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ブックマーク / youkoseki.com (36)

  • youkoseki.com 鬼 まだ年初の、寒い雨の金曜日。新年特有のうかれた気持ちも消えてしまって、もう会社など行きたくないとグズグズ準備をして出たら、電車を乗り過ごしてしまった。渋谷駅であれだけの人が下りて行ったのに、自分だけはまったく気付かなかったらしい。 次の駅で下りて反対のホームにゆっくりと向かい、渋谷まで戻る。雨は待ち構えていたように強くなって、職場のあるオフィスビルに着いた時には足下がだいぶ濡れて冷たくなっていた。ビルの入口にあるカフェはバレンタイン仕様。ハートマークのデレコーションが派手に飾られ、スーツ姿の会社員やら外国人観光客やらで賑っている。 オフィスフロアまでのエレベータに一人で乗る。先程までの喧騒が嘘のように静かである。受付を抜けて執務室へ向かうと、何人かの社員が泣いている。なにかあったのだろうが、見かけるのはあまり親しくない社員ばかりである。かける言葉が見つからず

    鬼
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    MyPLB 2023/12/12
  • 人間の認証マーク

    youkoseki.com 人間の認証マーク 朝起きてスマホを見たら、動かない。画面が真っ暗なのである。充電が切れたかとケーブルを繋いでみたら、何の問題もなく画面がついて、充電は完了していますと表示が出た。とはいえ操作はできないまま。どこかが壊れたのかもしれない。 パソコンを引っ張り出してきたが、こちらは画面こそ最初からついたものの、ログインできない。顔認証や指紋認証は反応しないし、パスワードも通らない。パスワードを間違えたのかと何度も試しているうち、パソコンはロックされてしまった。次にログインを試せるのは二時間後だと言う。 仕事の連絡が来てるかもしれないなと思いながら、朝ごはんをべる。スマホのない朝なんていつ以来だろう。手持ちぶさたで、何度もスマホを手に取っては真っ暗な画面を見つめる。 動かないスマホを持ったまま仕事へ向かう。すると今度は駅の改札が開かない。助けを求めてロボット駅員を

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    MyPLB 2021/08/13
  • キャンセル・カルチャーをキャンセルせよ

    youkoseki.com キャンセル・カルチャーをキャンセルせよ 毎日なにかが炎上している。 ミュージシャンの小山田圭吾はオリンピックの開会式に関わるというニュースが流れると、昔のいじめ自慢が話題になって炎上し、開会式への参加を辞退することになった。同じオリンピック開会式の演出を行っていた小林賢太郎は、過去の劇作でホロコーストを引き合いにしていたことが炎上し、開会式の前日に解任されることになった。 ホビージャパンの編集者はTwitterで転売ビジネスを容認する発言をして炎上退職処分となった。徳間書店の業務委託を行っていた編集者は、同じくTwitterで大坂なおみのオリンピック敗退を揶揄して炎上し、契約解除となった。 すべてこの一週間ほどのことである。なるほど、日はモラルにとても厳しい。 つまり開会式に関わった残りのメンバーは生まれてこれまで潔白な人達ばかりなのだろう。オリンピック選手

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    MyPLB 2021/07/31
  • 医療テックユニコーン「セラノス」の興亡を描く"BAD BLOOD"が面白しんどい

    youkoseki.com 医療テックユニコーン「セラノス」の興亡を描く"BAD BLOOD"が面白しんどい "BAD BLOOD シリコンバレー最大の捏造スキャンダル 全真相"はセラノスという医療テックベンチャーを取り上げたである。 セラノスは指先から数滴の血液を採取するだけで、様々な血液検査を迅速、かつ安価に行えることを謳っていた。多額の資金を調達した「ユニコーン」の一つで、一時はUberやSpotify以上の評価を受けていた。エリザベス・ホームズという若い女性創業者・CEOは、スティーブ・ジョブズの再来と持ち上げられていた。 しかし、ニュースで記憶のある人も多いかもしれないが、最終的には主張していた内容の多くが嘘だと明みになった。 ドットコムバブル以降の20年、色々なベンチャーが生まれては消えていったが、セラノスはその中でも最大級のスキャンダルだろう。なぜこんなことが起きたのか。最

