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世界禁煙デー
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早わかり 分類: 魚類 IUCNのレッドリストによる 危機の評価: 絶滅危惧種 食性: 肉食 体長: ~ 12 メートル 体重: ~ 20.6トン バスとの比較 プロフィール 最大で12メートル以上にもなる現生で最大の魚類ジンベエザメは、さまざまなものをエサにする。ほとんどの海洋生物、そして私たちにとっても幸運なことは、このサメの大好物がプランクトンであるということだ。ジンベエザメは、水面近くで泳いでいる間、巨大な口で周囲を泳いでいる小魚とともにプランクトンを吸い込む。 ジンベエザメに次いで、世界で2番目に大きな魚であるウバザメと同様、基本的にエサを濾過して食べる魚である。その恐ろしく巨大なアゴをつき出し、周囲のものをすべて吸い込む。そして口を閉じ、エラから水を吐き出す。濾過されて口の中に残ったすべてのものがエサになる。 とはいえ、2020年には西オーストラリア州にあるニンガルー沖で、ジン
ナチスの総統大本営の1つ「ヴォルフスシャンツェ(狼の砦)」の遺構で見つかった人骨のうちの1体。成人のものと推定されている。警察は遺体が埋葬された時期を第二次世界大戦前と推定しているが、ナチスドイツやソ連軍の犠牲者ではないかという声もある。(PHOTOGRAPH BY LATEBRA FOUNDATION) 2024年2月、ポーランドのアマチュア考古学者の調査がきっかけとなり、ナチスドイツでアドルフ・ヒトラーに次ぐ地位にあったドイツ空軍総司令官ヘルマン・ゲーリングの住居跡の地中から5体の人骨が発掘された。この住居跡は、ポーランド北東部の小都市ケントシン近郊にあるナチスドイツの総統大本営「ヴォルフスシャンツェ(狼の砦(とりで))」の遺構の一画にある。(参考記事:「ナチスのタイムカプセルを発掘、開封」) 1940年、ヒトラーはソ連侵攻の準備のため、人里離れたこの森に秘密の軍事司令部を建設するよう
有名なギザの三大ピラミッドとそれに付随する埋葬施設は、紀元前2550年ごろから紀元前2490年ごろの間に造られた。各ピラミッドの建造者は、写真の手前から順番にメンカウラー王、カフラー王、クフ王だ。(Photograph by Cordon Press) 永遠に壊れることのないように造られたという、エジプトのギザにある三大ピラミッド。まさにそのとおりになっている。エジプト古王国時代を代表する遺跡で、約4500年前に建てられた。 死後、神々の一員となると信じていたエジプトの王(ファラオ)は、神殿を建立して神々にささげ、自らのためには巨大なピラミッド型の墳墓を建設し、来世での生活に必要な品々で埋め尽くした。 ギザにある3基の大きなピラミッドはそれぞれ、王宮や神殿、船着き場などを備えた複合施設の一部だ。以下では、誰がどうやってピラミッドを造ったのか、そして、これまでに中から発見されたものなどについ
怒りの感情を紙に手書きし、物理的に捨てると気持ちが落ち着くことを名古屋大学などの研究グループが実証した。怒りを抑える手法はこれまで「気の持ちよう」といったものにとどまり、実験や客観的事実を基にしたものは確立されていなかった。科学的に怒りを鎮めるための簡単で効果的な方法として期待できるという。今後はメールなど電子媒体でも応用できるか実験を進めていきたいとしている。 名古屋大学大学院情報学研究科の川合伸幸教授(心理学・認知科学)らは、50人の大学生のグループと、46人の大学生と20代の社会人が混在する2グループに分けて実験を行った。 まず、「学費の値上げについてどう思うか」や「路上喫煙についてどう考えるか」などいくつかの社会課題について論述してもらった。それぞれの課題について添削を行い、「知性がある」「親近感がわく」などの項目について1~9点をつけ、平均が3点と低くなるようにあえて調整した。加
