店員や従業員らが顧客から無理難題を言われたり、暴言を浴びせられたりするカスタマーハラスメント(カスハラ)が社会的な問題となり、国なども防止策の検討を始めた。ところで客の立場が強いことを表現するのに、しばしば使われてきたフレーズがある。「お客様は神様です」。戦後の昭和を代表する歌手、三波春夫さんの言葉だが、本来の意味からはかけ離れ、誤った解釈として広がっているという。いったいどういうことか。三波さんの長女、三波美夕紀さんに聞いた。(聞き手・関根和弘) 【画像】「お客様は神様です」と言った三波春夫さんと、それを広めたレツゴー三匹のスナップショット 三波春夫(みなみ・はるお)1923年(大正12年)、新潟県長岡市(旧・三島郡越路町)生まれ。13歳のとき上京し、米屋や製麺工場などで住み込み奉公し、16歳で日本浪曲学校に入学。東京・六本木の寄席で、南篠文若の芸名で初舞台を踏む。20歳で陸軍に入り、満