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    MyPLB 2021/03/13
  • 本を飼う

    youkoseki.com を飼う を拾ったのは小学生のときだった。正確には覚えていないけれど、高学年だったと思う。下校途中、家の近所にあるアパートの入口に、段ボールに入れて捨て置かれた小さなを見つけたのだ。一緒に歩いていた友達は気付きもしなかったけれど、私は完全にと目があってしまった。「ちょっと待って」と友達に言って、私はをそっと拾った。 小さくて、文字でいっぱいのだった。表紙は古びていたけれど、中身は綺麗。後で知ったが、それはアメリカ産の童話で、有名な翻訳家に訳されて、日でも昔よく流行ったものだった。 私はを胸に抱えて家に帰った。家で何か飼いたいと、これまで何度も親に訴えて、いつもダメだと言われてきた。だから拾ったばかりのも、捨てて来なさいと言われるのではないかと思っていた。そんな時に限って、母は仕事を早く終え、家でもう夕の用意をしている。しかし、私が抱えたを見て

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  • 2021年だから人類はHTMLを手打ちしろ

    youkoseki.com 2021年だから人類はHTMLを手打ちしろ 新しい年だ。人並に新しいことを始めようなどと考える人もいるだろう。しかし、なにを始めればいいのか? 僭越ながら一つ提案をさせてもらえるなら、私はこう言いたい。HTMLを手打ちしろ。ハイパーテキストマークアップランゲージを学べ。なぜなら、個人がコツコツとタグを手打ちしたウェブページには暖かみがあるからだ。 私は中学一年生のとき、はじめてパーソナルコンピュータを買ってもらった。中学受験がうまくいったら買ってもらえるという約束で、受験には失敗したのだが、買ってもらったのだ。中学時代、ほとんどずっとパソコンと向かいあっていたが、CONFIG.SYSとAUTOEXEC.BATを書き換えてメモリ残量の上下に一喜一憂していた記憶しかない。あとA列車で行こう4や、ルナティックドーンのようなアートディンクのPCゲームWindows 3

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    MyPLB 2021/01/01
    「フォントの色も変えられないnoteで妥協するな」
  • 会議名人の評価値

    youkoseki.com 会議名人の評価値 オンライン会議はすでに終盤。パソコンの画面には僕、大村リーダー、同期の中山、後輩の谷原の四人の顔が並ぶ。そして僕の顔の上には「劣勢」の文字が浮かんでいる。AIによる僕の評価値は13。大村リーダーは42、中山は24、谷原は21だ。 在宅勤務が続く中、長引きがちなオンライン会議を効率化しようと全社で導入されたのが、AIによる会議進行・評価システム「会議名人」だった。会議名人は会議中の発言をすべて記録し、これまでの文脈とあわせて分析することで、出席者を評価する。そうして、発言しない参加者には発言を促し、無駄な発言の多い参加者にはそれとなく戒める。最終的に、価値のある発言ができない参加者は、会議中であっても容赦なく追い出すのだ。 思い返せば、会議名人が導入され、営業部の定例会議から最初に追い出されたのは米藤部長だった。月曜朝、いつものように会議の冒頭か

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    MyPLB 2020/08/26
  • 夜の街

    youkoseki.com 夜の街 日没の時間、アラートが街に響く。夜のはじまりだ。みんなが一斉に退社しはじめる。 システム管理をしている私は、なんだかんだといつも退社が最後になる。 「早く帰れよ」と上司の岩田さんがそう言ってエレベーターに消えると、フロアには一人となった。 オフィスの戸締りをしていると、大沼さんがトイレから現れる。面倒見のいい一年先輩だが、くたびれた風貌のせいかだいぶ年上に見える。 「今日、飲みに行く?」大沼さんは言う。私は端末のカレンダーを見る。金曜日だが、月末ではない。 「自粛日ですよ」私は言う。 「つまらないこと言うなよ」大沼さんは答える。「いいところに連れて行ってやるからさ」 「これはどうします?」私は自分の端末を指差す。 「これがある」そう言って大沼さんが取り出したのは小さなドライバーで、止める間もなく私の端末を手に取ると、あっという間にカバーを外し、バッテリー