米国ジョージア州に住むケイトリンとクリスのニコルズ夫妻は、三つ子の世話に追われている。未熟児だった三つ子は長期に及ぶ健康問題を抱えている。慢性病の子どもを世話する人は、ストレスで老化が早く進んでいる兆候が染色体に見られるなど、自身も健康を脅かされかねない。(PHOTOGRAPH BY BRIAN FINKE) 「ここ数年、長期にわたった新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)をはじめ、世界各国を揺るがす治安の悪化や政情不安の高まり、環境と経済に大きな影響を及ぼす気候変動といった要因が重なって、世界中で人々が感じるストレスのレベルは急激に高まっている。この広範囲に及ぶストレスの増加による影響はまだ認知され始めたばかりだが、科学的な証拠から、私たちは今、うつ病や不安障害、PTSD(心的外傷後ストレス障害)など、気分の変動や不安の高まりを特徴とする障害が世界中で猛威を振るう第2のパンデミ
2021年10月、スペイン軍の緊急対応部隊の隊員が溶岩の温度の測定とサンプルの採集を行う。50年間休眠状態だったラ・パルマ島の火山は、85日間も噴火を続け、2800棟の建物をのみ込んで、7000人が家を追われた。(PHOTOGRAPH BY ARTURO RODRÍGUEZ) スペイン領カナリア諸島の火山から噴き出した溶岩は、いくつもの流れとなって大地を下り、何キロにも達するトンネルを形成した。科学者や探検家は現在、温度が下がりつつある洞窟内部に入り、探査を始めている。 ほかの惑星にでもいるようだ。黒い灰に覆われた斜面にぽっかりと開いた穴の中をのぞき込むと、荒々しい岩肌がずっと続いている。ここは、大西洋に位置するカナリア諸島のラ・パルマ島にできた新しい溶岩原だ。2021年秋、この島の火山が噴火し、3カ月間にわたって1億9000万立方メートルを超す溶岩を噴き出した。溶岩原の大部分はまだ、科学
イラクのペリス山頂に立つマム・アリ。クルド人は昔から山岳地帯で暮らし、今も自分たちの国をもとうと戦っている。クルドのアーカイブは、アリのような人々の物語を保存しようとしている。(PHOTOGRAPH BY EMILY GARTHWAITE) 消えつつある自分たちの存在した記録を命懸けで守ろうとする人々がいる。 イラク北部に位置するクルディスタン地域はクルド人の自治区だ。その文化の中心であるスレイマニヤでは、もう日が暮れかけていた。 65歳になるセディク・サリが、私に頼み事があると言う。いつもは物腰が柔らかで笑顔を絶やさない彼が、この時ばかりは真顔だった。「族長(シャイフ)に尋ねていただけませんか。それほど多くの手稿を集めてこられたのですから、一部を“ジーン”に譲ってはいかがかと」。その日の晩、私はある高齢のシャイフとの面会を許されていた。少数民族クルドの手稿に関して有数のコレクションをもつ
メーン湾に注ぎ込むミルブルック川を遡上するエールワイフの大群。この魚は海にすむが、産卵時には淡水へ戻る。かつては個体数が激減したが、付近のダムが撤去されると復活し、今ではほかのさまざまな魚や鳥、哺乳類の食物になっている。(PHOTOGRAPH BY BRIAN SKERRY) ナショナル ジオグラフィックの写真家ブライアン・スケリーは、40年以上にわたって北米東海岸のメーン湾に潜り続けてきた。この湾の温暖化が世界のほぼすべての海域よりも速いペースで進んでいることを知ると、彼はメーン湾の急激な変化と、それによってもたらされる驚くべき影響について記録し始めた。 北米の東海岸沿いに9万3000平方キロにわたって広がるメーン湾は、恵み豊かな海だ。南は米国マサチューセッツ州コッド岬から、北はカナダのニューブランズウィック州に及ぶ。この地域に1万2000年以上前から暮らしてきた先住民は、メーン湾の自然
ナショナル ジオグラフィック日本版 2024年6月号の特集「ストレス研究最前線」)の連動企画として、くつろげるスマホ壁紙を5種類ご用意しました。ぜひご利用ください。 ・1080×1920px、容量1MB程度 ・壁紙の設定方法は、各端末の取扱説明書をご確認下さい。 2024年6月号 ストレス研究最前線/溶岩がつくった洞窟へ/変わる海を記録する/わが民族の物語を未来へ 私たちの人生のあらゆる時期において健康に影響を及ぼすストレス。その影響を和らげる方法はあるのでしょうか? 特集「ストレス研究最前線」で詳しくリポートします。このほか、溶岩の洞窟へ潜入、民族の物語を守るなどの特集をお届けします。 特別定価:1,300円(税込) amazon 楽天ブックス
