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7/20に塩野義の新型コロナウイルス経口治療薬ゾコーバ(一般名:エンシトレルビル)の審査が行われました。 Twitterでも色々と記載させて頂きましたが、結果的には継続審議となりましたね。 今日はそんなゾコーバの審査報告書を読んでみて、有効性や安全性について、重要だと思われる点について簡単に解説してみます。 前評判でも色々とありましたが、果たしてPMDAはどのように判断していたのでしょうか? 医薬品の審査に国産云々といったものは影響せず、「有効性と安全性を中心とした科学的な視点」で審査が進められていることをご理解頂けますと嬉しいです。 なお本記事は業界外の方でも理解できるように、多少表現を丸めている部分もあります。 詳しくは審査報告書をご覧ください。 無料で誰でも閲覧することができます。 あと結構大事なところが多くて、1万文字超えちゃいましたので、必要に応じて流しながら読んで頂けますと幸い
不定期で書いているお薬のお名前シリーズですが、今日は番外編ということで、製薬会社などの名前の由来を何個か取り上げます。 多くが人の名前なのですが、中には変わったものもあるのですよ。 人の名前でも外資の製薬会社はなじみが薄いと思いますので、積極的に取り上げてみました。 では、いってみよう! アステラス製薬 日本を代表する製薬会社の一つです。 2005年に山之内と藤沢が合併してできました。 真面目な二人が組み合わさったら洒落た横文字の会社、アステラス製薬が誕生したのです。 さてこのアステラス、どんな由来があるのでしょうか。 「アステラス」という名称は、 「星」を意味するラテン語の「stella」 ギリシャ語の「aster」 英語の「stellar」によって、 「大志の星 aspired stars」「先進の星 advanced stars」を表現したものなのです! また、日本語の「明日を照らす
市販の風邪薬では子供用のものも売られているのを見かけることがあるかと思います。 では、医療用はどうでしょうか? ADHDの薬など、「小児」が疾患の対象であれば、小児用の臨床試験を実施しており、承認を得ているものはあります。 しかし大多数の薬においては、小児の適応は取れていないのです。 これはなぜでしょうか? 今日は小児治験の難しさとそれを解決するためのすべについて、考えてみたいと思います。 参考としてPMDAの小児医薬品WGの資料を用いています。 小児医薬品の現状 冒頭でも述べましたが、小児医薬品の現状について簡単に振り返ってみましょう。 有効性や安全性に関する十分なデータがない。 これまでに何試験か臨床試験の情報を挙げてきました。 ほとんどの場合において、選択基準は18歳や20歳以上の成人でしたね。 小児対象の試験でもなければ、小児を対象として治験を行うことは稀です。 それは小児にそのま
ヒトは色々な病気にかかります。 糖尿病や高血圧症といった多くの方が罹患する恐れのものもあれば、10万人、100万人に1人しか罹患しないような疾患もあります。 かくいう私も10万人に1人の疾患に罹患し、過去に半日に渡る手術を受けたことがあります。 おかげさまで毎日平和に暮らしているわけですが、おまけで頭痛と片方の耳鳴りが持病になりました。 でも医薬品開発に従事する身としては、非常に有意義な経験でした。 製薬会社はボランティア企業ではありませんので、医薬品の開発には利益を求めます。 より患者が多い疾患の治療薬にリソースを割こうとするのは当然です。 しかし製薬企業は、ヒトの健康に寄与する企業としての社会的な責任があります。 儲からないからといって、希少な疾患に対する医薬品を開発しないことは許されないのです。 今日はそんな希少な疾患に対する医薬品の開発にフォーカスを当ててみましょう。 オーファン・
