名古屋市東部の人気エリア「星ケ丘」から1キロ余りの場所に、一度はさびれたものの、にぎわいが戻り始めた商店街がある。仕掛け人は駄菓子屋を営む女性理事長。結婚、子育て、離婚を経て、新聞配達や介護の仕事を掛け持ちして切り盛りしてきた。山あり谷ありの人生に重なる商店街の再生は、成功例として注目されている。 (細川暁子) 平日の午後4時半、30人ほどの子どもが小銭を握り締めてレジの前に列をつくる。名古屋市名東区の西山商店街の一角にある駄菓子屋「水都軒(すいとけん)」。母親に連れられてきた瀬尾璃莉杏(りりあ)ちゃん(3)は指輪の形をしたキャンディーやスーパーボールがお気に入り。「おばちゃん、きょうも幼稚...