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物理の道しるべ 第 11 回 野蛮人が物理学者になるの記 清 水 明 私のような者がこのコーナーに登場するのは気 が引けるが、大企業でない会社に勤めた後で、大 学で純粋物理をやるようになった人はそんなに多 くはないので、読者の参考になる部分もあるかと 思い、お引き受けした。 また、物理学者の友人達を見ると、自分が研究 したいことを、大学の初年時から決めていた人も いるし、遅い人でも、大学院の頃には決めて、基 本的にはその延長線上の研究をライフワークにし ている人が多い。しかし私は、自分が興味を持て る事が何なのか、自分でもなかなかわからなかっ た。その点でも私は少数派なので、若い読者の参 考(反面教師と言うべきか?)になることがある かもしれない。 1. 工作が大好きでした 小学校の頃、私は動くプラモデルを作るのが大 好きだった。今は、プラモデルというと、観賞用 が主流になってしまって私に
1 基本方針 大学院は研究をするところです。 したがって、院生からみると、研究の機会と環境を 与えるのが大学院の研究室の役割ということになります。 そこで、次のような方針で運営したいと思います。 やる気と能力を兼ね備えた人がいくらでも伸びるように、 というのを基本にします。 逆に言うと、大学院生は,大人ですから,やる気のない人に,無理にやる気を起こさせる,ということはしない(できない)と清水は考えます。 清水は、いわゆる「学生の抱え込み」は良くないことだと 考えますから、途中で他の研究室に移るのは(相手がオーケーすれば) 自由です。その場合は、 できるだけ早めに申し出て下さい (大学は1年単位で動いているので、 唐突に言われると障害が生ずる場合がありますから)。 2 研究テーマについて しばらくの間,メインテーマを, 量子系のマクロ化とその安定性 量子系の散逸 量子系の制御の限界・制限の模
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物理学会誌の編集委員会から、ある英語の本の訳書の新著紹介の依頼が来た。学会員の義務と思い、引き受けるつもりになったのだが、前に引き受けた一般向けの本ではなく、物理の教科書なので、「訳書ではなく原著について書きます」という返事を出した。そうしたら、「学生のために訳書を紹介して欲しいという意見があり、その意見に添った方針で新著紹介をお願いしているので、訳書の方を紹介して欲しい」と言われてしまった。 僕は常々、学生さん達に、「物理の本は、もとが英語で書かれたものなら、原著を読むべし」と言っている。その理由は、 翻訳というものは、本来、その本の内容を全て理解した上で、それを正確に、自然な日本語に置き換える、という作業だから、大変な労力がかかる。しかし、今、大学の先生達は忙しいので、翻訳にそれだけの労力をかける時間はないことが多い。それなのに、訳書がポンポン出てくる。結果は明らかだ。ひどいときには、
こ のページは,本について,より詳しい情報を提供する ページです 御意見・御質問を歓迎いたします。 ただし、、返事には数ヶ月以上かかる可能性があります。(仕事には〆切のあるものとないものがあります。大学の教員の日常は、〆切のある仕事に追われてい るのが実情です。質問の答えには〆切がないの で、どうしても後回しになります) また、どこの誰とも名乗っていないメールには、いっさい返事はし ません。怖いですから。 以上を承知していただいた上で、shmz (=^..^=) as2.c.u-tokyo.ac.jp まで。 ((=^..^=)を半 角の@に置き換えたアドレスに送信してください) 教科書などの文献を読むときの一般的な注意 科学用語の場合、「名は体を表し」ません。ですので、科学用語は、言葉としての意味(漢字や英語の意味など)から、科学としての意味を読み取ろうとか、理解しようとしてはいけません
講義ノートの PDF ファイルは、書きかけですので、完結していませんし、内容 は更新されてゆきます。 これらのノートや板書の著作権は清水にあります。ダウンロードして印刷して、勉強したり研究に役立てること は自由ですが、著者に無断で改変したり販売したりすることは禁じます。 簡単な例を用いて量子現象・量子論を学び、その特徴について考察することにより、古典現象・古 典論との相違や共通点について理解できるようになることを目指す。 とくに、物理学科や化学科の学生には必須だが本質的ではない項目(1次元粒子、水素原子、摂動論…) は、ばっさり削除して、量子論の本質に迫ることを目標にする。 また、量子論の応用は半世紀以上も前から盛ん(トランジスター、LED、超伝導、…)なのに、なぜ最近になっ て再び声高に言われるようになったのかについて、その核にある部分を説明したい。 (この方針は、やってみるとなかなかい