アンジェスはご存知ですか? COVID-19のワクチン開発に邁進する日本の企業です。 今や日本人の多くが知ることになった、国民的印刷業! ・・・じゃなかった国民的バイオベンチャーのアンジェス!! 今日はそんなアンジェスの素晴らしい?功績(遺伝子治療薬コラテジェン)について、審査報告書をもとに読み解いてみましょう! いつも邪険にしているから、今日はプラスの面を振り返ってみようという熱い思いに溢れています。 ワクチン開発を頑張るアンジェスに、後方から援護射撃をしてみます。 コラテジェンの概要 コラテジェンは、hHGF 遺伝子の翻訳領域をコードするcDNA を含む5,181 塩基対からなるhHGF 発現プラスミドDNA(ベペルミノゲンペルプラスミド)を成分とする再生医療等製品です。 HGFとは1984 年に肝細胞の増殖に関与するタンパク質として発見されました。 その後の研究で、HGFは、肝障害、
手軽に書けて、手軽に読める(と思われる)お薬の名前の由来シリーズ。 先月やったばかりな気がしますが、私は固い記事が多いので、なるべく親しみやすい記事も入れていきたいと思っています。 名前だけではなく、どんなお薬があるか、ちょっとでも興味を持って頂けたら嬉しいなー!という薬剤師的な思いもあります。 「ペーパー薬剤師がそんなこと言うな!」という声は、心の中にそっとしまっておいてください。 今日は2019年度売り上げランキングから、まだ紹介していないもの中心に取り上げました。 キイトルーダやサムスカのように名前の由来が不明なものは除いています。 リリカ(プレガバリン) リリカはファイザーの開発した疼痛治療薬です。 一般名はプレガバリンといいます。 最近特許でもめていますね。 ファイザーさんには頑張ってほしい。 名前の由来は「QOL改善のイメージが可能であり、読み、聞き、書いた場合に印象が良い言葉
以前抗菌薬の供給における問題を記事にしたことがあります。 抗菌薬は医療現場に必要とされているのに、儲からないから開発に及び腰、という残念な薬だというお話でしたね。 今日は抗菌薬の中でももう一歩踏み込んだAMR(薬剤耐性)に対する抗菌薬の開発に関する問題事項や今後の方向性について、見ていきたいと思います。 ・以前の記事: 儲からない抗菌剤、医療現場には不足、企業は開発に及び腰 最近はCOVID-19の治療薬の開発が盛んですね。 様々な作用機序がありますが、シンプルなのは抗ウイルス薬でしょう。 これはウイルス... AMRとは? AMRとはAntimicrobial Resistance、薬剤耐性のことです。 このAMRを持つ細菌が大きな問題となっています。 要は「抗菌剤が効かないから困る」ということです。 抗菌薬を漫然と使っていると、薬が効く菌はやっつけられますが、効かない菌(AMR)が生き
今日は薬に関する身近な豆知識を10個ご紹介させて頂こうと思います。 どれも有名なお話なので、どこかで目にされた方も多いかも? くだらないものから、実用的なものまで適当にピックアップしました。 ご存じないものがあったら、明日のお茶の小ネタにどうぞー! そしてみなさんのとっておきのネタがあったら、次回(あったら)に組み込みますので、ぜひぜひ教えてくださいね! 1.エリクサーは実在する! エリクサー(Elixir)を知らない人はいませんよね? HPMP全回復するアレです。 「エリクサーが使えない病」という慢性疾患に罹患されている方も多いと思います。 日本国民の有病率は75%を優に超える(るな調べ)重大な疾患です。 関連疾患として「種使えない病」も確認されています。 私も罹患していますが、使わざるを得ないタイミングでは躊躇なく使います。 さて、そのエリクサーの読み方を変えたものでエリキシル剤という
芸能人がアビガンで回復した?からアビガンは効く!とか、 とある専門家が効果があるといったからこの薬は有用!とか どこそこ病院の症例報告でシクレソニドが効いた!とか、 臨床試験でレムデシビルが有意差を出した!とか 色々な医学的な情報を耳にしたことがあると思います。 広義に見れば全部「エビデンス」なのかも?しれません。 しかし既にお分かりかと思いますが、このエビデンスには天と地の差があります。 今日はこのエビデンスレベルの違いについてご紹介したいと思います。 エビデンスレベルとは、簡単に言えば「研究の信頼度の目安」ですね さまざまな団体が多様な基準を作っているので、どれが一番良いのかは分かりませんが、だいたいの方向性は同じです。 今日はエビデンスレベルの1例として、「診療ガイドライン作成の手引き2014」で採用されているエビデンスレベルをもとに、中身を見ていきましょう。 数が小さいほどエビデン
