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世界禁煙デー
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ある教育委員会より、いじめ問題に関する講演の依頼をいただき、資料を事前送付して印刷をお願いしました。その教育委員会とはこれまで継続的にお付き合いがあり、いじめ問題に関してもよい取り組みをしていただけていると感じていました。 しかしながら、資料受領のメールに信じられない記載がありました。「法令を守らない教育委員会」というタイトルのスライドについて、「印刷資料からは除いて配付させていただきたいと存じます」と書かれていたのです。 該当のスライドは以下です。 これらはすべて、新聞等で報道されている案件であり、いじめに関する講演でこうしたことがらに触れることが必要だと私は判断しました。しかし、一方的に、この資料を印刷資料から抜くという連絡があったわけです。 百歩譲って相談をいただくということなら、ありうるかもしれません。しかし、一方的に連絡が来たことが、私には信じられませんでした。 あらためて思うの
10月21日(月)に発表させていただいた流山市教育委員会の法令違反かつ不適切ないじめ問題への対応に関して、どうして教育委員会が法令違反の対応をしてしまうのかと、記者の方などから繰り返し問われます。私が流山を含めいくつかの教育委員会と関わらせていただいた中で考えていることを書かせていただきます。 1)孤軍奮闘 流山市教委の場合、いじめの問題に対応するのは、指導課に配置された1名の指導主事でした。何かがあれば、指導課長や課長補佐、他の指導主事がサポートするということになります。 私が流山市いじめ問題調査会(以下、「調査会」)の委員をつとめていた4年間で、担当指導主事をなさった方は3名おられます。どの方もいじめ問題に真摯に対応しようと、大変熱心に仕事をされていました。 ただ、担当指導主事は常に孤軍奮闘しているように見えました。あまり深刻でない問題であれば、一人で学校と連絡を取りながら対応すれば、
全国学力・学習状況調査の報告書が公表されました。言えることは、点数が高い子どもは総じてリア充である、ということです。朝食を毎日食べ、規則正しい生活をし、家の人とコミュニケーションをとり、自尊感情や規範意識をもっているわけです。家庭環境が安定していて、気持ちよく生活している子どもたちは、学習時間を確保でき、成績もよいのです。 なお、興味深いのは、テレビ・ビデオ・DVD(ゲームを除く)の時間についてで、最も成績が高いのは「全く見たり、聞いたりしない」ではなく「1時間より少ない」であることです。全く見ない人は2〜3時間の人と同じくらいの成績です。一概に、メディア接触時間が少ないほど成績が高いとは言えないのです。メディア接触時間ゼロという人はそもそも少ないのでしょうが、安定した家庭ではメディア接触はほどほどということなのかもしれません。 もちろん、家庭の状況だけで成績が決まるわけではなく、学校の教
広島県呉市で16歳の少女が遺体で発見され、遺体遺棄の容疑で6名が逮捕されています。この事件に関して、容疑者の少女と被害者との間でLINEでの書き込みに関するトラブルがあったり、事件後にLINEでのやりとりがなされたりしており、一部報道で青少年のネット利用の問題であるという取り上げられ方がなされつつあります。私のところにも、いくつか取材が来ています。 しかし、この件をネット利用の問題として扱うことは大きな誤解につながると考えられます。現時点での私のコメントを以下に掲載しておきます。 1)「LINEへの書き込み」という言い方がありますが、LINEは基本的にメールの代替手段となっており、個人間もしくは限られたメンバーでのグループでのやりとりがなされいるのであって、サイトへの書き込みとはかなり様子が違うものです。「LINEで悪口が書かれた」は「メールで悪口が書かれた」と同様、「LINEで、逮捕され