重要なお知らせ 清水は、2022年3月末日に定年退職する予定ですので、今年の修士課程入試を受けて来年入ってくる学生さんを、博士課程修了まで指導することはできません。 この事情を鑑み、以下のようにいたします。 新たな学生さんを、総合文化研究科の修士課程、博士課程から受け入れることは、できるだけ控えたいと思います。 新たな学生さんを、理学系研究科から受け入れることは、修士、博士共に終了いたします。 そういうわけですので、入試説明会には、清水は出席しません。 上記のことを承知の上で、それでも清水研を志望する方は、清水研のHPを読んであらかじめ清水研に関する知識を得た上で、Eメールで連絡してください。 よろしくお願いいたします。 ちょっとうるさく感じるかもしれませんが、大学院で理論の研究室に入ることの意味をまるで分かっていない人も、たまにいるので、ちょっとした注意を以下に書いておきます。参考にして
僕は、厳密な理論は、たいてい嫌いです ごく希には、大変面白くかつ重要な、厳密な理論もありますが、大部分は嫌いです。 その理由を書きます。 ※ 厳密な理論を、その実体以上にありがたがる風潮が、いよいよ強くなってきているように感じるので、それに警鐘をならすために書いたものです。だから、多少、断定的に、極端に書いている部分もあります。 ※ 「厳密な理論をやっている人が嫌い」というわけではないです。 念のため。 ※ 好き嫌いは、研究でも食べ物でも、個人の趣味嗜好の問題なので、以下の意見と正反対の事を言う人がいても、なんら不思議ではありません。念のため。 ※ 厳密はきらいだ、というのは、いいかげんが好きだ、という意味ではないです。様々な考察から摂動や平均場近似で本質をえぐれそうだ、と思うところはそれですませばよく、もっと別の(難しい) 定理なりなんなりを 持ち出すのが効率的だと思うところは、それを使
「厚いと売れない」「高いと売れない」という出版業界の「常識」に反論するために、厚くて高い「熱力学の基礎」の売れ行きをGoogleで調べ始めたら、僕の熱力学の本 と田崎さんの熱力学の本を比較している評論に出会った。(賛成できるかどうかは別として)鋭い評論だったので、コメントをしました。 僕の「熱力学の基礎」は、最初に「要請」(数学で言えば公理のようなもの)を示し、そこから演繹的にすべての結論を導いていくスタイルをとっています(それをここでは「公理論的」と言うことにします)が、それについて です。そのコメントからの抜粋です(これだけで話が見えるように適宜補いました)。 「公理論的な体系は、論理構造が明確な反面、その公理からはずれたときのロ バストネスがないのでは?」という疑問に対して: たしかに僕は、できあがっている理論については、いっさいのしがらみを捨てて、その完成形をきちんと書こうとするタ
English version Modern Principles of Equilibrium Statistical Mechanics - Ensemble formulation and thermal pure quantum formulation The principles of equilibrium statistical mechanics are presented on the basis of recent advances in research on its foundations. Instead of traditional but misleading arguments, this book is based on the typicality, i.e., the fact that almost all microstate is an equi
Recommendable books (last update: 2007/05/27) お薦めの本のリストです。時々追加してゆきます。 注意: 物理学は難しいので、どのテーマの本でも、「一 冊ですむ完璧な本」などというものは存在しません。だから、「以下に挙げた本だけ読めばオーケー」という意味ではないです。 清水は、それぞれの本の一部を読んだことがある だけですから、読んでいない部分については、何が書いてあるか知りません。清水が読んだ部分だけでも充分な価値がある、と思うから推薦して います。 以下の本に誤った記述が 存在しない、という意味でもないです。物理(特に、まだ完成していない分野)では、内容があって、かつ、誤りもないような本を書くのはほと んど不可能じゃないだろうか? ここで言う「誤り」の中には、本質的なもの(=著者自身が誤った理解をしている)さえあります。 ましてや、些細な誤りな