医療従事者向けのCOVID-19診療の手引きが更新されたのはご存知ですか? 巷には様々な情報が溢れていますが、正確な情報を知るにはこのような資料を参考にするといいですね。 今日はこの手引きの中から、「COVID-19の症状、合併症、後遺症」について、まとめてみましょう。 それぞれについて、私の所感も記載してみました。 既出の情報ばかりですが、改めて整理してみて、COVID-19という疾患がどのようなものか?見ていきましょう。 COVID-19の症状 概要 初期症状はインフルエンザや感冒(いわゆる風邪)に似ており、発症初期にCOVID-19 を区別することは困難です。 日本における入院を要したCOVID-19 症例のレジストリ(COVIREGI-JP)の2,600 例の解析によると、 入院までの中央値は7 日であり、頻度が高い症状は発熱,咳嗽,倦怠感,呼吸苦であったとのこと。 下痢は約1 割
先日、私のバイオベンチャー銘柄の嗜み方を少しご紹介しましたが、なかなか好評でしたので、第2弾をしたためました。 第1弾はバイオ株の取り扱いの心構え、私の投資スタンスのようなものだったので、今回はちょっと違った観点で、臨床試験の成績を見る際の注意や、戦略的撤退、損切りを行う際の考え方をご紹介したいと思います。 先日の記事が基礎編であれば、 今日の記事は中級・・・ではなく、 基礎編②みたいなものです。 例にもれず、私個人の考え方になります。 正解ではありません。 あくまで「大きく勝たずとも大きく負けない」の大枠の中で、それなりに利益を上げてきた私の考え方です。 ご参考にされるのであれば、それをご認識の上でお願い致します。 また事例をあげる際に会社名を出させて頂きますが、その会社の株の購入や売却を推奨するものではありません! それぐらいわかっているよ!と思われるかもしれませんが、書いてないと苦情
調査概要 日本製薬工業協会(製薬協)広報委員会では、生活者・患者さんを対象として、くすりや製薬産業に対する意識調査を1996 年から行っています。 その13 回目の調査になります! ・調査地域: 首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県) 京阪神圏(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県) ・対象:満20歳以上の男女(医療関係者・製薬企業従事者等は除く) ・標本数:2,000人 ・抽出方法:インターネット調査用パネルより無作為抽出 ・調査方法:インターネット調査 ・調査期間:2019年(令和1年)6月26日~28日 ・調査機関:GMOリサーチ株式会社 サンプル数は2,000人ですが、どこぞの信用できぬ電話世論調査ではなく、インターネットパネルによる調査になりますので、そこそこ信頼がおけるのではないでしょうか? 薬に対する印象は世代間の格差が大きい可能性もあり、インターネット調査では高齢者(医療リテ
先日、漢方薬は自然由来だから副作用がない!みたいなtweetが医療従事者から「ふるぼっこ」にされているのを見かけました。 私としても失笑を禁じ得ない内容ではありましたが、漢方薬には副作用がないといった認識は、意外と持たれている方も多いのではないかと思います。 今日は少し古めですが、2014年の漢方薬の副作用に関する論文や添付文書を見ながら、「漢方薬には副作用がない」の誤解を解いていきましょう。 そもそも自然由来だから副作用がない、の時点で、 「は?じゃあ、ネギでもかじって寝てろ。」 ぐらいに激おこですが、とりあえず今日は落ち着いて、漢方薬の副作用について見ていきましょう。 私は反ワクチンや天然由来信仰が心底嫌いなので、本記事には多少攻撃的表現が含まれます。 予めご了承ください。 あ、既にありましたか? ネギでも食べて温かくしてお休みくださいね♡ これでいいかしら? 漢方薬の副作用に関する論
