オウム真理教による一連の裁判が終結したことにより、麻原彰晃死刑囚(56)=本名・松本智津夫=ら死刑確定囚の死刑執行は政治課題と化す。平成21年9月の民主党政権発足以来、死刑に慎重な人物が次々に法相に就任し、執行は2人だけ。確定囚は120人を超え、戦後最大となった。それでも他の懸案と同様に先送りするつもりなのか。野田佳彦首相の覚悟が問われている。(上塚真由、加納宏幸) 「特にコメントはありません。個別の問題には答えないことになっている…」 平岡秀夫法相は21日、法務省で産経新聞記者にオウム裁判終結のコメントを求められ、こう答えた。死刑執行命令書に署名する気はなさそうだ。 平岡氏は超党派の「死刑廃止を推進する議員連盟」には所属していないが、民主党でももっともリベラル派であり「死刑慎重派」と衆目は一致する。9月2日の就任記者会見でも死刑執行に関する見解を問われ、「省内の勉強会の議論も踏まえて考え