第2の都市で、ロシアに近い北東部の高地にあるハルキウは、あらゆる意味で空からの攻撃に対して無防備なのだ。
第2の都市で、ロシアに近い北東部の高地にあるハルキウは、あらゆる意味で空からの攻撃に対して無防備なのだ。
Washington Postは「米国製のGPS誘導兵器はロシア軍の妨害技術に耐えられず、ウクライナ軍は一部兵器の使用を中止せざるを得なかった」と報じたが、New York Timesも25日「エクスカリバー砲弾の命中率は55%から6%に低下した」と報じた。 参考:Some U.S. Weapons Stymied by Russian Jamming in Ukraine 敵が無能でない限り「想定された効果」は投入直後から失われて行くWashington Postは24日、入手したウクライナの機密資料を引用して「米国製のGPS誘導兵器はロシア軍の妨害技術に耐えられず、ウクライナ軍は一部兵器の使用を中止せざるを得なかった」「GPS誘導のエクスカリバー砲弾は戦場で有効性を示し、2023年初頭までの命中率は50%以上だったが数ヶ月後には10%以下に低下してエクスカリバー砲弾の供給を停止した」と
ゼレンスキー大統領は17日の会見の中「この数年の戦争で初めて全旅団から『砲弾がない』と不満を言われなくなった」と述べて砲弾不足の解消を示唆したが、ウクライナ人ジャーナリストのブトゥソフ氏は「この発言は前線にいた軍人のほぼ全員を唖然とさせた」と述べている。 参考:Russian offensive in Kharkiv region could be only first wave of attacks – Zelenskyy 参考:Zelenskyy reveals when Ukraine to receive F-16 jets 参考:Зеленский заявил о перспективах нового контрнаступления ВСУ и назвал условие 前線の実情を知らない最高司令官は側近の間違った助言を口にしたゼレンスキー大統領はジャーナリストとの会
ロシアによるウクライナ侵攻が長期化する中、ウクライナでもいよいよ兵員確保が厳しい状況になってきたようだ。ウクライナのゼレンスキー大統領が、徴兵年齢上限を27歳から25歳に引き下げる法案に署名したのは今年4月のこと。ウクライナでは戒厳令に基づき、動員命令を受けた27~60歳の男性及び、18歳以上の志願兵が戦闘任務についてきたが、兵役で徴兵された者は動員の対象外になり、前線へ送ることはできなかった。今回の兵役年齢引き下げにより動員対象は広がり、推定で47万人の追加徴集が可能になったとされる。 「ただ、これはあくまでも数字上の話で、動員を恐れて国外に脱出している若者も少なくありません。米シンクタンクの調査によれば、現在、ウクライナ軍の総兵力は約100万人。うち、前線で戦っている兵士は30万人ほどだとされ、これに対しロシア軍の前線兵力は今年1月の時点で推定47万人。しかも、6月1日にはさらに30万
2022年2月にウクライナに対する全面戦争を開始してから2年後までに、戦闘車両をおよそ1万5000両失ったロシアは、焦りを募らせた。 新造分と長期保管していた古い車両の改修分を合わせても、月に600両超にのぼる戦車や歩兵戦闘車、装甲兵員輸送車の損失ペースにはとても追いつかない。 戦争が3年目に入るなか、ロシア軍部隊がトラックやゴルフカートのようなオープンタイプの車両で戦場に乗り込む例が増えているのはそのためだ。最近はさらにオートバイを使うことも多くなっている。 もっとも、ロシア軍部隊が無防備な、あるいは最小限の防護しかない車両をよく乗り回しているからといって、戦場でウクライナ軍に勝てていないというわけではない。ウクライナ側もまた、弾薬が枯渇し、人員も不足するという問題を抱えている。
ウクライナに侵攻を続けるロシア軍との戦闘について、ウクライナ軍のシルスキー総司令官は28日、東部の前線で戦況が悪化して一部で部隊が後退したことを明らかにしました。 ウクライナ軍のシルスキー総司令官は28日、SNSで、ロシア軍との戦闘の状況について説明しました。 それによりますと先週は前線の全域で激しい戦闘が続き、特に東部ドネツク州のアウディーイウカとマリインカの近郊がウクライナ軍にとって最も困難な状況になっているということです。 この地域では前線にいたウクライナ軍の部隊が西にある3つの集落に後退したということで、シルスキー総司令官は「敵は、これらの地域で一定の戦術的な成功を収めた」と認めました。 ただ、作戦に影響を与えるほど優位に立たれたわけではないとしています。 一方、ロシアの通信社は28日、大統領府のペスコフ報道官が「前線にいるウクライナ軍の間ではパニックが広がっている。この勢いを保つ
