まれた」わけだが、それでもミャンマー北西部に事実上の独立政権が発足した場合には黙認せざるを得ないとみられる。 中国の仲介を無視した「北西部制圧」 ウクライナやガザの陰でスポットが当たりにくいが、ミャンマーはアジア最大の戦場と呼べる。 2021年2月のクーデタでアウン・サン・スー・チーら民主派が逮捕・投獄されて以来、民主派が事実上の亡命政権「国民統一政府」を発足しただけでなく、それまで押さえ込まれていた少数民族の武装組織が各地で蜂起し、軍事政権と衝突を繰り返しているのだ。 最大都市ヤンゴンでバリケードを築