JR東海がリニア中央新幹線整備に向け、今後公表する県内分の概略路線案(幅3キロ)に、重要伝統的建造物群保存地区に指定されている木曽郡南木曽町の妻籠宿一帯(1200ヘクタール余)の南部が含まれていることが8日、分かった。岐阜県内の中間駅設置場所とされる中津川市西部に向け、恵那山(2191メートル)周辺のもろい地質を避けるため、同町、同市境の馬篭峠付近を通るためだ。 同社は各地域と意見交換を進めている県内の中間駅、路線案は示していないが、7日、改正環境影響評価法に準じて作成した環境配慮書は公表。路線案選定に当たり、地形・地質や環境面などの制約条件に配慮する方策を示しており、妻籠宿一帯については「影響をできる限り小さくするよう配慮する」とした。 配慮書によると、約20キロの長大トンネルで通過する南アルプスは、比較的標高の低い稜線(りょうせん)を選び、塩見岳(3046メートル)と荒川岳(314