ネットを主戦場にした「食メディア」が急増している。その背景はなにか。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が解説する。 * * * この1年ほど、メディアの”食シフト”が加速している。とりわけ急増しているのが、自前のコンテンツを配した、ネットメディアの立ち上げだ。大手Webサービスから老舗の路面店までが、わずか数インチのスマホの画面をめぐって、ユーザーの時間を奪い合っている。 食メディアのなかでも、早期に自前コンテンツに手をつけたのは、大手レシピサイト「クックパッド」だ。2013年に「クックパッドニュース」を立ち上げ、以降更新頻度を加速させ、現在では一日20本近くのニュース記事を配信するように。さらに2015年には『暮しの手帖』元編集長の松浦弥太郎氏を迎え、「くらしのきほん」というライフスタイル提案コンテンツも発信している。 飲食店検索サービスの老舗「ぐるなび」も自前のサービスを次々に展