「世界で最も価値ある」企業・GEはなぜ凋落したのか?『ジャック・ウェルチ 「20世紀最高の経営者」の虚栄』序章特別公開 20年間にわたり、ゼネラル・エレクトリック(GE)の会長兼CEOを務めたジャック・ウェルチと、その経営手法「ウェルチズム」の闇に迫った衝撃作『ジャック・ウェルチ 「20世紀最高の経営者」の虚栄』(デイヴィッド・ゲレス著、渡部典子訳)が本日発売しました。刊行を記念し、今回の記事では本書の序章の一部を特別公開いたします。 かつては国内外で模範的かつ理想の経営者として称揚されていたジャック・ウェルチ。しかし、彼がGEと世界経済に与えた影響は、はたしてよいものばかりだったのでしょうか。本書では、その真実の一端が明かされます。 『ジャック・ウェルチ 「20世紀最高の経営者」の虚栄』 デイヴィッド・ゲレス:著 渡部典子:訳 早川書房 2024年5月22日発売 2750円(税込)198
対話型人工知能「チャットGPT」を開発したサム・アルトマン氏は、AIが人類を超えた後のことまで考えているという。AIブームを牽引する天才の思想を、作家の橘玲氏が解説する。 ◆◆◆ ディストピアをユートピアへ サム・アルトマンは1985年にミズーリ州セントルイスで生まれ、皮膚科医の母から8歳のときにアップルコンピュータをプレゼントされたことで、スティーヴ・ジョブズが「アイドル」になった。州内の私立学校を卒業したあと、スタンフォード大学のコンピュータサイエンス科に入学したが1年で中退、位置情報ベースのモバイルアプリを開発する会社を創業し、ベンチャー投資ファンドや暗号通貨「ワールドコイン」の発行を手がけたのち、イーロン・マスクなどから投資を受けた生成AIの開発企業「オープンAI」のCEOに就任した。 オープンAIはマイクロソフトと提携した対話型人工知能「チャットGPT」で近年のAIブームを牽引し
Home / お知らせ / 会員新刊情報 / 西部忠 著『脱国家通貨の時代』秀和システム、2021年1月 目次 ■はじめに お金と言葉とスマホの統合が生み出す新しいコミュニケーション・メディアへ 創世記の知恵:言葉の魔力と多様性 ■第1章 いま暗号通貨の技術(テック)とコミュニティ通貨の理念(イデア)が融合しつつある 1・1 近づくキャッシュレス社会:低いキャッシュレス比率からの脱却 日本でキャッシュレス化が進まない理由 デジタルマネーで給与支払を可能に 1・2 仮想通貨の現状からみた多くの課題:「良貨」の条件へ向けて 非常に高い仮想通貨のボラティリティ 相次ぐ仮想通貨の流出・盗難事件 グレシャム法則「悪貨が良貨を駆逐する」:独占の弊害 ハイエクの貨幣選択原理の発動条件 独占的競争が技術・製品のイノベーションを生む:価格・非価格競争と一物多価 良貨の条件とは? 「仮想通貨
(国際ジャーナリスト・木村正人) 「成長率が高まれば誰もが恩恵を受ける約束だった」 [ロンドン発]米国を代表する経済学者でノーベル経済学賞受賞者、コロンビア大学のジョセフ・スティグリッツ教授が5月2日、ロンドンの外国人特派員協会(FPA)で質疑に応じ、マーガレット・サッチャー英首相とロナルド・レーガン米大統領の新自由主義は失敗したと断罪した。 「サッチャー、レーガン以来、40年間続けてきた新自由主義の実験は失敗し、人々はその本質と大きさを理解し始めている。成長率が高まり、トリクルダウン経済学と呼ばれる神秘的なプロセスを経て成長率が高まれば誰もが恩恵を受ける約束だった」とスティグリッツ氏は振り返る。 しかし実際には米国の経済成長は著しく鈍化した。中間層の賃金は低迷し、下層部ではさらに悪化して実質賃金は60~65年前と同じ水準に落ち込んだ。アマゾンのジェフ・ベゾス氏やテスラのイーロン・マスク氏
二十年ほど前、見知らぬ中年女性に突然話しかけられたことがある。「昨日から何も食べていないので百円貸してくれませんか」。当時、学生だった私の中にあった“ホームレス”像と、目の前の彼女の姿はまったく重ならなかった。 昨年十月に刊行されたこの『小山さんノート』を読んで愕然とした。あのとき自分に見えていなかったもの、想像しようとしなかったものをそのまま差し出されたような気がした。 「そうやって自分ごととして考えながら、生きてきた時間や経験にひきつけて読んでくれる読者が多いんです。嬉しいし、この本の在り方が通じているような気がしています」(エトセトラブックス・松尾亜紀子さん) 2013年末、都内の公園で亡くなったホームレスの女性「小山さん」。彼女が暮らしたテントの中には、なにやら手作りのキラキラしたものと、大量の手書きのノートが遺されていた。それらを有志の女性たちで書き起こし「身を切る思いで抜粋した