私たちの睡眠習慣は「いつ寝るか」と「どれだけ寝るか」の二大要素で決定されている。前者は朝型・夜型(クロノタイプ)とも表現され、体内時計(生物時計)の影響を大きく受ける。後者は必要睡眠時間のことで、眠気や疲労を十分に解消するのに必要な睡眠時間の長さと定義される。本コラムで繰り返し取り上げてきたように、生活習慣病や癌などいずれも心身の健康に深くかかわるものだが、近年の一連の研究から、これらに加えて「睡眠の不安定性」が発達や健康の新たなリスク要因として注目されるようになった。今回はこの問題を取り上げる。 「不安定性」というからには、規則性が前提にある。睡眠の規則性とは就床・入眠時刻、起床・覚醒時刻、もしくはそれらの中央時刻のばらつきの大きさなどで測定される。十分な睡眠時間をとっている子どもや若者は1週間単位で見た時にそのばらつきはせいぜい1~2時間以内に収まる。ところが不安定な睡眠リズムに陥ると
第16代米国大統領エイブラハム・リンカーンとその家族。妻のメアリー・トッドは1862年2月に息子のウィリアムを亡くした悲しみのなかで、死者の魂と交信できると信じる心霊主義(スピリチュアリズム)にすがった。(PHOTOGRAPH BY NEW-YORK HISTORICAL SOCIETY, BRIDGEMAN IMAGES) 米国大統領の公邸であるホワイトハウスには、様々な著名人が招待される。政治家、作家、音楽家、科学者だけでなく、時には霊媒師が招かれたこともあった。 目に見えない霊の存在を信じるのは、一般市民だけではない。一国の大統領の家族も、愛する者を失った悲しみを癒すために霊媒師に頼り、死者の魂を呼ぶ交霊会を公邸で開いていた。 ホワイトハウスに入り込んだスピリチュアリズム 1853年1月6日、米国マサチューセッツ州で起こった列車の事故で、第14代大統領として当選したばかりのフランクリ
皮膚がんは首や腕など日光にさらされる部位にできるのが一般的だが、意外な場所にできることもある。(PHOTOGRAPH BY SALLY ANSCOMBE, GETTY IMAGES) 皮膚科医に皮膚がんのチェックをしてもらったことがある人ならご存じのとおり、チェックをするべき場所には、がんの可能性を考えたことがないような部位も、日光にさらされないところも含まれている。皮膚がんというと、日光浴、日焼けマシン、日焼け止めの塗りムラや塗り忘れを連想する人が多いだろうが、強力な紫外線の力を借りなくても皮膚がんはできる。 「皮膚がんはこっそり現れることがあるのです」と、米国イリノイ州ヒンズデールで開業している認定皮膚科医のアリックス・チャールズ氏は言う。実際、皮膚がんの最悪のケースは、日光が当たらない部位にできるものが多い。それらに気づかずにいると、診断が遅れ、より侵襲的な(体への負担が大きい)治療
現在、海運は世界的に増える傾向にある。専門家たちは、だからこそサメを保護する活動が必要だと声を上げている。現在、世界で海運にあたっている船は10万隻以上。2019年4月に学術誌「Nature Sustainability」に発表された論文によると、その数は2050年までに最大で13倍に増えると予測される。 跡形もなく消えるジンベエザメ サメは死んでも、あまり気づかれることはない。その主な理由は、証拠が残らない点にある。 「海洋哺乳類は死体が浮かんできたり、岸に打ちあげられたりすることがあるので、わかりやすいのです」とウオマスリー氏は言う。しかし、サメの体は死ぬと海底に沈んでしまう。(参考記事:「ジンベエザメが小型化と研究報告」) これは、大型船によるジンベエザメの被害が過小評価されている可能性が高いということでもある。衝突したのが小型船であれば、大きな傷跡が残ったまま泳いでいるジンベエザメ
アフリカのジブチ沖で、漁に使うライトに、プランクトンと若いジンベエザメが引き寄せられる。(PHOTOGRAPH BY TOM PESCHAK, NATIONAL GEOGRAPHIC IMAGE COLLECTION) 希少なクジラ類と船との衝突事故については以前から世界的に問題になっていた。しかし、世界最大の魚類であるジンベエザメも同じように命を落とすケースが多そうなことは、最近までわかっていなかった。2024年5月1日付けで学術誌「Science of the Total Environment」に発表された80人の研究者による合同研究の論文では、海運がジンベエザメにもたらす脅威について定量的な評価が行われた。(参考記事:「【動画】魚群を狩るジンベエザメの撮影に成功、超貴重な映像」) ジンベエザメは体長10メートルになることも多い。インド洋、太平洋、大西洋など、世界中の熱帯から亜熱帯の