アメリカ議会下院は20日、ロシアによる侵攻が続くウクライナへの追加の軍事支援のための緊急予算案を超党派の賛成多数で可決しました。アメリカによる軍事支援は与野党の対立から滞っていますが、支援の再開に向け大きく前進しました。 アメリカ議会下院は20日、ウクライナへの追加の軍事支援のための緊急予算案の採決を行い、賛成311票、反対112票の賛成多数で可決しました。 予算案は、総額およそ608億ドル、日本円にしておよそ9兆4000億円となっていて、支援の一部は返済義務がある借款の形をとることになっています。 採決では、下院で多数派を占める野党・共和党のうち、支援に消極的な保守強硬派の議員を含むおよそ半数が反対しましたが、与党・民主党の議員のほとんどが賛成に回り、超党派での可決となりました。 ロシアによる侵攻が続くウクライナの最大の軍事支援国となってきたアメリカは、与野党の対立から追加の支援のための
ウクライナ国防省は2024年4月7日、アウディーイウカ方面の戦闘において、ロシア軍の装甲戦闘車両をたった1日で16両撃破したと発表。その様子を映像で公開しました。 アウディーイウカは、ウクライナ東部ドネツク州のポクロウシク地区にある街で、ウクライナとロシアの戦いにおける最前線でもあります。 【次々と…】ロシア軍戦闘車両が撃破される驚愕の様子(動画で見る) 長らくウクライナ側の抵抗拠点となっていたことから、要塞化も図られていたものの、2024年2月17日にウクライナ軍が撤退してロシア軍が街を制圧。ロシアの占領地域に組み込まれました。 そのような激戦の地であるため、ウクライナ側も戦果をあげていると発表することで、自軍の奮戦をアピールしているものと思われます。 16両の内訳は戦車が10両、歩兵戦闘車が6両とのこと。おそらく前者はT-72やT-90などで、後者はBMP-2ではないかと推察されますが
ロシアがウクライナで拡大した戦争が3年目に入るなか、戦場は主に3つのダイナミクスで形成されている。 1. ロシアは政治、産業、軍事のリソースを総動員している。だがこの動員は、ロシアの再生不可能なリソースを著しく消耗している。なかでも重要なのは、冷戦時代の古い兵器の在庫が払底しつつあることだ。 つまり、ロシアは強いが脆い。 2. ウクライナもリソースを動員しているが、喫緊の財政的ニーズや軍事的ニーズを満たすのには依然として外国の援助に頼っている。そして、この援助の決定的に重要な部分は、米議会下院のロシアに好都合な共和党議員たちの手で阻まれている。 3. ウクライナの戦術はロシアの戦術より優れており、ウクライナ軍部隊がはるかに規模の大きいロシア軍部隊を打ち破る一因になっている。だが、ウクライナ軍の弾薬が欠乏している場合は、戦術自体が意味をなさなくなる。 およそ1000kmにわたる戦線の一見ちぐ
ロシアのプーチン政権による侵略開始から3年目に入ったウクライナ。民族と国家の存亡をかけて、果敢に抵抗を続けるウクライナの社会に最も精通した日本人といえば、首都キーウでウクライナの国営通信「ウクルインフォルム」日本版編集者の平野高志氏(42)を置いて他にいないだろう。平野氏は3日、ウクライナの市民社会をテーマにした論文で「ウクライナ研究会」(岡部芳彦会長)の研究奨励賞を受賞したばかり。ウクライナのメディアや社会、対ロ関係、日本の支援への反応などについて縦横無尽に語ってもらった。(編集委員・常盤伸) 平野高志 1981年生まれ。東京外国語大学ロシア・東欧課程卒。リビウ国立大学修士課程(国際関係学)修了。在ウクライナ日本大使館専門調査員を経て、2018年以降、ウクルインフォルム通信日本語版編集者を務める。キーウ在住。著書は「ウクライナ・ファンブック」。写真家としても活動中。
アウディーイウカはウクライナ東部・ドネツク州の工業都市で、ヨーロッパ最大級とされる製鉄用のコークス工場があります。 2014年以降、親ロシア派の武装勢力とウクライナ軍による戦闘が行われてきた場所で、ドネツク市が親ロシア派に支配されてからは、ウクライナ軍側の最前線の防衛拠点となってきました。 おととしウクライナに侵攻したロシア軍はドネツク州全域を掌握する足がかりとして、侵攻開始当初からアウディーイウカへの攻撃を続けてきました。 地元の市長によりますと、激しい戦闘により市街地はがれきと化し、生活インフラのほとんどが停止したということです。 また、侵攻前には3万3000人いた住民の多くは退避し、今月上旬には市内に残るのは900人ほどだとしています。 ドネツク州周辺の部隊の指揮を執るタルナウスキー司令官は17日、SNSで、「撤退は計画に基づいて行われたが、圧倒的な敵戦力に押され、最終段階で若干の兵
ウクライナを侵略するロシアのプーチン大統領が最近、ウクライナに事実上の降伏を促すなど強気の発言を繰り返している。背景には、前線で露軍が優位に立ったとの認識やウクライナ支援を巡る欧米諸国の足並みの乱れから、ロシアの「戦勝」が近づいているとの自信を深めていることがあるとみられる。 プーチン氏は先月16日、ウクライナのゼレンスキー政権が対露交渉を否定していることについて「彼らが交渉したくないならそれでいい。だが、ウクライナ軍の反攻は失敗し、主導権は完全に露軍に移った」と主張。「このままではウクライナは取り返しのつかない深刻な打撃を受けるだろうが、それは彼らの責任だ」と述べ、ウクライナは早期に降伏すべきだとの考えを示した。 さらにウクライナ全土からの露軍の撤退を前提とするウクライナの停戦条件を「法外な要求だ」と批判。「戦利品をロシアに放棄させようとする試みは不可能だ」とし、占領地域を返還しない意思
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