尊敬できる物理学者たちは、みな、非常にしつこい。偏執狂とも言えるほどである。しかし、そうだからこそ、良い仕事ができるのである。 これは当たり前のことだが、一応、理由を書いておこう: 研究は、未知への挑戦だから、そこらじゅうに困難が待ち受けている。 困難に突き当たるたびに、これはダメだな、と挫けそうになる。 しかし、挫けたら、その時点で研究はおしまいだから、 簡単に挫けてしまう人は、永久に、良い研究成果を出せない。 諦めの典型的なパターンをいくつかあげると、 1.計算ミスとかバグで否定的な結果が出た時に、 「この計算結果はおかしい」と思うのではなく、「この計算結果からして、この研究はダメだ」と判断して研究を放棄する。 後者の方に傾く理由は、「きっと、もっと良い研究があるから(幻想!)、 この困難な研究をここで放棄して乗り換えれば楽だ」 という意識が(無意識のうちに)働いているのだろう。そんな
SHIMIZU's home page! 清水明のページへようこそ! English version is here. I am interested in ... · Quantum Physics of Macroscopic Systems · Nonequilibrium Statistical Physics · Measurement Theory Publication List Awards and selections 第16回応用物理学会賞 (1994) A Paper of Editors' Choice (Journal of the Physical Society of Japan, 2005) with T. Yuge and N. Ito Editors' Suggestion (Phys. Rev. Lett., 2012) with S. Sugiura
研究のしやすさについての実地研究の結果を発表します (199?年に記す) 景気が良くて基礎研究ブームだったころの企業 > 大学 > 今の企業 そういえば、僕が企業にいた頃(1984年4月から1992年3月まで) に、企業にいたお友達の多くは、今は、大学の教官になってます。 同じ企業(というか、同じ研究グループ(^_^;))では、 電通大の富田さん、学芸大の藤井さん、姫路工業大学の新部さん、 東京理科大の鈴木さん、等々…。 別の企業では、 広島大学の上田さん、東北大学の小川さん、大阪大学の北川さん、 早稲田大学の栗原さん、広島大学の角屋さん、 総合研究大学院大学の井元さん、九州工業大学の藤原さん、 筑波大学の押山さん、東北大学の大野さん、東大の樽茶さん…ふう、疲れた。 とても書ききれないや(^_^;) 僕のお友達は、どうしてこんなに会社を辞めちゃうんだろうか? 不思議だなぁ…(?_?) あ、
大学院の状況を,僕が, 大学院の学生だった頃(1984年まで.以後,「昔」と呼ぶ)と, 僕が大学へ教官として赴任して以降(1992年から.以後,「今」と呼ぶ) とで比べると,大きく変わった点が2つあります. 僕は,うかつにも,それがどんなに決定的な違いをもたらすかを軽視して,昔と同じような研究室運営をしてきてしまいました. しかし,以下のように,もはや大学院は,質的に変容しているのでした.だからどういうふうにしたら良いかは,正直言ってまだ判りかねています. しかし,以下のようなことは,大学院を目指す学生さん-特に,理論の研究室に入って将来アカデミックポスト(大学の教官など)に就きたいと思っている人-は、皆,認識しておいた方が良いと思うので,ここに公開します. なお,具体的にあげる数字は,すべて,僕が修了した,東京大学理学部物理学科と理学系研究科物理学専攻の数字です. 他の大学・学部・専攻で
複合系であっても成り立ち、どんな相転移があっても成り立つような、正確で一般的な 熱力学を、1年生にも判るように書く、 ということを目標にしている本 です。 東京大学教養学部の理科I類1年生向けの講義ノートをもとにしています。 理科I類は、物理を専門に学ぶような学科には進まない学生さん が大多数ですが、 講義のアンケートを見る限りではわかりやすいと言ってくれています。 いきなり一般原理を提出するので、最初のうちは???と思うようですが、読み進むうちにぐんぐんわかるようになるそうです。 簡単な紹介 last modified: * 日本物理学会誌 Vol. 63 No.9 (2008) p.724に、高名な数理物理学者による書評が載っていますので、そちらもご覧ください。 [本書の特徴] 熱力学は、現代の物理学の骨格をなす理論のひとつだが、その基礎的な部分の論理構造が、量子論や統計力学に比べて