研究ボランティアとして3500年前のデンドラの甲冑のレプリカを着用し、青銅器時代の剣のレプリカを持つギリシャ軍兵士。イノシシの牙から作られた兜は、ミケーネ時代の兵士の勇敢さと狩猟の腕前を表している。(PHOTOGRAPH BY ANDREAS FLOURIS AND MARIJA MARKOVIĆ) トロイア戦争を描いたホメロスの叙事詩『イーリアス』における甲冑(かっちゅう)は、戦士の体を保護するだけのものではない。「甲冑は、しばしば戦士のアイデンティティとステータスを象徴し、英雄の規範と結びついていました」と、ギリシャ、テッサリア大学の生理学教授アンドレアス・フローリス氏は言う。「つまり、英雄の名誉と武勇を目に見える形にしたものなのです」 では、ギリシャの青銅器時代の甲冑は、実際の戦場で圧倒的な優位をもたらしたのだろうか? 古くからのこの疑問に、2024年5月22日付けで学術誌「PLOS
ユーサフ・カーシュが撮影したウィンストン・チャーチルのポートレートを鑑賞するハンガリー国立美術館の来場者たち。(PHOTOGRAPH BY RITTER, ULLSTEIN BILD, GETTY IMAGES) これは英首相ウィンストン・チャーチルの写真としてはおそらく最も有名であり、また彼の逆鱗に触れたものでもある。1941年、チャーチルのカナダ滞在中、写真家のユーサフ・カーシュは、この英国人政治家の写真を撮る機会を1度だけ与えられた。 カーシュによると、「チャーチルは絶えず葉巻をくわえて」おり、「灰皿を差し出しても、それを捨てようとはしなかった」という。カーシュはカメラのところへ戻り、チャーチルが自ら葉巻を口から外すのを待った。 しばらくののち、カーシュは「チャーチルに近づくと、その場の思いつきで、しかし非常に丁重に、『お許しください、サー』と言って彼の口から葉巻を抜き取った」。カー
快適な睡眠を妨げる要因を減らすために、夫婦が別々のベッドや寝室で寝る「睡眠離婚」が増えている。(Photograph by Dorothy Sing Zhang) 米国睡眠医学会が2023年3月に実施したアンケート調査によると、米国人の3分の1以上が、パートナーと寝室を分ける「睡眠離婚」を選択している。俳優のキャメロン・ディアス氏や司会者のカーソン・デイリー氏などの有名人を含め、睡眠の質を優先させるために別々のベッドや部屋で寝るカップルは増えている(編注:日本では、 2011年に学術誌「日本建築学会計画系論文集」に掲載された論文によると、別室で眠る夫婦は約22%であり、結婚から調査時までに別室就寝の経験がある夫婦は3分の1を超えたという)。 「夫婦は一緒に寝るもの、という固定観念に、私たちはとらわれてしまっています」と話すのは、『A Sleep Divorce: How to Sleep
早わかり 分類: 哺乳類 IUCNのレッドリストによる 危機の評価: 低危険種 食性: 草食 寿命: 野生: 12 ~ 20 年 体長: 肩高 1.2 ~ 1.5 メートル 体重: 227 ~ 363 キログラム 成人男性(180cm)との比較 プロフィール 極北のツンドラを、植物の根やコケ類を求めて歩き回るジャコウウシ。冬にはひづめを使って雪の中から植物を掘り出して食べる。夏は特に水辺で花や草を食べて栄養を補給する。 ジャコウウシは何千年も前から北極圏で暮らしていて、長くもじゃもじゃとした体毛は極寒の気候にうまく適応している。外側の長い毛が下層の短い毛を覆っている構造で、短い毛が冬に断熱の役割を果たす。冬の終わりに気温が上がるにつれて下毛は抜け落ちる。 ジャコウウシは群れを作り、1頭のメスが数十頭を率いることもある。メスの妊娠期間は8カ月だ。生まれた子ウシは、出産後数時間で母親と群れの仲