COVID-19治療薬候補の臨床試験において、稚拙な試験デザインのものが散見されるのは過去に記したとおりです。 では、どんな評価項目が良いのか、何に留意すればよいのか? 今日はその点について、各国の規制当局が集まって協議をした結果をご紹介しようと思います。 規制当局の議論というのは、すなわち、医薬品を承認する際の着眼点でもあります。 試験デザインについて考えるうえでは、非常に参考になるものと思われます。 そんなん関係ないわー!って方は、報道されるような治療薬候補の臨床試験の試験デザインや評価項目に注目してみてください。 それがちゃんとした内容でなければ、その薬は候補から外れると思っていただいても、大した差支えはないでしょう。 どこかで記しましたが、コンセプトのずれた試験、成功した結果に意義を見出すことが難しい試験は、はじめから失敗しているようなものなのです。 ※今日は治療薬についてです。ワ
医療財政がやばいからと、薬価が目の敵にされています。 「薬価をぽんぽこ安くするのはやめてほしい!」と、私は年がら年中言っていますので、またそれかよーと思われる方が多いかもしれません。 医療財政は火の車であり、少しでも財政を良化するために、叩きやすい薬価が狙い撃ちにされるわけです。 もうね、撃たれすぎて蜂の巣ですよ。 製薬会社も豆鉄砲で応戦していますが。 私としてはグレネードランチャーで応戦して頂きたい。 ・・・といった私のぷちおこはとりあえず置いておいて、 今日は日本における医療財政の実態について確認し、医療財政の問題点について考えてみましょう。 年間医療費総額 厚生労働省の資料より抜粋 2018年の年間医療費は42.6兆円です。 そのうち75歳未満の医療費が24兆円、75歳以上で16.4兆円になります。 いかに高齢者の医療費が高いかは一目瞭然ですね! 2019年の年間医療費は、現時点では
臨床試験の結果について考えるとき、統計学的な有意差がつくことは非常に重要です。 2つの群の結果に明らかに差があると示すためには、統計学的に有意差があることを示さなくてはならないからです。 そうでないとその結果は「単なる偶然」である可能性があります。 差がいくら開こうが、ばらつきが大きかったりすれば、統計学的な有意差が出ません。 アビガンの特定臨床研究の際に、効果がレムデシビルより強かったとの論調も見かけましたが、統計学的有意差が出ていない以上、そんなものに意味はありません。 それはただの偶然だからです。 では、統計学的有意差が出ていれば、それはすなわち、試験の成功と言えるのでしょうか? そしてその差は「臨床的に意味のある差」と言えるのでしょうか? 今日はこの微妙な問題について、統計学的に有意差を出したにも関わらず、臨床的に意味のある差を見いだせず、上市できなかった医薬品(アナセトラピブ)の
特許と聞いて何を思い浮かべますか? 素晴らしい研究をまねされないように守るものでしょうか? 特許はいち早く取ったほうが良いのでしょうか? バイオベンチャーの特許取得IRは全て歓迎するべきでしょうか? 今日はそんな特許に対する疑問やと医薬品開発との関係性について、医薬品のライフサイクルマネジメントにも触れながら見ていきたいと思います。 特許制度と医薬品開発 特許制度とは、特許の内容を公開することを条件に、独占的に20年間、特許を使用する権利を与える制度です。 特許と聞くと後部分の「独占的使用」が前面に出ていますね。 でも本質はそうではないのです。 要はその技術の20年間の独占使用権の代わりに、技術の公開を促して周辺技術の研究開発を促進する制度なのです。 特許の期間は出願から20年であり、医薬品の場合は治験期間や国の審査等により特許権の存続期間が少なくなってしまうことがあるため、最大で5年間の
先日に引き続き、臨床試験における対照薬について考えます。 今日は「実薬対照の利点や欠点をテーマ」に取り上げてみたいと思います。 そんなに読まれないであろう真面目度が高い記事です。 宜しければお付き合いください。 参考とするのは先日と同様にICH-E10になります。 https://www.ema.europa.eu/en/ich-e10-choice-control-group-clinical-trials 前回の記事 実薬対照試験の概要 実薬対照(陽性対照)試験は、治験薬を既知の実薬と比較する試験のことです。 プラセボ対照と違い、治験薬の相手には薬効があります。 プラセボ対照の時は単純にプラセボに勝てるか?が命題だったわけですが、実薬対照の場合は2種類の命題があります。 一つは「2つの治療間の差を示すこと」、 もう一つは「2つの治療は同等であること、つまり治験薬が既存の薬と比較して劣っ