何かと話題のアプリ「LINE」についてですが、青少年のスマートフォン利用について講演をすると多くの質問をいただきます。少し整理しておきます。(少し前にFacebookに書いたものを加筆修正しました。) 1)不特定多数の人と出会うリスクを大きく生じさせるのは、LINE IDによるつながりができることです。これについては、次のことが言えます。 ・KDDIのAndroid端末の場合、LINEは利用者の許諾を得てKDDIから「18歳以上か否か」の情報を得て、18歳未満の場合にはLINE IDを作ることも、他者をLINE IDで検索することもできなくなります。ドコモやソフトバンクについてもこのしくみが今後導入される予定です。(KDDIやソフトバンクはすでにmixi、mobage、GREEにはこうした年齢情報提供を行っていますが、ドコモは提供予定の状態が2年以上続いており心配です。) ・他の場合、LI
昨年10月11日に大津市の中学生が自殺した事件について、今月に入りさまざまな報道がなされています。この「いじめ自殺事件」に関しては本日の大学の授業「学校と教育」でも一部予定を変更してお話ししましたので、現時点での私の見解をここに記しておきます。 1)被害者が亡くなる以前に、いじめについて多くの生徒が知っていた上に担任も知っていたという状況があり、しかも被害者が担任に相談していたという報道もある。このような中で担任が問題解決のためにほとんど動いていないように見えるが、そうだとしたら異常に思われる。学校あるいは地域において、被害生徒に対する差別的な感情が広がっていて、多くの関係者が「あの生徒はいじめられてよい」と考えていたとしか思えない。何らかの要因があってそもそもひどい差別がなされていたのではないか。 2)被害者が亡くなる前にも亡くなった後も、被害者や親族から警察に相談があったにもかかわらず
【2011.11.10 23:30追記 下記の記事において、警察庁の広報資料を私が完全に誤読していることがわかりました。EMA認定サイトか否かという項目において、平成23年上半期は被害児童数、平成22年下半期は件数が示されていました。よって、数の比較ができないこととなります。私のほうがミスリードの記事を書いてしまい、お詫び申し上げます。以下、訂正を入れさせていただきます。お恥ずかしいのですが、記録のため、最初に書いた部分がわかるように訂正いたします。】 警察庁が11月9日に「コミュニティサイトに起因する被害児童の事犯に係る調査結果について(平成23年上半期)」を発表し、NHKがこれを受けて「被害の6割 「健全」サイトで」というニュースを報じている。NHKは言う。 携帯電話のゲームサイトなどを通じて子どもが巻き込まれた性犯罪などの60%近くが、第三者機関から「健全」と認定されたサイトを通じて
素数の研究はギリシア時代にかなり扱われているが、素数の研究が直接社会に使われるということは(私の理解では)あまりなかった。しかし、近年では非常に大きな数の素因数分解が容易にできないことが暗号技術に使われている。附属中で行っている選択授業「社会とつながる数学」で、この話題を取り上げてみた。(中学校3年9名が対象、45分1コマ) 前の授業では、エラトステネスのふるいで1000以下の素数を求める等、素数の話題を扱った。 まず、素数が暗号に利用されていることを説明し、暗号というものについて簡単に説明。説明の内容は以下の通り。 もとのメッセージに一定のルールで変更を加えることで暗号を作ることができ(暗号化)、メッセージを受け取った人が一定のルールで解読する(復号)ことで元のメッセージを読み取ることができる。たとえば、「元の数字に5を加える」というルールで暗号化し、「暗号から5を引く」というルールで復
地震から4日目を迎え、新しい週が始まりました。首都圏では停電のアナウンスや交通の乱れで混乱を迎えています。しかし、徐々にいろいろなことが見えてきたのも事実です。 テレビ局でも、通常の番組を中心とした編成が見られるなど、緊急の対応から今後の復旧・復興に向けた対応へと、取り組みが変わってきていると考えられます。 テレビ局の方々も、ここまで大変な苦労をされ、対応を進めてこられたことと思います。また、民放各局では、大幅なCMカットで経営的にも大きなダメージを受けられているかもしれません。 しかし、ここは正念場です。今、テレビの影響力は大変大きくなっています。テレビが、被災者ひいては国民をどれだけ元気づけられるかが、問われています。 以下、メディアリテラシー教育を研究してきた教育研究者の立場から、いくつかの提案をさせていただきます。ご検討いただければ幸いです。どうか、よろしくお願いいたします。 1.