カナダ沿岸のクイーン・シャーロット海峡で、アカウニなどの棘皮動物に溶け込むように体の色や形を変えたミズダコ(Enteroctopus dofleini)。タコをはじめとする頭足類は、動物界で最もすばやく変身することができる。(PHOTOGRAPH BY DAVID HALL) タコやイカなどの頭足類は、ほとんどすべての種が、皮膚の色や模様だけでなく体の形や質感まで変化させる驚くべき能力を持っている。そのスピードはまばたきより速く、既知の動物の中で最速だ。 「頭足類は、私たちが知っている中で最も優れた変身能力を持っています」と、米国スミソニアン自然史博物館の頭足類の学芸員であるマイケル・ベッキオーネ氏は言う。ほとんどの頭足類が色覚を持たないことを考えると、これはさらに驚きだ。「頭足類にとって、多種多様な変身パターンを持つことは進化的に重要だったはずです」 頭足類の皮膚は、色素胞と呼ばれる細胞
エイブラハム・リンカーンの頭部を、過去に作成されたジョン・C・カルフーンの肖像の体と背景に重ねて作られた写真。(COMPOSITE PRINT BY WILLIAM PATE-COURTESY LIBRARY OF CONGRESS) 5月14日に公開された英国王チャールズ3世の新たな公式肖像画は、君主の姿が真っ赤な背景に埋もれるように描かれ、肩のあたりに1匹のチョウがあしらわれている。この作品は発表されるやいなや、世界中で議論を巻き起こした。真っ赤な色彩は王のレガシーを表しているのだろうか。王室の過去についての表現だろうか。それとも、極端な表現で臣民の注意をそらすことを狙った策略なのだろうか。 さまざまな憶測が飛び交っているが、こうした反応は今に始まったことではない。歴史上、肖像というものは常に何らかの目的や象徴のために作られ、論争やトラブルを巻き起こしてきた。 エイブラハム・リンカーン
新たに発見された恐竜コレケンの復元図。(ILLUSTRATION BY GABRIEL DIAZ YANTÉN) すべてはかぎ爪から始まった。アルゼンチンのラ・コロニア累層で恐竜の化石を探していたとき、古生物学者たちが岩石から突き出た足の指の骨に気付いた。さらに掘り出して調べてみると、鼻の低い肉食恐竜アベリサウルス類の新種と判明した。小惑星の衝突によって白亜紀が終わる数百万年前、太古のパタゴニアを歩いていた肉食恐竜だ。この発見は5月21日付で学術誌「Cladistics」に発表された。 アルゼンチンにあるエジディオ・フェルグリオ古生物博物館の古生物学者ディエゴ・ポル氏らは、この恐竜をコレケン・イナカヤリ(Koleken inakayali)と命名した。パタゴニア東部の先住民族テウェルチェの首長だったイナカヤルにちなむ名前で、テウェルチェ語で「粘土と水から生まれる」という意味だ。
車のシートやお皿を洗うスポンジなどに幅広く使われているポリウレタン。廃棄後に国内で処分するには埋め立てや焼却しかないとされていたが、二酸化炭素(CO2)を含む水である「炭酸水」で簡単にリサイクルする方法の確立に長崎大学が産学連携で挑んでいる。欧州ではリサイクルへの取り組みが始まったが、用いる薬剤が有毒で扱いにくい問題が潜む。体積が大きく厄介者のポリウレタンをリサイクルできれば、環境負荷を大幅に低減することができそうだ。
米ワイオミング州コモ・ブラフにあるボーン・キャビン採石場で巨大なマンモスの骨を発掘する男たち。19世紀、ライバル関係にあった古生物学者のオスニエル・チャールズ・マーシュとエドワード・ドリンカー・コープは、恐竜の化石が豊富なこの尾根にそれぞれの発掘場所を確保していた。ここはまた、2人による化石戦争の舞台でもあった。(PHOTOGRAPH BY UNIVERSAL HISTORY ARCHIVE, GETTY IMAGES) 2人はロックスターのような学者だったが、キャリアを台無しにするほどの壮絶な確執があった。 オスニエル・チャールズ・マーシュとエドワード・ドリンカー・コープは19世紀を代表する化石ハンターだった。2人は古生物学の黎明(れいめい)期に、ステゴサウルスやトリケラトプス、リストロサウルスを含む100以上の恐竜を発見した。(参考記事:「奇跡の恐竜化石、世紀の大発見 写真18点」)
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