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    MyPLB 2020/07/15
  • ローソンのデザインの難しい問題

    youkoseki.com ローソンのデザインの難しい問題 ローソンのプライベートブランドがデザインを一新し、議論を呼んでいる。熟考があっての結果なのだろうし、このデザインが好きだという人もいるのだろうけど、現時点でリニューアル自体は、控え目に言っても失敗だろう。 ファッションや車であれば、ちょっと変わったデザインでも受け入れられる。差別化のために、他とは明白に異なるデザインが求められることもある。しかし、コンビニというのは今や社会のインフラであり、そこで売られる品・日用品が、デザインのせいで何が何であるかさえよく分からないというのは、かなり困った状況である。特に品の、安全に関わるような情報でさえ読みづらいのは、趣味性の違いでは済まされない。(デザイン上の問題についてはWEZZYの記事に詳しい) たとえば、通販サイトのロハコには「くらしになじむデザイングッズ」という、日用品のパッケージ

    ローソンのデザインの難しい問題
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    MyPLB 2020/06/23
    「仮に売り上げが定常的に増えたとしても、このデザインが全体にとってプラスだったのかはまた別の話だと感じる」
  • 検察庁法改正とTwitterデモの危ういバランス

    youkoseki.com 検察庁法改正とTwitterデモの危ういバランス ハッシュタグ #検察庁法改正案に抗議します が大きな話題となり、今国会の焦点であった検察庁法改正が見送りに追い込まれた。Twitter世論が政治を動かした、と言われている。 Twitterが世の中を大きく動かしたのは、これが初めてではない。というか、Twitterは今や巨大な炎上プラットフォームで、これまでは個人の炎上や企業の炎上が続いていたが、今回は炎上したのが政府だった、という感じである。炎上政治デモを同列に並べると嫌がる人がいるかもしれないけど、私は良い悪いではなく、構造は同じだと思う。 検察庁法改正以前を少し振り返っただけでも、お肉券、お魚券、あるいは給付金案などで、政府案が炎上し(どこまでもともと確定した内容で、どこまでTwitter世論の影響を受けたかはさておき)修正を迫られることがあった。今後Tw

    検察庁法改正とTwitterデモの危ういバランス
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    MyPLB 2020/05/22
    「たとえばファクトチェック、フェイクニュースといった概念も、あっという間に陳腐化し、互いに互いをフェイクと呼びあうだけの相対的な意味になってしまった」「一番の負け組は政府以上にマスメディアだったかも」
  • ダウンサイジング・ジャパン(終)

    youkoseki.com ダウンサイジング・ジャパン(終) 毎週金曜、夜の八時になると、街を歩く人はいなくなる。みんな家にさっと戻って、テレビにかじりつくのだ。ほんの少し前までテレビの時代は終わったなんて言われていたのに、今では日中で何千万という人達が、大人気番組「ダウンサイジング・ジャパン」をリアルタイムで見ようと固唾を飲んでいる。 ダウンサイジング・ジャパンは、日政府が支援する特別な番組だった。仕組みは過去にたくさんあったリアリティーショーそのもの。素人の集団が出てきて、各々が必死のアピールを行い、それを見た視聴者が投票を行って、毎週一人づつ脱落していく。そして最後まで残った勝者が、多額の賞金を得る。 ダウンサイジング・ジャパンが既存のリアリティーショーと異るのは、評価されるのが個人ではなくて、自治体というところだ。毎シーズン、過疎化が進む自治体がずらずらと出てきて、必死に名物や

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    MyPLB 2020/05/19
  • コロナの時代の愛

    youkoseki.com コロナの時代の愛 二人の脚家がZoom飲みをしながらドラマの原稿を考えている。 「いやー、無理だよ。こういう時代に、どういう物語がありえるんだ」 「私達、もう三密だよ……、みたいな?」 「それはドキドキする。しかし密接と密閉はともかく、密集じゃないでしょ」 「病める時も健やかなる時も密になってくれるか? みたいな」 「いま病める時はちょっと近寄り難くない?」 「お前と密になる前に~みたいな」 「いつもソーシャルディスタンスしろ~」 「できる限りで~」 「出会いが描けない。飲み会もだめ、旅行もだめ、ライブもだめ、バーもだめ」 「前を走る女の子がハンカチ落としたら拾うか、って話になる」 「そもそも学校ないしカーテンもないからね。遅刻しないから、パンをわえながら走ることもない」 「みんなパンをわえながら走ってた日々が懐しい」 「いま空から女の子が落ちてきたらどう

