決まるべくして決まり、選ばれるべくして選ばれていったエヴァンゲリオンの人気声優たちの中で、惣流・アスカ・ラングレー役の宮村優子はそれまでほぼ無名の新人であり、そしてエヴァンゲリオンという作品が生み出した声優界の新星になっていく。 「本当は綾波レイ役でオーディションを受けたけど、声の元気が良すぎてアスカ役になった」と宮村優子が『アスカライソジ』の中で語るように、彼女の声には綾波レイの青い寂寥とは正反対の、真っ赤に燃え上がる火のようなエネルギーがあった。「あんたバカァ!?」と碇シンジをこき下ろす有名なセリフに象徴されるそのキャラクターは、作り手の予想を超えて作品の人気を支える重要なキャラクターの1人になっていく。 興味深いのは、テレビシリーズ放映から『シン・エヴァンゲリオン』の完結に至るまで、アスカ・ラングレーというキャラクターの人気が上がり続けていることだ。90年代にはエヴァを象徴するキャラ