2023年12月、私はステージ4のがん告知を受けた。 告知の瞬間、私は、何を食べたいとか、どこかに行きたいとか、そんなことは微塵も考えなかった。 なんとか自分の命のあるうちにこの本を完成させて世に問いたい。そのことだけを考えた。 その意味で本書は、私の40年にわたる研究者人生の集大成であると同時に、私の遺書でもあるのだ。 私がテレビやラジオなど、メディアの仕事をするようになって四半世紀以上が経過した。その経験のなかで、メディアでは、けっして触れてはいけない「タブー」が3つ存在した。 (1)ジャニーズの性加害 (2)財務省のカルト的財政緊縮主義 (3)日本航空123便の墜落事件 この3つに関しては、関係者の多くが知っているにもかかわらず、本当のことを言ったら、瞬時にメディアに出られなくなるというオキテが存在する。それだけではなく、世間から非難の猛攻撃を受ける。下手をすると、逮捕され、裁判でも
世界最大の出版社であるアメリカのペンギン・ランダムハウス(PRH)は2022年、同じくアメリカの出版社であるサイモン&シュスター(S&S)を買収しようと動いていましたが、PRHは市場シェアの37%、S&Sは11%を占めていたことから、独占禁止法違反を巡って政府に訴訟を起こされました。結果として合併は不可という判決になりましたが、この判決の裁判記録には出版市場における両会社のシェアを確認するための情報が掲載されており、それによると出版された本がいかに売れていないかわかるとライターのエル・グリフィン氏が指摘しています。 No one buys books - by Elle Griffin - The Elysian https://www.elysian.press/p/no-one-buys-books PRHとS&Sの合併を巡る裁判記録は、「The Trial」という本に全容がまとめられ
今回紹介するのはこちら。 ウェンディ・ブラウン『いかにして民主主義は失われていくのか 新自由主義の見えざる攻撃』 いかにして民主主義は失われていくのか――新自由主義の見えざる攻撃 作者:ウェンディ・ブラウン みすず書房 Amazon 本書の存在は前から知っていたが、前回紹介した論文でヒースが新自由主義批判本の例として紹介していたため、重い腰を上げて読んでみることにした。 kozakashiku.hatenablog.com と言っても、もともと苦手なタイプの本なので、メモをとりながら読めたのは第一部(1~3章)と終章だけで、具体的な事例を扱っている第二部についてはほとんど論評できない*1。読んだ部分にしても、正直半分くらいは何を言ってるのかよく分からなかった。が、ここではとりあえず力の限り頑張ってみたい。 新自由主義は「お金」の問題ではない 競争=市場原理? 競争それ自体の評価 感想 新自
courrier.jp コリイ・ドクトロウの Pluralistic で紹介されているのを見てから、ダグラス・ラシュコフの新刊 Survival of the Richest を取り上げようと思いながら、微妙にチャンスを逃していたのだが、ありがたいことにクーリエ・ジャポンで記事になっていた。 ダグラス・ラシュコフの新刊は、2018年に彼が5人の謎めいた億万長者から砂漠のリゾートに招待されて、これから来たる社会の大惨事をどう生き抜くか相談を受けた話から、火星探査、AI フューチャリズム、メタバースといったトピックがこの「世界でもっとも富める者の生き残り」に結びついているかを論じ、そうした富める者たちの利己的な生き残りファンタジーではなく、人間のコミュニティ、相互扶助の意義を問い直す本である。 これは、それを活用できる人にとってはデジタル天国だが、取り残された私たちにとってはまったく別のものだ
「年収200万で暮らせるわけない」 「病院にも行けない」悲痛な声も Twitterでは「年収200万で豊かに暮らせるわけねぇだろ」「年収200万だと、金がもったいないと思っちゃって病院に行く気すらも起こらないんだよ」といった意見や「こういうのがスタンダードになると、日本全体が豊かじゃなくなり、衰退する」と日本の将来を不安視する意見も上がった。 戦時中のスローガン「欲しがりません勝つまでは」「贅沢は敵だ」などを引用して批判する意見や、この書籍の価格が759円であることから「年収200万円なら、そもそもこの雑誌は高くて買えない」などの意見も出た。 “「年収200万円」論争”には、作家の古谷経衡さんも参戦。自身の公式Twitterアカウントで「『年収200万で豊かに暮らせます』というコンセプトの雑誌は、あなたに奴隷でいる事を強いるプロパガンダだ」と痛烈に批判し「年収200万で豊かに暮らせることは
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