たいげいの命名・進水式=2020年10月【時事通信社】 海上自衛隊が保有する最新型の潜水艦「たいげい」に乗艦する機会があった。自衛隊の装備品の中でも特に秘匿性が高いとされる潜水艦。艦内機器や潜望鏡がデジタル化された「たいげい」は、隊員いわく「ガラケーからスマホに進化した潜水艦」だ。前編では最新の艦内機材やそれを使った戦闘指揮の様子を、後編では独特な環境で暮らす隊員の生活の様子をリポートする。(時事通信社会部 釜本寛之) 全長84メートルの巨大なクジラ 訪れたのは4月上旬、海上自衛隊横須賀基地。岸壁に何隻も潜水艦が泊まっているが、中でも一回り大きいのが「たいげい」だ。全長は84メートル。見た目は大型旅客機の胴体部分が水に浮いているようなサイズ感だ。「半分は海中で見えないが、ドック入りすればもっと大きい」という。艦の表面はざらざらしたゴムやウレタンのタイルで覆われている。音の反射を押さえ、敵か