理論の研究の道具として、数値計算は大変有用であるので、僕は、院生の間に大きな数値計算をすることを推奨している。ところで、数値計算にはバグとか誤差がつきものである。数値計算を始めると、かなりの時間を、バグや誤差との戦いに費やすことになるのが普通である。 数値計算は、僕自身、数値繰り込み(A. Shimizu, H. Aoki and H. Kamimura, J. Phys. C19, 725-738 (1986))とか、 会社にいた頃にやったかなり複雑なデバイスシミュレーション(A. Shimizu and T. Hara, IEEE J. Quantum Electron. QE-23, 293 (1987)) の経験があるものの、それ以外はたいした数値計算をしていないので、専門家ではない。しかし、何人かの人の数値計算を見て来て気付いたのは、僕が犯しそうなミスとは違うパターンの、似たよう
講義についての疑問・要望への返事 私の講義では、試験の最後に自由に感想を書いてもらう欄を設けています。そこに、様々な疑問や要望を書いてくださる人も少なくないです。私はとても参考に させていただいているのですが、学生さんの側から見ると、一方通行に見えるかもしれません。そこで、主要なポイントについて、ここに返事を書いておくこ とにしました。 Q. 「講義に出てこなくてもいい」とはどういうことですか? A. 大学の講義で教える内容は、高校よりもずっと高度ですので、高校までと全く同じやり方で勉強しても身に付きません。特に、物理や数学のよう に論 理を積み重ねてゆく学問では、わからないのに先に進まれると非常に困るでしょうし、反対に、わかったのにまだ説明が続くのもイライラします。そして、どの 辺りで時間がかかるかは、一人一人異なります。ですので、一人一人が自分のペースで 教科書を読んで身につけるのが一
今、店頭で売っているテレビには、普通のテレビ(ブラウン管の横:縦の長さが4:3)と、ワイドテレビ(同16:9)とがあります。店員が熱心に薦めるのはワイドテレビです。でも、いくら薦められても、ワイドテレビなんか買ってはいけません!その理由を書きます。 ワイドテレビは、縦につぶれたテレビである! ビデオソフトの画面の横:縦の比は、4:3(TV サイズ)、16:9(ビスタサイズ、HiVision サイズ)、もっと横長(シネスコサイズ)の3種類です。このうち、今後主流になる、4:3と 16:9の映像を、普通のテレビとワイドテレビに映した場合の有効画面(絵が映っている範囲)の面積を比較しましょう。 テレビの「N型」というのは、ブラウン管の対角線の長さが N インチという意味で、例えば29型テレビと言うのは、対角線の長さが29インチという意味です。ここでは、売れ筋である、N が30内外の場合を考えます
質問があったので追記06/04/06:「その公理系が矛盾に陥ら ないために必要不可欠な公理」というのは、僕の量子論の教科書を 読んだ人には意味が分かるでしょうが、意味が分からないという質問メールがきたので説明します。次の意味です:公理A1,A2,A3,A4では矛盾が出た ので、A4の適用領域を制限してA4'とし、一方で、新たな公理A5をい加える。 量子論の公理(と言うか、基本要請)の中に、射影仮説がある。いわゆる、測定による波束の収縮である。(なお、量子論の公理のリスト は、(有限自由度系については)僕の講義ノートが 分かり易いかもしれません。) ところが、プロの物理屋の中で、この公理を自分の論文の中で使ったことのある人の割合は、きわめて少ないと思われる。例えば、東京大学大学院理学系 研究科物理学専攻、同総合文化研究科広域科学専攻、同工学系研究科物理工学専攻に所属する全ての理論物理の教官を
量子測定理論入門 2021/08/03, 08/04/22, 07/06/05 量子純粋状態による統計力学 2012/09/18, 09/17 量子統計力学の新しい定式化 2012/03/26 熱揺らぎとは何か? 2011/08/26 研究者のための研究道具ガイド-お勧めの機器と、 買ってはいけない機器 08/04/21 有限系におけるゲージ対称性の破れをどう理解するか? 08/04/17, 08/04/08 研究のしやすさ についての実地研究の結果 を発表します 199?年に記す, 07/10/04に加筆 非平衡状態の標準モデル(1) 07/09/24 Keldyshグリーン関数では非平衡状態はわからない 07/09/22 ミクロとマクロを繋ぐ (2) 「なんで相加変数でやるのさ?」 07/08/21 ミクロとマクロを繋ぐ (1) 「同じ状態・違う状態ってなんなの