以前、バイオ医薬品の後発品たるバイオシミラーを取り上げた際に、バイオ医薬品のオーソライズドジェネリックは先発品と同等であり、信頼性が高いというお話を頂きました。 厳密にいうとバイオシミラー(似ているもの)ではなく、バイオセイム(同じもの)ということになりますね。 このお話も踏まえ、先発品と同じものと言える「オーソライズドジェネリック」についても取り上げてみようかと思います。 ちなみに私はジェネリック医薬品は嫌いですが、オーソライズドジェネリックであれば嫌いではありません。 いったい何が違うのか?といった点も含めて見ていきましょう。 目的 ジェネリック医薬品(後発品) 先発品との違い ジェネリック医薬品とは特許が切れた後に作られた医薬品で、先発品と有効成分が同じものです。 先発品が適応拡大で用途特許を上手に使っている場合は、ジェネリック医薬品が同じ適応を名乗れないこともあります。 効果も同じ
手軽に書けて、手軽に読める(と思われる)お薬の名前の由来シリーズ。 この若干くだらないシリーズですが、最近重いテーマが多かったので、久しぶりにやってみます! 今日はCOVID-19が蔓延しているこの状況を鑑みて、抗ウイルス薬で行ってみましょう。 なお、いつものように真面目に書いていません。 半分くらいがくだらない内容で占められています。 一応医療系の内容ということで、その点はご留意ください♡ なお、あげているものは名前の由来が見つかったものの一部です。 インフルエンザ治療薬 タミフル(オセルタミビル) タミフルは中外製薬の販売している医薬品です。 一般名をオセルタミビルと言います。 タミフルを飲んだ小児に異常行動が認められたと騒ぎになり、イエローレターまで発出されましたが、結局はインフルエンザによるもので、タミフルは無実でした。 名前の由来 名前の由来は「一般名のOseltamivir +
「PCR検査を希望者全員に何度でも実施する」なんてことがもてはやされていて、私には全く理解できなかったので、今日は検査方法を整理しつつ、タスクフォースの資料や論文をもとに、PCR検査拡大の是非について考えてみました。 先に申し上げておきますが、PCR検査を拡大すること自体は反対ではありません。 希望者全員に拡大するということ、不要な部分にまで拡大することが理解できかねるというスタンスです。 PCR検査 PCR(ぴーしーあーる)とはPolymerase Chain Reaction(ぽりめれーすちぇいんりあくしょん)の略です。 薬学では授業で学びますし、私は実習で実際にやってみました。 簡単に言うと、遺伝子を増幅させる検査です。 細かいことは省略しますが、DNA断片から1次関数的ではなく、指数関数的(2倍、4倍、8倍!)にDNAを増幅させることができる検査なのです。 感度は70%~90%程度
今日はいつになく堅苦しいテーマをあげています。 いつだったか忘れましたが、読者の方から治験の対照薬の選択について、ご質問頂いたことがありました。 それに対する直接的な答えではありませんが、今日は臨床試験における対照薬の選択について、まずはプラセボ対照の利点や欠点をテーマに取り上げてみたいと思います。 参考とするのはICH-E10になります。 ICH E10 Choice of control group in clinical trials | European Medicines Agency COVID-19下における治験において、プラセボ対照が大事なのだ! と散々言ってきましたが、改めて考えて見ましょうという趣旨です。 実薬対照については後日に回します。 今日は隠し包丁があまり入ってない、素材の純粋な固さをもれなく味わえる感じで記事が作成されております。 あらかじめご了承ください。
9価の子宮頸癌ワクチン(HPVワクチン)であるシルガードが5年の歳月を経て承認され、喜びの声があがっています。 私も記事を作成して、微力ながらワクチン接種の啓発に努めました。 シルガードは臨床試験や世界/日本における大規模調査で安全性に問題ないことが確認されております。 しかし過去にはワクチンによる副反応(原因も明確)で大きな事件となったものがあります。 それがMMRワクチン事件です。 今日はMMRワクチンの事例を振り返り、その原因や対策について考えてみましょう。 なお、私は承認されているワクチンについては、積極的に接種するべきというスタンスです。 反ワクチンは心底軽蔑しており、HPVワクチンもぜひ定期接種されるべきと考えています。 そのスタンスの上で、過去のMMRワクチン事件について考察しています。 MMRワクチンとは? MMRワクチンとは麻疹(Measles)、おたふくかぜ(Mumps