    コロナの時代の愛
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    MyPLB 2020/04/24
  • 渋滞オークションに入札する

    youkoseki.com 渋滞オークションに入札する 月曜の朝、いつも通り八時半に家を出る。「行ってくるね」とに伝えて車に乗り込むと、さっそく窓を遮蔽モードに切り替えて、先週買ったシューティングゲームの続きをはじめた。車内は真っ暗になり、私は天使となって、前後左右、天井にまで現れる悪魔を雷で打ち落としてくのだ。 コントローラを握り、叫びにならない叫びを上げながらシューティングゲームに没頭するあいだ、車は静かに職場へと向かう。数年前に自動運転が実現してから、職場までの通勤時間は貴重な自分だけの娯楽時間になった。 こんなことならもっと職場まで遠い家を買うんだった、というジョークが世間では流行していた。まったくの同感。すこしでも職場に近いほうがいいと、無理をしたローンで家を買ったのは十年近く前のこと。駅近で、しかも混雑の少ない路線だったが、今や鉄道に乗ることなどなく、毎日この自動運転に頼りき

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    MyPLB 2020/02/13
  • 受験便乗商品がつらい

    youkoseki.com 受験便乗商品がつらい 年が明けて正月ムードが落ち着いてくると、受験シーズンに便乗したCMや商品が増えてきて、私はいつも憂になる。受験が楽しくて仕方なかったという人には申し訳ないが、少なくとも私は、中学受験も高校受験も大学受験も、もう二十年以上も昔の話なのにも関わらず、思い返すたびにつらい気持ちになるのだ。 クリスマスやらバレンタインデーやらオリンピックやら、タイミングにあわせて商品やサービスを売るというのはマーケティングの基だろう。恵方巻が話題なら、恵方おにぎりだろうと恵方ロールケーキだろうと売ればいい。 でも受験は、ただの時事の出来事ではなくて、受験生たちの、大げさに言えば人生を左右するイベントである(そんな受験制度でいいのかという話はさておく)。その重圧ゆえに、受験生人はもちろん、その周囲の人達も、どうしても重苦しくつらい日々を送ることになる。それなの

    受験便乗商品がつらい
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    MyPLB 2020/01/20
    「「この商品にはご利益がありますwww」と半笑いで近づきながら、受験生であれば誰でも相手にする武器商人のよう」「売上の一部で奨学金制度を作るとか。金額の多寡に関わらず、できることはあるだろう」
  • [PR] 記事タイトルでどこまで開示すればいいか問題 [ではない]

    youkoseki.com [PR] 記事タイトルでどこまで開示すればいいか問題 [ではない] ステマ論争からタイトルにPRつけるか論争が蒸し返されているのを見て、もういっそこれくらいのガイドラインを作ればいいのではないかと思った。もちろん冗談ですので気しないでください。 スポンサードコンテンツ、ブランデッドコンテンツ、タイアップ、記事広告、いろいろな言い方があるけれど、特定の企業からお金をもらって書かれた記事。たくさんクリックされると嬉しいが、クリックされまくってももらえるお金が増えるわけではないのが一般的。 [AD] スポンサードコンテンツではないが、記事の前後左右や途中にバナー広告や動画広告があるため、記事をクリックされると広告が表示され、それに概ね比例してお金が入る。どういう広告が表示されるのか、記事を書いた人間でも分からないことが多い。 [AD-ビューアブル] 記事の前後左右や

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    MyPLB 2019/12/20
    「「レストラン情報サービスが運営するサッカー選手のインタビュー記事がやけに充実しているメディア」みたいな不思議な例」
  • インターネットおじさんの2019年

    youkoseki.com インターネットおじさんの2019年 叔父と初めて会ったのは90年代の後半で、私がまだ高校生のころだった。叔父は長くアメリカに留学していたが、日の通信会社に就職が決まったので、帰国してきたのだ。叔父は日のことがよくわからないからと言って、私達の家のすぐ近くにマンションを借り、しょっちゅう私達の家に出入りするようになった。 叔父と私は、親子にしては近すぎるような、兄弟にしては離れすぎているような、微妙な年齢差で、はじめこそ、お互いにどう接すればいいのかわからなかった。しかし夜になると決まって叔父が家にやって来ては帰らないので、気付けば次第に話をするようになった。たとえば、私がテレビゲームにはまって遊んでいると、叔父はもっと面白いゲームがあると、聞いたことのないアメリカ産のゲームを持ち込んでくるといった具合に。 大学でコンピュータについて学んだという叔父は、私に言