このたびの地震では、直接大きな被害があった地域の方々はもちろんですが、全国の人々が大変なショックを受け、いろいろなことを考えていると思います。 もちろん、子どもたちもさまざまなことを感じているはずです。身近で直接的な被害がなかったとしても、テレビで流れ続ける地震のニュースを見て、大きな不安を覚えていると考える必要があります。 以下、私なりに明日3月14日(月)から学校で取り組んでほしいことを整理しました。教員やスクールカウンセラーの方々に参考にしていただければ幸いです。また、修正やつけたし等のご意見をいただければ、ありがたいです。(主に、直接的な被害がなかった地域の学校を想定して書いています。学校段階は小中高を広く想定しています。) 1.大人への不信を招かないように 保護者や教師などの大人は、地震報道を見て不安がる子どもに、不安を解消しようとして「大丈夫」「心配ない」と言うかもしれません。
3月7日(月)放送の日本テレビ「スッキリ!!」で藤川のコメントが不当に扱われた問題に関して、昨日(8日)に日本テレビにメールを送信した件、本日(9日)17時近くに担当プロデューサーより電話をいただきました。 真摯に謝罪の言葉を述べていただき、「うかがって事情をご説明したい」と言ってくださいましたが、いらしていただくことはお断りしました。ご説明は、公開できる形で文書でいただきたいですし、謝罪でなく名誉回復を求めたいとお話ししました。 私は、日本テレビについてはこれまでのおつきあいの中で感謝もしていますし、信頼もしていたつもりです。2000年に私たちは「メディアリテラシー教育研究会」を発足させ、多くの方々のご協力をいただきながら授業や教材の開発を進めてきました。当初から、日本テレビのメディアリテラシー担当の方が私たちの活動に強く共感してくださり、カメラの方、営業の方、アナウンサー、マーケティン
昨日放送の日本テレビ「スッキリ!!」で私のコメントが使用されましたが、使用のされ方が不当ですのでここに指摘しておきます。 私の発言に先だって、「手軽にネットに頼る行為がカンニングにつながった可能性があると言います」と私がこのような「可能性」を話したかのように紹介しています。しかし、私はそのあとのビデオでも言っているように、「試験の範囲を教えてもらうのは悪いことはない」「宿題も自分でやってみた上でわからなくて誰かに聞くのはいいかもしれません」「最初から頼り切ってしまうのはまずい」「人に頼ると楽だから依存してしまうかもしれない」「従来以上に注意しなくてはいけない」と言っています。 ところが、これを受けてスタジオでは、司会の加藤浩次氏が「ネットで検索しやすくなったからカンニングにつながるというのは短絡的すぎる」と受け、その後、コメンテイターの勝谷誠彦氏は「ほんと馬鹿な論議してるね、あの先生、俺ち
twitterに書いたものをこちらに転載します。 警察庁から本日、「非出会い系サイトに起因する児童被害の事犯に関する調査分析について」という広報資料が発表されました。資料はまだウェブに掲載されていないようですが、報道が出ていますので、この発表についての私の見解を、以下、連続ツイートします。 非出会い系(1)被害児童のうちフィルタリング加入が確認できた者は1.5%。フィルタリングをかければ、監視の甘いサイトへのアクセスできない。また、関心が高い保護者ほどフィルタリングをかけると考えれば、フィルタリング非加入の場合、保護者の関心が低い可能性もある。 非出会い系(2)デフォルトでフィルタリング対象外でのEMA認定サイトの被害は約半数。しかし、フィルタリング加入者がEMA認定サイトで被害に遭ったケースはほぼない。主要サイトがフィルタリング加入者は18歳未満とみなす措置をとっていることの効果もあるだ
私の研究室には、「藤川研究室の30ヶ条」というものが貼ってあります。以前は他のところに掲載されていたのですが、最近ネットには出していなかったので、以下に掲載します。 千葉大学・藤川研究室の30ヶ条 (2003年2月19日掲示) 1. 迷ったら積極策をとろう 2. 毎月2万円分の本を読もう 3. 学生コトバでなく社会人コトバで話そう 4. 名刺を作り、常に携帯しよう 5. Webメールを使おう 6. 「100の情報」と「50の電話」から始めよう 7. 週に1度は東京に行こう 8. アルバイトでなく「仕事」をしよう 9. 「みんなのため」「社会のため」「日本の教育のため」を考えよう 10. 情報を共有しよう 11. 報告・連絡・相談をしよう 12. 困った問題ほど早く相談しよう 13. 5秒で決断しよう 14. 先延ばしするときは期限を決めよう 15. 「とりあえず」でも反応しよう 16. 結
2021年10月8日(金)、文部科学省にて、森田志歩さん(特定非営利活動法人Protect Children 〜えいえん乃えがお〜)をはじめとするさまざまな立場の方々とともに、いじめ防止対策推進法改正に向けた政策提言を行う発表の記者会見を行いました。 提言の内容は、以下に掲載されています。 https://ijime-platform.com/archives/2682 2013年にいじめ防止対策推進法が成立・施行されて以降、いじめ問題への対応は着実に進んできました。しかしながら、本ブログでも報告してきた千葉県流山市の例をはじめ、最近の福島県福島市、北海道旭川市、東京都町田市の例など、教育委員会や学校が法令に従った対応をとらず、被害者や家族を苦しめるケースが後をたちません。 私たちは、いじめ被害者やその保護者の方々にアンケートにご協力いただき、教育委員会や学校の対応が不適切な例が、回答の
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