ついに9価の子宮頸癌ワクチン(HPVワクチン)シルガードが承認されましたね! 本当によかった!! 医療関係者や患者さんの歓喜の声とともに高名な先生方が次々と啓発記事を出しています。 かつてはメディアの知識も心もない報道により窮地に陥ったHPVワクチンですが、皮肉にもCOVID-19蔓延によるワクチンの重要性の理解を追い風に息を吹き返そうとしています。 細かいことは村中先生を始めとした先生方にお任せするとして、私は審査報告書というマニアックなところを中心に、開発背景や意義、有効性、安全性情報について解説させて頂こうと思います。 子宮頸癌ワクチンを「副反応が怖い」とだけ考えている方。 「薬害」だと考えている方がおられるのであれば、本記事を読んで頂き、よく考えて頂きたいと思います。 記事の内容は専門的な部分も含めて記載しますが、とっつきを重視して詳細データについては省略しているところもあります。
先日、Akili社のデジタル治療アプリの件でも少し触れましたが、塩野義さんはSage社というバイオベンチャーとも組んで、新規大うつ病治療薬の開発も行っています。 前に少しだけ解説したこともあるのですが、今回塩野義特集ということで、もう少し踏み込んでみてみたいと思います。 大うつ病の概要 国内の大うつ病患者は500万人と言われています。 「うつは心の風邪」なんて言われて久しいですが、ストレスの多い現代社会において、増えてきている疾患であることは間違いありません。 国内の抗うつ薬市場は1600億円にものぼるといわれ、有望な市場と言えるかと思います。 大うつ病は薬だけでどうこうなるものではありません。 抗うつ薬の一種であるSSRIでの初回治療での寛解率が約37%、抗うつ薬を3回まで切り替えた際の累積寛解率は約67%しかありません。 簡単に言えば、薬の効果が低い疾患ということです。 そして効果発現
以前、ゲーミフィケーションについてご紹介させて頂きました。 何か事件があるとゲームが趣味だったのが悪いのでは?とか、槍玉に挙げられることが多いですが、そもそもこのご時世、ゲーム機を持ってない年頃の男の子のほうが、珍しいのでは? というか、ワイドショーで虚偽ばかり振りまくメディアの方が、よほど有害なのでは?なんて思いますね。 そんなゲームを治療に活かすという画期的な試みなのですが、アメリカにて、ついに1製品承認に至りましたので、今日はその内容について触れてみたいと思います。 ゲーミフィケーションとは? 「ゲーミフィケーション」という言葉があります。 これは2011年頃にアメリカのシリコンバレーで使われ始めた言葉で、「ゲーム以外の文脈にゲームの要素を展開する」という意味です。 簡単に言うと「ゲームを活かして、ヒトの行動を変えていくこと」です。 製薬会社はその名の通り、主として医薬品を開発・製造
先日、藤田医科大学からプレスリリースされ、各メディアにも取り上げられましたが、アビガンの特定臨床研究の結果が出ましたね。 有効性について統計学的な有意差がつかずに、結果は失敗です。 「有効な可能性」なんて、負け惜しみを言われていますが、そんなこと言ったらなんでも「有効な可能性」はありますね。 そもそもそんなレベルの結果ではありません。 対象患者、目的、サンプル数をみてもいまいち何をしたかったのかよく分かりませんが、その辺りも踏まえて結果を整理してみましょう。 (※この試験が計画されたのは2月頃かもしれませんので、その時の情報量の少なさについては、考慮するべきかもしれません。) 試験概要 試験課題名 SARS-CoV2感染無症状・軽症患者におけるウイルス量低減効果の検討を目的としたファビピラビルの多施設非盲検ランダム化臨床試験 「対象は無症状/軽症患者」であり、アビガンを投与してウイルス量が
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