初犯で刑期10年以上…刑の重い長期受刑者を収容している岡山市の岡山刑務所。受刑者数は、2006年の約770人をピークに減少に転じているが、今、深刻な問題が静かに進んでいる。 (刑務官) 「前へ進め!」 2021年、岡山刑務所の受刑者は400人余り。半数以上が無期懲役だ。殺人、死体遺棄、強盗殺人などが大半を占める。 受刑者を収容し、刑を執行する刑務所。一方で罪を犯した人間を更生させ社会復帰させることを目的とする施設でもある。その目的や存在意義が今、揺らいでいる。 その原因のひとつが認知症だ。 (認知症の受刑者) 「Q何でこの岡山刑務所に入ることになったんですか?それは分からんのです」 この受刑者は自分がなぜ刑務所にいるのか、答えられない。 日本の刑務所では、ここ数年、受刑者の高齢化が大きな問題になっている。岡山刑務所も例外ではなく、4人に1人以上が高齢者だ。 岡山刑務所では、高齢化に対応する