清水明は2022年3月に東京大学教授/先進科学研究機構機構長を定年退職いたしました。 2022年4月からは、 東京大学名誉教授となり、 東京大学大学院理学系研究科附属フォトンサイエンス研究機構の特任研究員、理化学研究所量子コンピュータ研究センターの嘱託職員、放送大学の主任講師(2023年4月からは客員教授)を務めます。 ただ、旧清水研のページは、今後も更新を続ける部分(出版した本の情報ページなど)がありますので、新しいホームページを別所に作るまでは、このまま公開を続けることにいたします。 なお、在籍中の(清水が途中で定年を迎えることを承知で清水研に入った)3人の大学院生は、白石研に移籍させていただきました。 清水研究室 (1992年4月-2022年3月) お 願い: 清水研究室を志望する学生さんは、 必ずここを読んでくだ さい。 NEWS 2024/03 : 米田・清水の論文が、J. St
今日、M2の院生の浮穴(うけな)君の修論の計算結果が、出た。(修論の提出期限が1月18日だから、「え、まだ計算してたの?」といわれそうだが、まあ、研究内容の良さに免じて…。)これは、最近の清水研の主要な研究テーマのひとつである、開いたマクロ量子系の研究の一環である。 Quantum Physicsの説明にも書いたように、量子系の本質は、「古典力学+古典電磁気学では記述できないことも記述できる」というような狭い所にあるのではなく、「古典的な世界観(局所実在仮説)では記述できないことも記述できる」という所にあるのである。つまり、量子論で記述できる現象の中には、 (C) 古典力学+古典電磁気学でも記述できる。 (C') 古典力学+古典電磁気学では記述できないが、古典的な世界観の範囲内で記述できる。(つまり、局所実在仮説の範囲内で、古典力学や古典電磁気学には従わない適当なモデルを作ってやれば記述で
投稿論文の査読については、多くの方々が持っているのと同じような不満を僕も持っているが、ここではそういうことはおいておいて、referee としての基本的な考え方について一石を投じる意見を書く。 ある、ヨーロッパの理論物理学者が、論文を Phys. Rev. Lett. に投稿してきて、僕はその referee のひとりになった。論文がやりとりされているうちに、referee は4人にまで増えた。僕以外の3人のreferee達は、文句なく出版を薦めたのだが、僕だけが「そう考えたくなるのは無理もないし、実際、そのように誤解している人は少なくないけど、誤りである。だから、このままでは出版は適当ではないと思われる」と判定した。referee report にはその通りに書いたのだが、僕は、いっそのことこのまま出版して、公の議論の対象にするのも良いのではないかと考えた。というのは、著者のみならずre
旺文社「蛍雪時代 全国大学 学部・学科案内号」(2002年4月臨時増刊号) pp.333-335 に掲載した概説ですが、大学生にも読んでおいて欲しいと思い、公開します。たとえば物理学科でも、なかなか全体像というのは教えないし、ひとつの分野に特化した専門家だとなかなか全体像を語れない場合もあるで、物理学科で一通り物理学を学んだ学生さんも読んでみて欲しいと思います。(※ 以下の文章は、一応、様々な分野の専門家にチェックしてもらってあります。) 物理学は、自然現象について、できるだけ簡潔かつ普遍的な見方を見いだそう、という学問である。ここで、「普遍的」というのは、ひとつの見方が、非常に広い範囲の自然現象にあてはまる、ということである。たとえば、「星々の運動と、地球の上でリンゴが木から落ちることが、実はまったく同じ法則で記述できるのではないか」という見方をしてみる。そして、そのことを、数学を用いて
「新版 量子論の基礎」(清水明著)の出版について このページは随時更新します Last update : 幸いにもSGC版の「量子論の基礎」は好評ですが、 書籍の分類上は雑誌になるために,インターネット書店で入手できない 等の問題点も出てきました。 また,ページ数の制限から詳しい説明を省いた部分もありました. そこで,大幅に 加筆・改訂したものを 単行本とし て出版することになりました。(SGC版は品切れになりました。) この本の狙いや特色、また、SGC版との違いなどは、 まえがき と さらに学びたい 人のための指針 をご覧下さい。 目次 や 補足の目次 や 索引 も参考になると思います。 日 本物理学会誌 第59巻12号p.905 (2004年12月号)に、プロの物理学者による書評が掲載されています。(こ こで無料で閲覧できるそうです) おまけ 物理学者が、2章や8章に書いたような量子論
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