日本を代表するうなぎ産地の静岡が岐路に-。帝国データバンク静岡支店(静岡市葵区)は10日、うなぎ加工業者「うな宏(こう)」(焼津市)が自己破産申請の準備に入ったと発表。同支店によると、8日までに事業を停止した。ウナギの仕入れ価格が高騰した一方、個人消費の低迷で販売価格が低下し加工賃が急落したためという。現在、加工業者のみならず、養殖業者や街のうなぎ店も苦しい経営状態に陥り、窮地に立たされている。 ◇ うな宏の負債総額は約4億5千万円で、同支店によると、自己破産したうなぎ業者は今年に入り2件目。近年のウナギの稚魚の不漁、仕入れ単価の高騰、消費の低迷により業績が悪化した。昨年の売上高はピーク時に比べ半分の約5億円まで落ち込み、事業停止に追い込まれた。 関係者によると、今年の国産ウナギの稚魚単価は1キロ当たり200万~250万円。1キロ17万円だった平成14年