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    MyPLB 2019/12/12
  • 飲ま飲まない

    youkoseki.com 飲ま飲まない 今春も新入社員が二人、うちの部に配属されたので、さっそく歓迎会をやろうということになった。「好き嫌いはあるか? 君達の歓迎会なんだから、べたいもの、飲みたいもの、なんでも言ってくれ」私は笑顔で言う。 「あの……そのことなんですけど」今年の新入社員は男女が一人づつ。女性のほうが、私の顔色を伺いながら切り出す。「私達、二人ともお酒が苦手で……」 「ああ、なるほど」私は言う。「もちろん、無理に飲ませるようなことはしないよ。うちの部にも何人か飲まない人がいるし、ノンアルコールの美味しい店も知ってるから」 「いや、そうではなく……」男性のほうが言う。「お酒のない店にして欲しいんです。臭いが苦手だし、お酒を飲んでいる人と一緒にいるのも、あまり……」 若者の酒離れというのは、もう何年も前から耳にしていた。やれ日人の平均酒量が減っているとか、やれ居酒屋に客がな

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  • 炎上広告批評:ステマはなぜやめられないか

    youkoseki.com 炎上広告批評:ステマはなぜやめられないか 吉所属の芸能人が、京都市のふるさと納税事業についてツイートしたことに対して、金銭を受け取っておきながら広告と明記していなったことを京都新聞に暴かれ、ステマだと批判を受けている。 典型的なステマ事案なのだが、一方でこれは地獄の釜の蓋を開ける話でもある。この面白さが広告業界外にはあまり伝わっていないように思うので、ここにまとめておく。 なぜステマと認めないのか 今回の事案に対して、おそらく一番素朴な反応は「お金をもらってるのだから広告なんだし、広告なら広告と明記すればいいじゃないか。なにがそんなに難しいのか」というものだろう。 しかし、広告とはなんだろうか。芸能人がお金をもらってツイートしたらそれは広告だろうか(これについては後述)。もし吉の回答が「今回は芸能人が納税事業についてコンサルティングを行ったもので、受け取った

    炎上広告批評:ステマはなぜやめられないか
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    MyPLB 2019/10/31
    考えさせられるしとても面白い。数年後に今を振り返ることができそうな記事。これが令和元年のできごとなのか…/「金の小判とか、高級スーツの仕立て券とか」関西電力と高浜町の助役の話
  • Twitterと距離を置くこと

    youkoseki.com Twitterと距離を置くこと このごろTwitterと距離を置いている。同じようにTwitterと距離を置きたいという人に向けて、参考のためにその方法を書いておく。ただ、題に入る前にいくつか断り書きがある。 まず、以前と比べて個人的にはTwitterと距離を置いてはいるものの、Twitterは今も見ている。めちゃくちゃ見ていると言ってもいい。おそらく今もなお9割のTwitterユーザーよりTwitterを愛用していて、Twitter中毒から抜けきれたとは到底言えない。寝る前に缶チューハイを3空けてた人が、最近はだいたい1-2、たまに酒なしでも眠れる日が来た、というような話である。 そういうわけで、これはデジタルデトックスみたいな話ではない。私は今もスマホばかり見ていて、パソコンとほぼ一日中向き合っている。Twitterで失っていた時間を取り戻し、家族や友

    Twitterと距離を置くこと
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    MyPLB 2019/10/01
    「問題は、疲れたという自覚はあってもなお、それを遠ざけるには、こうして順番にステップを踏んでいく必要があるということであった」/Twitter社とかサービス運営する方はどのようにこれを読むのだろう
  • 印鑑があって良かったね

    youkoseki.com 印鑑があって良かったね 琴座からの宇宙人は、ある日とつぜん現れたので、地球人にはなんの備えもなかった。巨大な宇宙船に乗り込んだ琴座人たちは、地球のすぐそばに陣取ると、圧倒的な技術力をもって、きわめて実務的な侵略を推し進めた。つまり琴座人たちは、未知のワープ光線を利用して、大国の指導者たちを順番に誘拐していったのである。まずはアメリカの議長が、それからそれから中国の首相、続いてロシアの王というように。 世界の大国から次々と指導者が消えて行き、指導者の代役が現れると、その代役もまたワープ光線によって連れ去られていった。そうやって世界は静かに、しかし確実に混乱へと巻き込まれていった。 そんななか、日の権力者たちは、二つの問題に悩まされることになった。第一には、もちろん、いつ日の指導者が、自分たちが、宇宙人の標的になるのか、そしてその回避策はあるのだろうかということ

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    MyPLB 2019/09/27
    「ここから琴座星人への反撃が始まるのだ。」